国内

コロナ禍の事業主「むしろ儲かっている」人たちの生き方とは

東京都の営業時間短縮要請を受けて、営業が終了した飲食店が続く銀座コリドー街(時事通信フォト)

東京都の営業時間短縮要請を受けて、営業が終了した飲食店が続く銀座コリドー街(時事通信フォト)

「ピンチはチャンス」とは、新型コロナウイルス感染症のために緊急事態宣言が発されたとき、いろいろな場所で経営者が従業員を鼓舞するのに使っていた言葉だ。実際に働く人たちからは、ピンチしかないと不評だったが。では、第2波が現実のものとなりつつある今、人々はどのようにコロナと向き合っているのか。ときには、コロナ禍を逆手にとるようにしてチャンスに変える人たちについて、ライターの森鷹久氏がレポートする。

 * * *
 東京都板橋区内の飲食店は、今日も賑わっていた。

「みんな旅行も帰省もしないから飲むしかないのか、例年の2倍以上の売り上げ。空いててよかった、って来てくれる。時短営業? 今回は応じません。応じるだけ損ですから」

 同店の店長・吉住隆太さん(仮名・40代)は、コロナ禍で多くの飲食店が苦境に立たされる中で「むしろ儲かっている」と自信を見せる。緊急事態宣言の前後には流石に店を閉めたり、時短営業をせざるを得なかったが、それも東京都から出た「協力金の50万円」目当て。持続化給付金の100万円、さらに妻と子供3人の家族5人分を合わせた給付金50万円、しめて200万円の臨時収入があったのだから「辛いどころかラッキー」だと言い切る。

「うちの客の9割は常連。人様の商売に口出すつもりはないが、ネットの口コミやらを気にしすぎたり、高級でオシャレ路線に走ったりせず、極端に安くもしない。常連さんが居心地の良いよう、ニーズに答えてきただけ。だから、ある程度世の中が混乱しても、客は来てくれた。ありがたいことです」(吉住さん)

 コロナ禍で多くのビジネスが沈滞する一方で、このように儲かる人、賢く生きようとしている人は少なくない。千葉県在住のデザイン事務所代表・川島淳一郎さん(仮名・40代)も、苦境を「機会」と捉えた一人。

「広告デザインが主な収入だったため、コロナでかなりやられました(笑)。仕事がないから探してこい、といっても仕事はないからどうしようもない。そういうわけで、会社の財務の見直しをやろうということになりました」(川島さん)

関連記事

トピックス

5月8日、報道を受けて、取材に応じる日本維新の会の中条きよし参議院議員(時事通信フォト)
「高利貸し」疑惑に反論の中条きよし議員 「金利60%で1000万円」契約書が物語る“義理人情”とは思えない貸し付けの実態
NEWSポストセブン
殺害された宝島さん夫婦の長女内縁関係にある関根容疑者(時事通信フォト)
【むかつくっすよ】那須2遺体の首謀者・関根誠端容疑者 近隣ともトラブル「殴っておけば…」 長女内縁の夫が被害夫婦に近づいた理由
NEWSポストセブン
曙と真剣交際していたが婚約破棄になった相原勇
《曙さん訃報後ブログ更新が途絶えて》元婚約者・相原勇、沈黙の背景に「わたしの人生を生きる」7年前の“電撃和解”
NEWSポストセブン
なかやまきんに君が参加した“謎の妖怪セミナー”とは…
なかやまきんに君が通う“謎の妖怪セミナー”の仰天内容〈悪いことは妖怪のせい〉〈サントリー製品はすべて妖怪〉出演したサントリーのウェブCMは大丈夫か
週刊ポスト
令和6年度 各種団体の主な要望と回答【要約版】
【自民党・内部報告書入手】業界に補助金バラ撒き、税制優遇のオンパレード 「国民から召し上げたカネを業界に配っている」と荻原博子氏
週刊ポスト
グラビアから女優までこなすマルチタレントとして一世を風靡した安田美沙子(本人インスタグラム)
《過去に独立トラブルの安田美沙子》前事務所ホームページから「訴訟が係属中」メッセージが3年ぶりに削除されていた【双方を直撃】
NEWSポストセブン
エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン