国内

菅政権誕生の立役者 二階俊博氏の「昭和的人心掌握術」

存在感を隠せない二階氏(時事通信フォト)

 菅義偉氏が第99代総理大臣に指名され、新たな時代が始まった。その菅首相誕生の流れを決定づけたのが、細田派(正式名称:清和政策研究会。会長:細田博之元総務会長)や麻生派(同:志公会。同:麻生太郎財務相)といった5派閥の支持表明だった。

 昔ながらの派閥政治とそれに伴う猟官運動が露骨に顔を出したわけだが、一方で、自民党内では派閥の力は少しずつ弱くなってきたのも事実だ。何より「無派閥」の菅氏が総理・総裁に就任したことがその証左だろう。自民党職員として多くの派閥領袖と意見をぶつけ合った経験を持ち、現在は政治評論家として活躍する田村重信氏が解説する。

「1988年のリクルート事件によって、安倍晋太郎氏や渡辺美智雄氏といった領袖であり将来の総理候補といわれていた有力議員たちの芽が摘まれました。それまで派閥の領袖が総裁選に出馬するのが慣例でしたが、この事件を機に、領袖ではない人物が総裁選に出馬し、宇野宗佑氏や海部俊樹氏が総裁、そして総理に就任したのです。以後、派閥の領袖の力がだんだんと弱くなってきたのです」

 そんな中、やや印象が異なるのが二階俊博氏率いる二階派(志帥会)だ。二階派は今回、最初に菅支持を表明し、菅氏も早々に二階氏を幹事長続投させる意向を示した。「昭和の領袖像を受け継いでいるのは二階氏だけかもしれない」(田村氏)というように、二階氏は他派閥でスキャンダルを起こした議員などを自らの派閥に迎え入れて「数の力」を増していった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

還暦を過ぎて息子が誕生した船越英一郎
《ベビーカーで3ショットのパパ姿》船越英一郎の再婚相手・23歳年下の松下萌子が1歳の子ども授かるも「指輪も見せず結婚に沈黙貫いた事情」
NEWSポストセブン
ここ数日、X(旧Twitter)で下着ディズニー」という言葉波紋を呼んでいる
《白シャツも脱いで胸元あらわに》グラビア活動女性の「下着ディズニー」投稿が物議…オリエンタルランドが回答「個別の事象についてお答えしておりません」「公序良俗に反するような服装の場合は入園をお断り」
NEWSポストセブン
志穂美悦子さん
《事実上の別居状態》長渕剛が40歳年下美女と接近も「離婚しない」妻・志穂美悦子の“揺るぎない覚悟と肉体”「パンパンな上腕二頭筋に鋼のような腹筋」「強靭な肉体に健全な精神」 
NEWSポストセブン
「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《還暦で正社員として転職》ビッグダディがビル清掃バイトを8月末で退職、林下家5人目のコンビニ店員に転身「9月から次男と期間限定同居」のさすらい人生
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を訪問された佳子さま(2025年8月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《日帰り弾丸旅行を満喫》佳子さま、大阪・関西万博を初訪問 輪島塗の地球儀をご覧になった際には被災した職人に気遣われる場面も 
女性セブン
鷲谷は田中のメジャーでの活躍を目の当たりにして、自身もメジャー挑戦を決意した
【日米通算200勝に王手】巨人・田中将大より“一足先にメジャー挑戦”した駒大苫小牧の同級生が贈るエール「やっぱり将大はすごいです。孤高の存在です」
NEWSポストセブン
侵入したクマ
《都内を襲うクマ被害》「筋肉が凄い、犬と全然違う」駐車場で目撃した“疾走する熊の恐怖”、行政は「檻を2基設置、駆除などを視野に対応」
NEWSポストセブン
山田和利・裕貴父子
山田裕貴の父、元中日・山田和利さんが死去 元同僚が明かす「息子のことを周囲に自慢して回らなかった理由」 口数が少なく「真面目で群れない人だった」の人物評
NEWSポストセブン
8月27日早朝、谷本将志容疑者の居室で家宅捜索が行われた(右:共同通信)
《4畳半の居室に“2柱の位牌”》「300万円の自己破産を手伝った」谷本将司容疑者の勤務先社長が明かしていた“不可解な素顔”「飲みに行っても1次会で帰るタイプ」
NEWSポストセブン
国内未承認の危険ドラッグ「エトミデート」が沖縄で蔓延している(時事通信フォト/TikTokより)
《沖縄で広がる“ゾンビタバコ”》「うつろな目、手足は痙攣し、奇声を上げ…」指定薬物「エトミデート」が若者に蔓延する深刻な実態「バイ(売買)の話が不良連中に回っていた」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
【美しい!と称賛】佳子さま “3着目のドットワンピ”に絶賛の声 モード誌スタイリストが解説「セブンティーズな着こなしで、万博と皇室の“歴史”を表現されたのでは」
NEWSポストセブン
騒動から2ヶ月が経ったが…(時事通信フォト)
《正直、ショックだよ》国分太一のコンプラ違反でTOKIO解散に長瀬智也が漏らしていたリアルな“本音”
NEWSポストセブン