コミュニケーションスキルも問われる
ひとつでもふたつでも聞いた覚えがあるあなたは、日頃から無自覚ハラスメントを重ねていて、部下や周囲から後ろ指を指されている可能性が大。「そんなこと気にしてられるか!」と突っぱねるのも、ひとつの生き方ではあります。ただ、かなりリスキーで、しかもけっこう恥ずかしい生き方であることは自覚しておいたほうがいいでしょう。
ハラスメントの被害を受けている側の方は、こうしたセリフをどんどんご活用ください。怒りやストレスを溜め込む前に、早い段階で発しておくのがオススメです。「とても言えない」と身を縮めてしまう人もいるかもしれませんが、「嫌だと思っている」「やめて欲しい」という意思表示をしなかったら、事態はどんどん悪化するばかりです。
「発言」どころではなく、もっと悪質で凶暴なハラスメントの場合は、会社に相談するなり証拠を集めて徹底的に追い詰めるなり、別の対策を考えて早めに実行しましょう。いずれにせよ、自分を守るための第一歩を踏み出すことが大切。言い返して怒られても、不愉快で理不尽なハラスメントを受け続けるより、ずっとマシなはずです。
逆に「こんな生ぬるいセリフじゃなくて、はっきり言ってやればいいんだ」と思う人もいるでしょう。もちろん、はっきりと「それはセクハラです!」「それはパワハラです!」とストレートに抗議する手もあります。しかし、対決姿勢を明らかにすることが、解決への近道だったり、自分にとってのベストの方法だったりするとは限りません。
無自覚ハラスメントをやってしまっていそうなおっさん側(自分も含む)としては、部下や取引先のちょっとしたひと言を聞き逃さないように、くれぐれも注意しましょう。それを心がけることは、無自覚ハラスメントの予防にもつながります。
ただ、セクハラはさておきパワハラに関しては、正当な指導をハラスメントと受け取るなど、「言ったもん勝ちハラスメント」と呼ぶべき事例も少なくありません。パワハラ呼ばわりを恐れ過ぎず、言うべきことは言うという覚悟を持つことも、おっさんとしての矜持と言えるでしょう。おっさんも若者も、それぞれの立場でハラスメントの落とし穴にはまらないように気を付けつつ、なるべくいい感じの世の中にしていきたいものです。