2020年7月24日の東京五輪開会式まであと2年。7月12日には福島県を出発地とする聖火リレーのルートが決まり、新国立競技場の建設も佳境を迎えている。この1か月で向かって手前の外壁(北東側)が一部露わになり、白い柱が現われた。
屋根工事も順調に進み、競技場の手前を中心にトラックの内側に向かって長い屋根がせり出しているのが見える。建築アナリストの森山高至氏が解説する。
「工事足場の仮設外壁が一部取り払われ、圧迫感が軽減されました。柱が並ぶこのスペースは、1周約850メートルの散歩道“空の杜”になります。最終的にはこの散歩道に沿って樹木が植えられ、都心の景観を楽しむことができるでしょう。設計した隈研吾さんのこだわりを感じます。庇に使用するのは、全国47都道府県の木材です。写真では見えませんが、競技場の外から“空の杜”を見上げると、庇に取りつけられた木材を見ることができます」
明治神宮外苑の自然と一体化する“杜のスタジアム”が、少しずつ姿を現わしつつある。
◆撮影/小倉雄一郎
※週刊ポスト2018年8月3日号