未来から来たネコ型ロボット・ドラえもんが誕生して50周年を迎えた。それを記念して、各界の“ドラえもん好き”著名人に、22世紀に伝えたい言葉、場面を聞いたところ、お笑いコンビ「サバンナ」の高橋茂雄は何でも倍に増やすひみつ道具「バイバイン」を選んだ。
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『ドラえもん』の魅力のひとつは、僕たちをワクワクさせるひみつ道具です。物語に登場する「バイバイン」は、かけたものを5分ごとに倍に増やす薬。栗まんじゅうが2個、4個、8個と増えていき、1時間で4096個、あっという間に1億を超えてしまうという計算で、困ったドラえもんは宇宙に打ち上げてしまいます。
このエンディングは衝撃的でした。当時小学生だった僕は、宇宙がまんじゅうだらけになるんじゃないかと心配しました(笑い)。
エンディングに関してはいまだにファンの間で議論が続いていて、宇宙が栗まんじゅうで埋めつくされる説や、ある時点で栗まんじゅうがブラックホール化する説などさまざま。藤子・F・不二雄先生の作品には「SF(すこし・ふしぎ)」があふれていますが、「だいぶ・ふしぎ」な物語です。
【てんとう虫コミックス『ドラえもん』第17巻「バイバイン」とは】
何でも倍に増やす薬「バイバイン」を栗まんじゅうに振りかけたのび太とドラえもん。ひとつ残しておけばいつでも食べられると考えたのび太だが、5分ごとにまんじゅうは増えていく。ママやしずかちゃんたちに頼んでも食べきれなくなり、ドラえもんは「1日で地球が埋まってしまう」と風呂敷に包んで宇宙の彼方へ打ち上げる。
●たかはし・しげお/1976年生まれ。京都府出身。1993年、八木真澄とお笑いコンビ「サバンナ」を結成。ドラえもんの大ファンで、2017~2019年の3年連続で劇場長編映画「ドラえもん」のゲスト声優を務めた。
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※週刊ポスト2020年3月13日号