国内

菅首相の著書、もとは政治資金で出版 印税はどうなるのか?

今年出版された『政治家の覚悟』(左)と2012年に発行された『政治家の覚悟 官僚を動かせ』(時事通信フォト)

今年出版された『政治家の覚悟』(左)と2012年に発行された『政治家の覚悟 官僚を動かせ』(時事通信フォト)

 菅義偉・首相の著書『政治家の覚悟』(文藝春秋)がベストセラーになっている。同書は、菅氏が8年前に出版した単行本『政治家の覚悟 官僚を動かせ』(2012年3月10日発行)に、官房長官時代のインタビューを追加収録して新書版で再出版したものだ。

 8年前の単行本の発行元は文藝春秋の自費出版部門「文藝春秋企画出版部」。菅氏が単行本の制作費を自分で出して出版した本であり、その費用は686万円で、最終的には285万円の赤字だったという。また、自費出版の場合は、基本的に出版社が著者に支払う印税は発生しない。

 そんな状況下で、“問題”が降って湧いてくる。政治資金センター理事の上脇博之・神戸学院大学法学部教授が語る。

「単行本は自費出版ですが、今回の新書版を“総理大臣の著書”として商業出版されれば、著者の菅首相に印税が払われることになる。もとは政治資金で制作した著書であることを考えれば、菅首相個人が印税を受け取るとしたら問題があります」

 安倍晋三前首相の『美しい国へ』は50万部以上を売り上げ、2006年の国会議員の所得報告書で「印税・原稿料・出演料」として2616万円を計上していた。菅首相の新書『政治家の覚悟』(800円)は現在累計8万部。一般的な印税10%であれば640万円が入る計算だ。逆に菅氏と文藝春秋が印税契約を結ばなければ別の問題が生じてしまう。メディア法が専門の田島泰彦・元上智大学新聞学科教授はこう話す。

「売れることがほぼ確実な著書を文藝春秋に印税ゼロで商業出版させたのであれば、特定の出版社に対する“利益供与”と見られかねない」

関連記事

トピックス

麻生太郎内閣で官房長官を務めた河村建夫氏(時事通信フォト)
官房機密費問題で河村建夫・元官房長官が重大証言「馳浩氏は発言撤回すべきではなかった」「私のときは麻生首相から“あそこに渡してくれ”と指示があった」
週刊ポスト
大学内のコンビニで買い物をされることもあるという(10月、東京・港区。写真/JMPA)
卒論提出間近の愛子さま、皇族の悲恋を描く『源氏物語』に夢中 不安定な登場人物に「親近感がある」と告白
女性セブン
永野の登場に泣き出すファンも多かった
永野芽郁の武道館イベント、坂口健太郎や斎藤工らがお忍び観覧 ビデオメッセージでは呼び捨て、兄妹みたいな“めいたろう”コンビ
女性セブン
《騒動拡大》『24時間テレビ』募金着服に怒りが広がる理由 視聴者が抱いていた「番組のあり方への疑問」に再点火も
《騒動拡大》『24時間テレビ』募金着服に怒りが広がる理由 視聴者が抱いていた「番組のあり方への疑問」に再点火も
NEWSポストセブン
羽生結弦(写真は2022年)
【ミニスカ、恋愛歴も】羽生結弦にとって想定外?「元妻Aさんの過去情報」も離婚理由になったか 
NEWSポストセブン
三浦百恵さんの作品が専門誌表紙に 名実ともに日本のトップキルト作家となり教室では「三浦様」と“神格化”
三浦百恵さんの作品が専門誌表紙に 名実ともに日本のトップキルト作家となり教室では「三浦様」と“神格化”
女性セブン
検査入院したという神田正輝
《旅サラダの当面休養を発表》神田正輝、病院嫌いになった生命力への絶対的自信「谷底に落下」「血まみれから回復」
NEWSポストセブン
2017年4月から『おはスタ』にレギュラー出演しているハライチの岩井勇気(岩井勇気SNSより)
ハライチ岩井と元おはガールでも話題の「年の差婚」 捨てられる不安を口にしない人はいない
NEWSポストセブン
GACKT
《『翔んで埼玉』GACKTの高校時代》常連「餃子の王将」前で卒アル撮影、滋賀県人として過ごした知られざる姿「学ラン」「チャリ通」「いつも斜め45度」
NEWSポストセブン
ハラスメント行為が報じられた安楽(時事通信フォト)
《楽天・安楽パワハラ騒動》遠征先で「女を呼べ!」 複数の現役選手らが決意の告白「あの人と野球をするのは限界だった」深夜の飲食店で後輩に大声で説教も
NEWSポストセブン
羽生結弦
羽生結弦、離婚の真相 元妻にとって「想像とは異なる新婚生活」“アスリート妻”としての役割与えられなかったか
女性セブン
実は結婚していたNHK吉岡真央アナ
【遠距離で結婚生活】NHK『ニュースウオッチ9』吉岡真央アナが「極秘結婚」していた お相手は高知放送局時代の「穏やかな先輩局員」
週刊ポスト