人材派遣大手のグッドウィル・グループ(以下、GWG)元会長の折口雅博氏が自伝『アイアンハート』(昭文社刊)を出版、日経新聞でも大きく広告が打たれたことで話題を呼んでいる。
折口氏といえば、「ジュリアナ東京」や「ヴェルファーレ」など巨大ディスコをオープンさせて注目を集めた。1995年にはGWGの経営に参画し、コムスンを子会社化して介護ビジネスに進出。ゼロから12年で年商7700億円企業を創った時代の寵児として脚光を浴びた。
しかし、2007年にコムスンの介護報酬不正請求問題が発覚。翌年にはグッドウィルが違法派遣を繰り返していたことがわかり、業務停止命令を受けた。その後、折口氏は会長職を辞任し、妻子と共にアメリカに渡ったが、2009年に自己破産。しばらく表舞台から姿を消していた。『週刊ポスト』(11月27日発売号)では、自伝本出版の経緯やアメリカでの生活について、折口氏本人が語っている。
折口氏はインタビューの中で、ドナルド・トランプ米大統領との意外な交流も明かした。初めてトランプ大統領と会ったのは2005年の春。その後、親交を深めていったという。
このツーショットは2006年4月に撮影された。15年近く前の写真だが、ともに特徴的なヘアスタイルから両者であることが一目でわかる。
「これは私がアメリカで始めた高級レストラン『MEGU』のニューヨーク2号店をトランプ・タワーに開業したときのものです」(折口氏)
折口氏はトランプ大統領に強いシンパシーを感じていたと話す。
「合理的に考えて“こうあるべきだ”と果断に行動する点が私と似ていますね。トランプさんは若い頃、ニューヨーク市が数年かけても作れなかったセントラルパークのスケートリンクを、“俺に任せろ”と数か月で作っちゃった。効率よくやれば短期間でできるとわかっていたからこそ強く主張したのです。私も認知度が低かった介護保険制度を周知するため、業界の先陣を切って全国を飛び回り、年間100回以上の講演をこなしました。ただ、私はトランプさんほどストレートな物言いはできませんけれど(笑い)」
いかなる苦境に陥っても強気を崩さない強心臓(アイアンハート)も、よく似ているようだ。