スポーツ

巨人OB・中村稔氏「DH制了承は愚の骨頂、勝利の執念なし」

巨人OB・中村稔氏が日本シリーズの巨人に意見(時事通信フォト)

巨人OB・中村稔氏が今年の日本シリーズの巨人に意見(時事通信フォト)

 日本シリーズで2年連続の4連敗でソフトバンクに敗れた現在の巨人は、何が足りなかったのか──。巨人のV9がスタートした1965年に20勝を挙げて優勝の立役者となり、先発ローテーションの一角として活躍した中村稔氏(82)。藤田(元司)巨人では一軍投手コーチとして、江川卓、西本聖、桑田真澄、槙原寛己らを育てた。そんな中村氏は、日本シリーズで惨敗した巨人について、短期決戦に対する執念のなさを敗因として挙げる。

 * * *
 今年のジャイアンツは、ヤクルト(15勝6敗3分)と阪神(16勝8敗)からの貯金があっただけで、9月以降は覇気のないゲームを繰り返していた。CS(クライマックスシリーズ)を本気で戦ってくるソフトバンク相手では大変だと心配していたが、ひどい結果でした。

 日本シリーズまでの空いた期間の過ごし方は難しいが、やはりチーム立て直しにはミニキャンプを張るべきだった。紅白戦をやっても所詮は味方が相手だから実戦のヒリヒリ感はない。それなら打者はとことん打ち込み、投手はとことん投げ込んだほうがいい。

 準備不足も敗因ですが、なにより勝利への執念が欠落している。今のチームは、相手の本拠地に乗り込んでも練習するだけ。V9時代は、外野フェンスにボールが当たるとどう跳ね返るかはもちろん、ファーストへの牽制が暴投になったらどこへ転がるか、キャッチャーが後逸したらどうなるかまでチェックした。サイン盗みを警戒して、ベンチに盗聴器がないか探すことまでしたからね。

 1967年に阪急と初めて日本シリーズで対戦した時は、キーマンとなるスペンサーやウインディの癖を徹底的に調べた。スペンサーはセカンドに進塁する時に野手にスパイクを向ける“殺人スライディング”をするんです。だから、“目には目を”で、スライディングをジャンプで避け、上からドンと落ちる作戦をとってスペンサーが肋骨を骨折したこともあった。そこまでやったんです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
どんな演技も積極的にこなす吉高由里子
吉高由里子、魅惑的なシーンが多い『光る君へ』も気合十分 クランクアップ後に結婚か、その後“長いお休み”へ
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
『教場』では木村拓哉から演技指導を受けた堀田真由
【日曜劇場に出演中】堀田真由、『教場』では木村拓哉から細かい演技指導を受ける 珍しい光景にスタッフは驚き
週刊ポスト
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン