ビジネス

無自覚ハラスメント 部下が発する「最後の警告」を見逃すな

働き方は多様化している

 コミュニケーションの難しさが増している、そう感じる大人も少なくないのではないか。ハラスメントの加害者となることは誰だって避けたい。大人力について研究するコラムニストの石原壮一郎氏が分析した。

 * * *
 人間は、とくに「おっさん」に分類される年代の男性は、つくづく悲しい存在です。世間でこれだけ「セクハラ」や「パワハラ」が批判されているのに、染みついた考え方を変えるのが苦手なのか、頭の中をなかなかアップデートできません。もちろん、人のことはぜんぜん言えないんですけど……。

 毎日のように流れてくるハラスメント関連のニュースを見ると、客観的には「今時そんなことを!」と驚かされます。しかし、おそらく当事者は「このぐらいは許されるだろう」「俺は部下に慕われているから大丈夫」などと、自分に都合のいい解釈をしていたのではないでしょうか。そんな自覚のなさが、大きな墓穴を呼び寄せてしまいます。

 仮にあなたがアウトな発言をしても、部下や取引先が「失礼ですよ!」「なんてこと言うんですか!」と明確に非難することはまずありません。そもそも、そんな親切なことをしてくれる義理もありません。多くの場合は黙ってスルーして、ひそかに怒りや恨みや軽蔑を溜め込むだけです。

 しかし、あまりにも悪質な場合は、こらえ切れなくて遠回りにたしなめてくれることもあるでしょう。それは多くの場合、あなたに見切りを付ける前に発せられる「最後の警告」。意を決した抗議に気づかずに同じことを繰り返したら、しかるべきところに報告されて大問題になるなど、取り返しのつかない事態を招きます。

 部下など立場の弱い相手は、どんな言い方で「最後の警告」を発してくれるのか。無自覚ハラスメントをやっているかもしれない昭和脳のおっさんとしては、我が身を振り返るギリギリのチャンスを逃さないために、「表面上はソフトだけど深い怒りが込められている最後の警告」の代表的な例をチェックしておきましょう。

【セクハラ発言に対する最後の警告】

「そういうことをおっしゃる方だとは思いませんでした」
「ニコニコしていても許しているとは限りませんよ」
「言う相手を間違えたら大問題になりそうですね」
「言っても大丈夫そうな相手を選んでますよね」
「(笑顔で)それってセクハラですよー」

【パワハラ発言に対する最後の警告】
「おっしゃっている意味がよくわからないのですが」
「今のお言葉はかなりダメージが大きかったです」
「私の飲み込みが悪いせいでイライラさせてすみません」
「もっと打たれ強くなるにはどうすればいいんでしょう」
「おっと、今のはファウルラインぎりぎりですね」

【ハラスメント発言&差別発言に対する最後の警告】
「聞こえなかったことにしておきます」
「Twitterに書いたら5秒で炎上しそうですね」
「○○さんらしからぬお言葉で驚きました」
「令和の今となってはギョッとする発言ですね」
「うーん、それはコンプライアンス的にどうなんでしょう」

関連記事

トピックス

筒香が独占インタビューに応じ、日本復帰1年目を語った(撮影/藤岡雅樹)
「シーズン中は成績低迷で眠れず、食欲も減った」DeNA筒香嘉智が明かす“26年ぶり日本一”の舞台裏 「嫌われ者になることを恐れない強い組織になった」
NEWSポストセブン
テレビの“朝の顔”だった(左から小倉智昭さん、みのもんた)
みのもんた「朝のライバル」小倉智昭さんへの思いを語る 「共演NGなんて思ったことない」「一度でいいから一緒に飲みたかった」
週刊ポスト
陛下と共に、三笠宮さまと百合子さまの俳句集を読まれた雅子さま。「お孫さんのことをお詠みになったのかしら、かわいらしい句ですね」と話された(2024年12月、東京・千代田区。写真/宮内庁提供)
【61才の誕生日の決意】皇后雅子さま、また1つ歳を重ねられて「これからも国民の皆様の幸せを祈りながら…」 陛下と微笑む姿
女性セブン
筑波大学・生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格したことがわかった悠仁さま(時事通信フォト)
《筑波大キャンパスに早くも異変》悠仁さま推薦合格、学生宿舎の「大規模なリニューアル計画」が進行中
NEWSポストセブン
『世界の果てまでイッテQ!』に「ヴィンテージ武井」として出演していた芸人の武井俊祐さん
《消えた『イッテQ』芸人が告白》「数年間は番組を見られなかった」手越復帰に涙した理由、引退覚悟のオーディションで掴んだ“準レギュラー”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
NBAレイカーズの試合観戦に訪れた大谷翔平と真美子さん(AFP=時事)
《真美子夫人との誕生日デートが話題》大谷翔平が夫婦まるごと高い好感度を維持できるワケ「腕時計は8万円SEIKO」「誕生日プレゼントは実用性重視」  
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長。今年刊行された「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《山口組の「事始め式」》定番のカラオケで歌う曲は…平成最大の“ラブソング”を熱唱、昭和歌謡ばかりじゃないヤクザの「気になるセットリスト」
NEWSポストセブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン