国内

菅政権誕生の立役者 二階俊博氏の「昭和的人心掌握術」

存在感を隠せない二階氏(時事通信フォト)

 菅義偉氏が第99代総理大臣に指名され、新たな時代が始まった。その菅首相誕生の流れを決定づけたのが、細田派(正式名称:清和政策研究会。会長:細田博之元総務会長)や麻生派(同:志公会。同:麻生太郎財務相)といった5派閥の支持表明だった。

 昔ながらの派閥政治とそれに伴う猟官運動が露骨に顔を出したわけだが、一方で、自民党内では派閥の力は少しずつ弱くなってきたのも事実だ。何より「無派閥」の菅氏が総理・総裁に就任したことがその証左だろう。自民党職員として多くの派閥領袖と意見をぶつけ合った経験を持ち、現在は政治評論家として活躍する田村重信氏が解説する。

「1988年のリクルート事件によって、安倍晋太郎氏や渡辺美智雄氏といった領袖であり将来の総理候補といわれていた有力議員たちの芽が摘まれました。それまで派閥の領袖が総裁選に出馬するのが慣例でしたが、この事件を機に、領袖ではない人物が総裁選に出馬し、宇野宗佑氏や海部俊樹氏が総裁、そして総理に就任したのです。以後、派閥の領袖の力がだんだんと弱くなってきたのです」

 そんな中、やや印象が異なるのが二階俊博氏率いる二階派(志帥会)だ。二階派は今回、最初に菅支持を表明し、菅氏も早々に二階氏を幹事長続投させる意向を示した。「昭和の領袖像を受け継いでいるのは二階氏だけかもしれない」(田村氏)というように、二階氏は他派閥でスキャンダルを起こした議員などを自らの派閥に迎え入れて「数の力」を増していった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷の母・加代子さん(左)と妻・真美子さん(右)
《真美子さんの“スマホ機種”に注目》大谷翔平が信頼する新妻の「母・加代子さんと同じ金銭感覚」
NEWSポストセブン
トルコ国籍で日本で育ったクルド人、ハスギュル・アッバス被告(SNSより)
【女子中学生と12歳少女に性的暴行】「俺の女もヤられた。あいつだけは許さない…」 執行猶予判決後に再び少女への性犯罪で逮捕・公判中のクルド人・ハスギュル・アッバス被告(21)の蛮行の数々
NEWSポストセブン
二階俊博・元幹事長の三男・伸康氏が不倫していることがわかった(時事通信フォト)
【スクープ】二階俊博・元自民党幹事長の三男・伸康氏が年下30代女性と不倫旅行 直撃に「お付き合いさせていただいている」と認める
NEWSポストセブン
雅子さまにとっての新たな1年が始まった(2024年12月、東京・千代田区。写真/宮内庁提供)
《雅子さま、誕生日文書の遅延が常態化》“丁寧すぎる”姿勢が裏目に 混乱を放置している周囲の責任も
女性セブン
M-1王者であり、今春に2度目の上方漫才大賞を受賞したお笑いコンビ・笑い飯(撮影/山口京和)
【「笑い飯」インタビュー】2度目の上方漫才大賞は「一応、ねらってはいた」 西田幸治は50歳になり「歯が3本なくなりました」
NEWSポストセブン
司忍組長も姿を見せた事始め式に密着した
《山口組「事始め」に異変》緊迫の恒例行事で「高山若頭の姿見えない…!」館内からは女性の声が聞こえ…納会では恒例のカラオケ大会も
NEWSポストセブン
浩子被告の顔写真すら報じられていない
田村瑠奈被告(30)が抱えていた“身体改造”願望「スネークタンにしたい」「タトゥーを入れたい」母親の困惑【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
「好きな女性アナウンサーランキング2024」でTBS初の1位に輝いた田村真子アナ(田村真子のInstagramより)
《好きな女性アナにランクイン》田村真子、江藤愛の2トップに若手も続々成長!なぜTBS女性アナは令和に躍進したのか
NEWSポストセブン
筑波大学・生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格したことがわかった悠仁さま(時事通信フォト)
《筑波大キャンパスに早くも異変》悠仁さま推薦合格、学生宿舎の「大規模なリニューアル計画」が進行中
NEWSポストセブン
『世界の果てまでイッテQ!』に「ヴィンテージ武井」として出演していた芸人の武井俊祐さん
《消えた『イッテQ』芸人が告白》「数年間は番組を見られなかった」手越復帰に涙した理由、引退覚悟のオーディションで掴んだ“準レギュラー”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン