芸能

『消えた天才』映像加工で休止 過剰演出はなぜ起こるのか

『消えた天才』では過去にも同様の加工があったことが判明した(TBSのホームページより)

 8月11日、TBS『消えた天才』がリトルリーグ全国大会で全打者三振の完全試合を達成した当時12歳の少年を特集。しかし、同少年のストレートが速く見えるように、早回しをするという加工を行っていたことが判明。9月5日に事実関係を公表したTBSは、過去にも卓球やフィギュアスケート、サッカーで同じような加工をしていたと発表。番組は休止することになった。テレビ局関係者が話す。

「まず、スポーツに対するリスペクトがないですね。球速が速いからといって、打者を打ち取れるとは限らない。いくら速い球を投げても、ホームランを打たれることだってある。それが、野球の面白い所でしょう。それなのに、速ければいいと思考を単純化する。間違った啓蒙ですし、何でもわかりやすくまとめればいいというモノではないと思います」

『消えた天才』は、以前から“危険な兆候”が見られたという。今回のTBSの調査で2件の映像加工が判明した2018年1月3日放送回では、元ヤクルトの伊藤智仁を『わずか2ヶ月半で消えた! プロ野球史上最高の天才』というテロップで煽るVTRも放送されていた。

「伊藤は1年目の1993年、150キロ近いストレートと高速スライダーを武器に開幕から2か月半で7勝を挙げ、防御率0.91という驚異的な数字を挙げます。しかし、故障で戦線離脱しました。この点は事実です。しかし、番組は『このあとケガから復帰をするため、過酷なリハビリ生活を送ったものの、その輝きが戻ることはなく、現役最後は2軍の試合に登板』とナレーションを被せたんです」(以下同)

 プロ野球ファンには周知の事実であるが、伊藤智仁は1997年には抑えとして7勝19セーブを挙げ、チームの日本一に貢献。カムバック賞も受賞した。翌年、先発に転向。2000年までの3年間、先発の一角としてヤクルトに欠かせない存在だった。

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