熱波が猛威を振るい、約7万人という史上最多の熱中症患者を出した今年の夏も、折り返し地点を過ぎた。外で遊ぶ子供たちの日焼けや脱水対策、クーラーの温度調節などお母さんたちにとっては例年以上にヘトヘトの夏休みとなった。小学生の男児をもつ都内在住の主婦が言う。
「こまめに水を飲ませるように気をつけたり、30℃を超えたら家で遊ぶように注意したりと神経をすり減らしました。正直、夏休みが終わってほっとしています(笑い)。だけど例年の夏より1つだけ、楽なところがありました。
それは虫刺され対策。毎年、プールや夏祭りから帰ってきて『かゆい、かゆい』と泣く子供にかゆみ止めを塗るのが定番だったのですが、不思議なことに今年は全然刺されなかったんですよね…」
実際、『@niftyニュース編集部』がこの8月に行ったアンケートによれば、57.4%が「蚊に刺される頻度が例年よりも減った」と回答している。
蚊の生態に詳しい『害虫防除技術研究所』所長の白井良和さんが解説する。
「蚊の活動が活発になる気温は、25℃から30℃まで。35℃以上になると暑さのあまり血を吸う意欲がなくなり、動きを止めてしまいます」(以下「」内、白井さん)
また、蚊は水たまりに産卵し、幼虫は水の中で育つ。気温が高く水が蒸発しやすいうえ降水量が少ない今年の夏は、蚊の数はぐっと減ったが、その一方で卵のまま孵化していない幼虫も多い。
「だから、9月に入って気温が下がり、台風などで降水量が増えると大量発生する可能性が非常に高い。特に秋の蚊は人の体にくっついて車や家の中に入ってくるなど、しつこいのが特徴です。冬には寿命で死んでしまうため、涼しくなって活動しやすいときこそ、最後になんとか子孫を残そうと必死になり、動きも活発化するのです」
猛暑を乗り越えて大量発生した蚊は、10月下旬まで猛威を振るうことが見込まれている。
◆パステルカラーとうちわで迎え撃て!
生命力に満ちた秋の蚊には、どう対策すればよいのだろうか。
「まずは、肌の露出を減らすことです。長袖を着て、サンダルをやめて靴下と靴を履く。首まわりも狙われがちなので、ショールで隠すこともおすすめです。そのうえで、蚊を寄せつけないように虫除けスプレーをして、白や薄いピンク、ブルーなどパステルカラーの洋服を着るようにしてください」
黒や茶色のような、濃い色の服を着ると、動物だと認識され、狙われやすくなるのだそう。
「その点、パステルカラーだと動物と認識されにくいうえ、黒い蚊は目立ってしまうため近づきにくい。外出時の格好は、長袖のパステルカラーがポイントです。可能であればうちわや扇子も携帯してください。蚊の弱点は2ミリグラムという体重の軽さ。強くひとあおぎすれば蹴散らすことができます」
身のまわりから発生源をなくすことも大切だ。
「庭にあるガーデニングの鉢の受け皿やプランターにたまったままの水や、タイヤにたまったままの水は、卵を生み付けやすい。なるべく家まわりの水たまりをなくすようにしましょう」
猛暑の夏が終わって、蚊が飛び交う“キンチョーの秋”はすぐそこ。迎え撃つ準備、できていますか?
※女性セブン2018年9月13日号