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認知症の人の“徘徊”は誤解、目的や意志あることがほとんど

よく行くお店の店員とも顔見知りになっておくと情報交換しやすい(イラスト/鈴木みゆき)

 警察庁の調べによると行方不明になる認知症の人の数はここ7年連続で最多を更新中。家族としては気が気ではない。

 しかし、行方不明の心配がある人こそ積極的に外に出る機会をつくるべきだと認知症介護研究・研修東京センターの永田久美子さんは言う。外に出て時空間の感覚を維持し、自分らしく過ごす何気ないひとときが大切なのだ。

「認知症の人の行方不明は、かつて“徘徊”という言葉で大きな誤解を生みました。言葉の意味は“あてもなくウロウロする”ことですが、認知症の人が行方不明になるのは、目的や意志がある場合がほとんど。徘徊ではありません。

 買い物など行きたいところがあったり、気晴らしに散歩に出たりして、その途中、いつもならわかる道がわからなくなってパニックになり、どんどん歩いて帰れなくなることが多いのです」(永田さん・以下同)

 しかも行方不明になる人の約7割は認知症のごく初期の人だという。親が認知症になるとできないことばかりに目が行き、本人なりに目的をもって行動する力を維持している点を見落としがちだ。

「普段はしっかりしているようでも、ささいなことでパニックになりやすく、行方不明になる危険がある…など特徴を家族は知っておくべき」

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