芸能

今年8度目の年女・瀬戸内寂聴氏が語る理想の“最期”

寂聴氏が理想の“最期”を語る

 瀬戸内寂聴さん(95才)は、1956年に処女作『痛い靴』を発表した。それから60年を超える小説家生活の間には、女性の性愛を赤裸々に描いたことで「子宮作家」と揶揄され文壇から消されかけた期間も存在する。出家したのは51才のときだ。そんな瀬戸内さんに、元外交官の小池政行さん(67才)が、瀬戸内さんが今の世の中に抱く思いに迫った。

「お坊さんには、守らなければいけないことがたくさんあるんです。“嘘をついてはいけない”とか、“人の悪口を言うな”とかね。でもね、小説家というのは嘘を書くのが職業ですよ。悪口言いながら食べるご飯は、本当においしいの。そんなのやめられないじゃない(笑い)。

 だから、“人がいちばん守れないものを守ろう”と思って、それでセックスを絶ったんですよ。51才のときから、そういったことは1回もありません。誰も信じてくれませんけどね(笑い)。でも、仏さまはちゃんと見てくださっているからそれでいいんです」(瀬戸内さん・以下「」内同)
 
──恋愛感情を抑え込んだわけですか。
 
「いいえ、今でも恋愛はしています。長生きをするエネルギーの源は、やっぱり恋愛をすること。あの人素敵だな、お話ししたいなって思う気持ちは、生きる糧になります。恋愛すれば心がみずみずしくいられる。心がみずみずしいと、体もシワシワにならないのよ」

〈今年5月の誕生日で、瀬戸内さんは8回目の年女を迎える。これまで、多くの人との別れを経験してきた〉

──人生の終わりをどう迎えるかは、寿命が延びた現代人の大きなテーマです。私の身内にも、介護が必要で施設に入っている人間がいます。
 
「私もね、きっと介護度4くらいじゃないかと思ってるんですよ。自分で」

──またご冗談を。頭は?

「はっきり」

──耳は?

「聞こえます」

──足は?

「歩けます」

──どこにも問題ないじゃないですか!(笑い)

「あらそう? 今はまだ、お風呂に入るのも、着物を着るのも全部自分でできます。もちろん、おトイレなんかも誰の世話にもならなくて済んでいます。でもね、もし仮に認知症になったり、介護が必要になったりするんだとしたら、その前に死んでしまいたいと思っているんです。

 私の昔からの知り合いに、奥さんに先立たれてから、少しずつ弱ってしまった人がいました。気位が高くて、とても洒落た人だったのですが、それこそ下の世話まで誰かにやってもらわないといけなくなってしまって。

 その後その人が亡くなったとき、ちょっとホッとした自分がいたんです。“これで、やっとあの人のプライドが守られる”って。特に女性は、最後まで美意識を保っていたいと思うでしょう?

 だから私は、最後の最後まで意識がはっきりしてて、“みんな、本当にお世話になったね。さようなら”って言って、パタッと“その時”を迎えたいと願っています」

※女性セブン2018年4月19日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平(左/時事通信フォト)が伊藤園の「お〜いお茶」とグローバル契約を締結したと発表(右/伊藤園の公式サイトより)
《大谷翔平がスポンサー契約》「お〜いお茶」の段ボールが水原一平容疑者の自宅前にあった理由「水原は“大谷ブランド”を日常的に利用していた」
NEWSポストセブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
離婚のNHK林田理沙アナ(34) バッサリショートの“断髪”で見せた「再出発」への決意
NEWSポストセブン
フジ生田竜聖アナ(HPより)、元妻・秋元優里元アナ
《再婚のフジ生田竜聖アナ》前妻・秋元優里元アナとの「現在の関係」 竹林報道の同局社員とニアミスの緊迫
NEWSポストセブン
かつて問題になったジュキヤのYouTube(同氏チャンネルより。現在は削除)
《チャンネル全削除》登録者250万人のYouTuber・ジュキヤ、女児へのわいせつ表現など「性暴力をコンテンツ化」にGoogle日本法人が行なっていた「事前警告」
NEWSポストセブン
水卜麻美アナ
日テレ・水卜麻美アナ、ごぼう抜きの超スピード出世でも防げないフリー転身 年収2億円超えは確実、俳優夫とのすれ違いを回避できるメリットも
NEWSポストセブン
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
遺体に現金を引き出させようとして死体冒涜の罪で親類の女性が起訴された
「ペンをしっかり握って!」遺体に現金を引き出させようとして死体冒涜……親戚の女がブラジルメディアインタビューに「私はモンスターではない」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン