放送時間を問わず生き残るたくましさ
バナナマンは2人でMCを務めるときもあれば、MC・設楽統とパネラー・日村勇紀に分かれたり、2人ともパネラーにまわったりもできる万能タレント。さらに、どんな形の出演でも終始楽しそうであり、コンビ仲のよさを感じさせるため、日曜夜に家族でほっこりしたい視聴者に最適なタレントと言えるでしょう。
熱心な視聴者以外はあまり知られていませんが、これまで『バナナマンのせっかくグルメ』は何度も放送時間帯が変わってきました。まず2014年の6月と10月に単発特番が放送されたあと、2015年4月~7月に月曜深夜でレギュラー化。その後、2015年11月と2016年5月、8月に再び単発特番が放送され、2016年10月~2019年3月は日曜18時台にレギュラー放送。さらに翌月以降8回もの単発特番をはさんで、今年4月から日曜20時台にレギュラー化されました。
深夜、夕方、夜。単発特番とレギュラー放送。30分番組と60分番組。何度も形が変わりながらも放送を続けられてきたこと。さらに、過去2番組の不運を乗り越えて「3度目の正直」を得ようとしていること。そんなたくましさも、バナナマンの凄さそのものかもしれません。
コロナ禍が長期化し、世の中に閉塞感が漂う中、彼らの明るさ、謙虚さ、仲のよさ、たくましさは、ますます支持されていくのではないでしょうか。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本超のコラムを寄稿するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。