国内

外国特派員協会が主催する記者会見はなぜこんなに面白いのか

2018年に丸の内二重橋ビルに移転した

 日本外国特派員協会(FCCJ)は今年、創立75周年を迎える。1945年11月、戦後まもない日本に来た従軍記者らが、100ドルずつ出し合い設立した記者クラブだ。現在は、日本に駐在する海外メディアの特派員が中心となり、日本国内のニュースを海外に発信し続けている。FCCJはこれまでに、歴代首相やスポーツ選手、ご当地キャラまでバラエティに富んだゲストを招いて、記者会見を開いてきた。

 会長でシリア出身のジャーナリスト、カルドン・アズハリ氏は言う。

「政治家や一線で活躍する著名人に限らず、少数派の声を発信することも大事です。日本では報道の自由が認められており、社会から批判される人や犯罪の容疑者であっても、自由に発言できる。誰に対しても発言の場を提供することが、私たちのポリシーなのです」

 来日して30年になるアズハリ氏。自身が同席したなかで印象に残っているのは、2014年、ソチ五輪のフィギュアスケート代表だった浅田真央の会見だ。

「五輪から帰国した直後の会見に、私も一記者として参加しました。質問の際に『“アサダ”はアラビア語で“メスライオン”の意味です』と伝えたところ、浅田さんが笑顔を浮かべていたのを覚えています。その話が翌日のニュースで大きく取り上げられたので、とても驚きました(笑い)」

 現在の会員数は、日本人を含めて約1700人。そのうち正会員である海外メディアの特派員は、450人しかいないという。

「特派員以外でも準会員になることができるので、ビジネス界、政界、学界など、幅広い業種の会員がたくさんいます。準会員も記者会見の現場に同席できますし、図書室やレストランを利用することができます。ワインの試飲会、食事会といった会員限定のイベントも人気です」

2015年には「ふなっしー」も登場(写真/FCCJ)

オリジナルグッズも販売。トートバッグは2800円、マグカップは1000円

施設内には過去の会見の写真が飾られている

創立40周年パーティには当時の皇太子と皇太子妃が出席(写真/FCCJ)

1978年、ピンクレディーは会見後にパフォーマンスも

ライブラリーには1万2000冊の蔵書がある

会長のカルドン・アズハリ氏

撮影■内海裕之

※週刊ポスト2020年9月4日号

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン