「どうも最近、胃がキリキリするな……」といった不調を感じた場合、「逆流性食道炎」の可能性がある。宮崎善仁会病院の押川勝太郎医師(消化器内科)が指摘する。
「加齢とともに腰が曲がって姿勢が悪くなると、胃が上部にせりあがって食道ヘルニアを起こしやすい。すると胃酸が逆流し、食道に炎症を引き起こすリスクが増加します」
高齢化の進行などで逆流性食道炎の罹患率は30年前と比べて10倍、潜在的な患者数は1500万人との推計がある。
通常、胃痛を訴える患者に対しては、「パリエット」などの「プロトンポンプ阻害薬(PPI)」が処方されることが多い。これは胃酸の分泌を抑制する薬だ。
しかし逆流性食道炎を罹患した場合、PPIでは胃痛が解消しないケースがある。その際、押川医師は「P-CAB」というタイプの薬に切り替えるという。
「2014年承認の新しい薬で、胃酸を抑える効果が高く、PPIでは取り除けない胃の痛みも解消できる可能性が高い。よく処方されるもので『タケキャブ』があります」(押川医師)
※週刊ポスト2019年6月7日号