今年のバレンタインデー商戦では、高級チョコの代表格であるゴディバと「ブラックサンダー」(30円)で知られる有楽製菓がコラボを行い、話題となっている。東京・小平市にある有楽製菓の社内にゴディバのブースができ、同社社員が自由にゴディバのチョコレートを食べられるようになっているのだ。マーケティングや広報関連サイトAdver Times(アドタイ)には「本命vs義理!?ゴディバとブラックサンダーの意外なバレンタイン共同戦線」という記事が2月13日に掲載され、昨年来の両社の関係について明かされている。
もともとの発端は、2018年のバレンタインデー商戦に遡る。ゴディバジャパンがジェローム・シュシャン社長名義で「日本は、義理チョコをやめよう」というメッセージ広告を日経新聞の全面を使って展開したのだ。これには賛同の声が相次いだが、そこにかぶせる形でツイッターで義理チョコ文化支持を表明したのが有楽製菓だ。
〈とある広告が話題のようですね よそはよそ、うちはうち。 みんなちがって、みんないい。 ということで有楽製菓は引き続き「日頃の感謝を伝えるきっかけ」として義理チョコ文化を応援いたします〉
これが大いに話題となり、2018年のバレンタインデー商戦をめぐるキャンペーンの二大巨頭としてゴディバと有楽製菓がその後多数取り上げられた。そして今年、有楽製菓は東京駅構内に義理チョコ専門店「ブラックサンダー 義理チョコショップ」を1月26日から2月14日まで展開。さらに同社は「【世界一ギリに近い島?!ギリ島旅行が当たる】ぶっち義理!!なフォロー&RTキャンペーン」を実施中。抽選で1組1名様にインドネシア・ギリ島旅行(3泊5日)が当たるのだという。
今年はかくして両社のコラボ企画が実現し、さらには「義理」を前面に押し出すキャンペーンを展開中なわけだが、ここまで発展したのもゴディバの広告に「ブラックサンダー」ツイッターの「中の人」が反応したからに他ならないだろう。一体当時は何を考え、あのような行動に出たのか。改めて聞いてみた。
――「義理」で売ってきた有楽製菓としては、ゴディバのあの広告に対し、どうメッセージを発するか悩んだのでは?