国内

サマータイム推進派が強調する「省エネ」「経済効果」に疑問

専門家からは疑問の声が

 夏の間だけ、時計を早めるサマータイムを日本も導入する案が、この秋にも臨時国会で決まりそうな勢いだ。反対論ばかりが聞こえるなか、2020年東京五輪開催にあわせて、サマータイム推進派は、「朝の日照を利用して活動することで電気使用量が減る」と“省エネ”のメリットを強調するが、専門家の見方は異なる。

 電力中央研究所(東京電力など電力各社が出資)の今中健雄氏は2011年、サマータイムのように始業時間を1~2時間前倒しした場合の使用電力について試算した結果、「削減効果はピーク負荷の1%程度にすぎず(略)誤差といってよい規模」と結論づけている。

 また、大阪大学の下田吉之教授らのグループが大阪市をモデルに行なったシミュレーションでは、サマータイムで家庭の照明代が0.02%減る一方、冷房費は0.15%増え、全体としてむしろ0.13%増加する、と指摘している。

 推進派が強調する「経済効果」にも疑問符がつく。平日に2時間早く退勤できれば、明るいうちに“アフター5”を迎えることができる。余暇時間にレジャーや外食に費やすお金が増え、「数千億円規模の経済効果」があるとする試算もある。だが、サイバーセキュリティが専門の立命館大学情報理工学部の上原哲太郎教授の見方は否定的だ。

「膨大な修正プログラムに必要な経費に加え、毎年2回、時間が移行する時期に発生する追加の人件費などのコストもかかる。仮に余暇消費が増えることがあったとしても、その経済効果では簡単には回収できない」

関連記事

トピックス

大谷の母・加代子さん(左)と妻・真美子さん(右)
《真美子さんの“スマホ機種”に注目》大谷翔平が信頼する新妻の「母・加代子さんと同じ金銭感覚」
NEWSポストセブン
トルコ国籍で日本で育ったクルド人、ハスギュル・アッバス被告(SNSより)
【女子中学生と12歳少女に性的暴行】「俺の女もヤられた。あいつだけは許さない…」 執行猶予判決後に再び少女への性犯罪で逮捕・公判中のクルド人・ハスギュル・アッバス被告(21)の蛮行の数々
NEWSポストセブン
二階俊博・元幹事長の三男・伸康氏が不倫していることがわかった(時事通信フォト)
【スクープ】二階俊博・元自民党幹事長の三男・伸康氏が年下30代女性と不倫旅行 直撃に「お付き合いさせていただいている」と認める
NEWSポストセブン
雅子さまにとっての新たな1年が始まった(2024年12月、東京・千代田区。写真/宮内庁提供)
《雅子さま、誕生日文書の遅延が常態化》“丁寧すぎる”姿勢が裏目に 混乱を放置している周囲の責任も
女性セブン
M-1王者であり、今春に2度目の上方漫才大賞を受賞したお笑いコンビ・笑い飯(撮影/山口京和)
【「笑い飯」インタビュー】2度目の上方漫才大賞は「一応、ねらってはいた」 西田幸治は50歳になり「歯が3本なくなりました」
NEWSポストセブン
司忍組長も姿を見せた事始め式に密着した
《山口組「事始め」に異変》緊迫の恒例行事で「高山若頭の姿見えない…!」館内からは女性の声が聞こえ…納会では恒例のカラオケ大会も
NEWSポストセブン
浩子被告の顔写真すら報じられていない
田村瑠奈被告(30)が抱えていた“身体改造”願望「スネークタンにしたい」「タトゥーを入れたい」母親の困惑【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
「好きな女性アナウンサーランキング2024」でTBS初の1位に輝いた田村真子アナ(田村真子のInstagramより)
《好きな女性アナにランクイン》田村真子、江藤愛の2トップに若手も続々成長!なぜTBS女性アナは令和に躍進したのか
NEWSポストセブン
筑波大学・生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格したことがわかった悠仁さま(時事通信フォト)
《筑波大キャンパスに早くも異変》悠仁さま推薦合格、学生宿舎の「大規模なリニューアル計画」が進行中
NEWSポストセブン
『世界の果てまでイッテQ!』に「ヴィンテージ武井」として出演していた芸人の武井俊祐さん
《消えた『イッテQ』芸人が告白》「数年間は番組を見られなかった」手越復帰に涙した理由、引退覚悟のオーディションで掴んだ“準レギュラー”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン