来年11月末に竣工予定の新国立競技場は、全体の約4割が完成した。毎日約2000人の作業員が働き、今後3000人以上に増員される。5月に始まった屋根工事も順調に進む。左手前(東側)の屋根の長さに合わせ、ドーナツ型になるようパーツを取り付けていく。
この1か月で目を見張るほど変化を遂げたのは、競技場の外壁部分だ。建築アナリストの森山高至氏が解説する。
「向かって手前の外壁(北東側)は覆いがほぼ取り外され、柱が並ぶ散歩道“空の杜”がはっきりと姿を現わしました。空間の“抜け感”があり、柱の色が白いので見上げると軽くてすっきりした印象を持つはずです。
東京五輪も今年と同じ猛暑が予想されますが、遊歩道の上部にある大きい庇から風を取り込み、スタンドに風が吹き込む構造を採用して対策を講じました。加えて、風がない時はファンを回して送風し、冷房完備の休憩室も設置されます」
■撮影/本誌・小倉雄一郎
※週刊ポスト2018年8月31日号