親・子・孫の絆を深めるために、3世代で旅行する人が増えている。だが、楽しい思い出作りのはずが、時にトラブルを招き、気まずくなるケースもあるという…。
旅行会社のJTBのアンケート調査(2016年実施)によると、3世代旅行の目的は、【1】家族との絆を深める、【2】祖父母孝行、【3】記念旅行(長寿のお祝い)の順で、祖父母を中心とした旅行計画を立てる傾向にある。
また家族全員が満足できる旅先選びや祖父母の体力・気力はどうか、費用をどうするかなど悩む人も多い。旅行ジャーナリストの村田和子さんによると、3世代旅行を成功させるためには、以下の3つが重要だと言う。
【1】祖父母や父母に、まず行先、食事、部屋などの希望を聞いてから計画を立てること。
【2】子供も、祖父母も、楽しめる旅先や施設を選ぶこと。
【3】プライバシーを保てる客室を選ぶこと。
「お任せと言われたはずが、“ビュッフェなの?”“部屋は別なの?”などと言われ、気まずい雰囲気になることがあります。みんなで相談して決めたという事実が大切です。特に大人数での旅行は、全員同室にすれば、宿泊費が安くなることが多いですが、少し高くなっても複数の部屋があるタイプの方がおすすめです。寝る時はもちろん、着替えの際などに気を遣わずに済みます」(村田さん)
大人数ゆえのトラブルを防ぐために、部屋の間取りが知りたい、という声も増えたことから、JTBでは宿の間取りを記したパンフレットを作成したところ、満足度が8割を超えたという。
「年をとるとトイレが近くなることもあり、夜中に家族を起こさずトイレに行ける部屋に泊まりたいもの。あらかじめ間取りを見れば、そんな問題も解決でき、部屋でのくつろぎ方も想像しやすいと好評です」(JTB国内旅行企画・福安眞由美さん)
家族旅行は心地よい距離感が大切。以下の3つの間取りを参考に、好みの宿を選ぼう。
■2間+居間付きタイプ
旅館の特別室などによく見られ、和室と洋室の両方がそろっているタイプもある。
メリット→団らんできるスペースがある。各寝室から直接トイレや出入口に行ける。
デメリット→部屋数が少なく、予約が取りにくい。宿泊&料理代金が高くなりがち。