巨人一覧

【巨人】に関するニュースを集めたページです。

巨人に13.5ゲーム差でヤクルトが首位独走 「CS開催の必要あるのか」の指摘も
巨人に13.5ゲーム差でヤクルトが首位独走 「CS開催の必要あるのか」の指摘も
 ペナントレースが折り返しを迎えたばかりにもかかわらず、ヤクルトの連覇が確実視されるような状況になっている。7月2日のDeNA戦で延長10回にサヨナラ勝ちを決め、2リーグ制以降史上最速となる優勝マジック53が点灯。翌7月3日には14カード連続勝ち越しと球団記録を更新し、2位の巨人を13.5ゲーム差で突き放している。この独走に球界内ではクライマックスシリーズ(CS)の存在意義を問う声まであがっている。 スポーツ紙遊軍記者は、「巨人はメークドラマやメークレジェンドなど大逆転でリーグ制覇を飾った事例がありますが、今年は厳しいでしょう。投手陣が不安定で、この戦いぶりだとCS圏内の3位に入れるかも微妙な状況です。広島、阪神もミスが多く、ヤクルトの独走を止めるのは難しいでしょう」と分析した上で、こう続けた。「このような展開になると、CSが果たして必要なのかという議論にもなる。143試合を戦うペナントレースの重みを考えると、シーズン1位のチームが2位以下に10ゲーム差以上つけたらCSは必要ないように感じます」 CSの前身のプレーオフ制度がパ・リーグで導入されたのは2004年。近鉄とオリックスの合併問題に端を発した「球界再編問題」で揺れた年だった。当時のパ・リーグは観客動員数で伸び悩んでいた球団が多く、リーグ優勝が早々と決まると消化試合が増えてさらに集客できなくなるのが悩みの種だった。消化試合を減らし、リーグ全体を盛り上げようという狙いでプレーオフの実施に踏み切った。 この制度で、短期決戦を勝ち切れずに頂点に届かなかったのがダイエー(現ソフトバンク)だった。2004年はシーズン1位で通過したが、第2ステージで西武に敗れて2位に。親会社がダイエーからソフトバンクに代わった翌2005年もシーズンで89勝をあげ、貯金44(136試合制)と圧倒的な強さを誇ったが、ボビー・バレンタイン監督率いるロッテに第2ステージで敗れた。 当時はシーズン2位と3位の球団が第1ステージで対戦し、勝ち上がった球団がシーズン1位の球団と5戦で戦う方式だったが、「ペナントレースを軽視している」と疑問の声が高まり、2006年から「1位の球団は無条件でプレーオフ1勝分のアドバンテージを得る」とルールが変更された。 2007年からセ・リーグでも開催することが決まり、「クライマックスシリーズ」という名称に。日本シリーズ出場をかけた短期決戦で数々の名勝負が繰り広げられたが、中日の監督で黄金時代を築いた野球解説者の落合博満氏は「CS反対論者」だった。2018年12月に放送されたCBCラジオの『ドラ魂KING』に出演した際、「いまだに(CS開催に)大反対ですよ」と強調した上で、「なんで6球団しかないのに3つで争わないといけないの? なんで2分の1の確率なの?」と現行の方式に疑問を呈した。 元DeNA監督の中畑清氏も7月3日の『サンデーモーニング』(TBS系)でCSについて、「ただあの制度があるっていうのは、ちょっと問題になってきましたね。それでもチャンスがあるシステムに問題ありっていうのもあると思います」と制度の歪さを指摘している。借金生活でクライマックスシリーズ出場には疑問の声 スポーツ紙デスクは「落合さん、中畑さんの主張は理解できる部分がある」とうなずく。「ホーム開催権がある1位、2位のチームは貴重な興行収入になるので、CSはこれからも続くでしょう。ただ、現行のルールだと現場の選手からすれば割に合わない部分もある。例えば、ヤクルトがこのまま2位以下のチームに10ゲーム以上突き放してリーグ優勝を飾っても、CSで勝率5割を切ったチームと戦う可能性がある。そのチームがヤクルトを撃破して日本シリーズに出場するのはファンにとっても違和感があるのではないか」 ペナントレースで借金を抱えてCSに進出したチームは過去に7度ある。昨年の巨人もそのケースに当てはまる。シーズン終盤の大失速で61勝62敗20分と3位に終わったが、ファーストステージで2位の阪神を撃破。リーグ優勝したヤクルトにファイナルステージで0勝4敗(ヤクルトの1勝のアドバンテージ分を含む)で敗退した。 巨人はこのシーズンのペナントレースでヤクルトに11ゲームの大差をつけられている。過去7例で日本シリーズに進出したケースはないものの、「借金生活の球団がCSに出場するのはおかしい」「ペナントの結果を見たら、ヤクルトのアドバンテージが1勝というのも少なく感じる」などファンから現行のルールでのCS開催に疑問の声が少なくなかった。 143試合の長丁場を戦って頂点に立つ意味は大きい。CSはさらなる改革が必要かもしれない。
2022.07.05 16:00
NEWSポストセブン
昨年は村上と本塁打王を分け合った岡本和真(時事通信フォト)
2年連続本塁打王、打点王の2冠でも 巨人・岡本和真の「評価がイマイチ」の理由
 首位・ヤクルトに大きく突き放されている巨人。その中で不動の4番・岡本和真のはたらきはどうだろうか。今季は好不調の波が激しいが、75試合出場で20本塁打、59打点をマーク。自身初の40本塁打も十分に狙える成績だが、6月に月間14本塁打をマークするなど「令和初の三冠王」を狙えるヤクルトの4番・村上宗隆に比べるとどうしても影が薄くなってしまう。スポーツ紙の遊軍記者は「岡本と村上のプレースタイルの違いも影響している」と指摘する。「村上は闘志むき出しでベンチでも常に声を出している。主将は山田哲人ですが、周囲を鼓舞する姿勢を含めて村上がチームリーダーになりつつある。一方で、岡本は穏やかな性格でマイペース。ナインを引っ張るタイプではない。ガツガツした感じがしないので、チームが低空飛行の時は物足りなく感じてしまう。岡本の状態は決して悪くないのですが、今年は村上に本塁打、打点で差をつけられて、巨人もヤクルトの首位独走を許している。4番打者に対する風当たりが強くなるのは宿命ですね」 長嶋茂雄(現巨人終身名誉監督)、王貞治(現ソフトバンク球団会長)、原辰徳(現巨人監督)、松井秀喜(現ヤンキースGM特別アドバイザー)と「巨人の4番打者」の華やかな系譜を引き継ぐのが岡本だ。高卒4年目の2018年に打率.309、33本塁打、100打点をマーク。史上最年少で「3割・30本塁打・100打点」を達成すると、2020、2021年と本塁打と打点の二冠王を2年連続で達成。王貞治以来球団史上2人目の快挙だった。広角に本塁打を飛ばせるパワーと打撃技術は球界屈指。5月29日の日本ハム戦で通算150本塁打に到達した。634試合出場での達成は巨人の日本人選手で最速記録だ。 25歳の若さでこれだけの実績を打ち立てているにもかかわらず、昨年の東京五輪では侍ジャパンのメンバーから落選。今年のオールスターのファン投票(6月28日付)でもセリーグ三塁部門で、トップの村上の33万8433票に大きく差を開けられた2位で18万6638票。一方で打撃不振の中田翔が一塁手部門のトップで、24万3544票を集めている。巨人担当の番記者は「同じポジションに村上がいるので票が入らないかもしれないが、まさか中田より票数が少ないとは……。打撃だけではなく守備もうまいし良い選手なのですが、華がないんですかね」と首をかしげる。 そんな岡本だが、試合中の「ある振る舞い」に批判の声が集まった。6月29日の中日戦で6回の打席でスイングした際に、手からすっぽ抜けたバットが三塁側の中日ベンチに飛び込んだ。幸い誰にも当たらずケガ人も出なかったが、岡本が中日ベンチに見向きもせずウェイティングサークルに戻り、ボールボーイにバットを拾わせたことにネット上で〈謝るぐらいしないと。子供たちも見ているんだから〉〈巨人の4番としてふさわしい態度ではない。自分でバットを拾うぐらいしてほしい〉と批判の声が上がった。「岡本が試合中の態度で批判されるのは珍しい。あまり気にする性格ではないですけどね。彼は朴訥とした性格で活躍しても変わらない。後輩も接しやすいので高卒2年目の中山礼都がなついていました。ちょっと誤解されている部分がありますが、少しずつベンチでも声を出すようになり坂本勇人の後継者として巨人を引っ張ろうとする使命感は伝わってきます。噛めば噛むほど味わいのあるスルメのような人間です。『岡本ワールド』が世間に浸透する日はもう少し先になるのではないでしょうか」(在京キー局の放送関係者) 球界を代表する和製大砲はライバルを乗り越えられるか。
2022.07.01 16:00
NEWSポストセブン
歯がゆいシーズンが続く(時事通信フォト)
自力優勝消滅の巨人 投手を疲弊させる起用で「メークレジェンドは厳しい」の声が
 巨人にとって、あまりに痛すぎる一敗だった。6月26日のヤクルト戦は壮絶な打撃戦の末に10-11で敗れ、開幕76試合目で自力優勝の可能性が消滅。6月26日の自力V消滅は球団史上最速の屈辱となった(6月28日試合開始前時点)。スポーツ紙の遊軍記者はこう振り返る。「巨人の逆転優勝は風前の灯火になったと言っていいでしょう。2008年、原辰徳監督は阪神との最大13ゲーム差をひっくり返す『メークレジェンド』でリーグ優勝を飾りましたが、あの時とは状況が違います。 特に首位ヤクルトとの差は投手起用でしょう。今回の3連戦でヤクルトは2戦目に5-19と大敗を喫しましたが、投手を3人しか使っていない。一方、巨人は大量リードにもかかわらず『勝利の方程式』を担う平内龍太をつぎ込んだ。 3戦目もリーグトップの7勝を挙げている戸郷翔征を中4日で先発させましたが、直球に本来の球威がなく3回持たず6失点KOを食らった。中4日での先発起用を否定するわけではありませんが、戸郷は昨年も中4日の登板で結果が出ていません。球種が少ないパワーピッチャーなので球威が落ちるとなかなか修正しにくい面もあるでしょう。コンディションがパフォーマンスに直結しやすい投手ですから、起用法にもっと気を遣ってもよいのでは」 原監督と高津臣吾監督の起用法は対照的に見える。原監督の「目の前の1勝」を取りにいく采配に対し、高津監督は選手のコンディションを見極めて無理をさせない。逆転勝利を飾った3戦目も先発のスアレスが3回途中5失点KOと試合を作れず降板すると、2番手で救援登板したのはサイドスロー右腕の小澤怜史。小澤はこの日に支配下選手として公示され、1軍昇格したばかり。前回の1軍登板はソフトバンク在籍時の2017年8月25日のロッテ戦。1766日ぶりの1軍マウンドだった。 大事な試合であることは間違いないが、まだペナントレースは折り返しにも入っていない6月。首位攻防戦でも高津監督の方針はブレない印象だ。役割分担を重視した起用法に選手たちも応える。小澤は4回2失点の好投で逆転勝利の立役者になった。 ヤクルトは日本一を達成した昨季、規定投球回数に到達した投手が1人もいなかった。2ケタ勝利もゼロで、小川泰弘と奥川恭伸の9勝が最多だった。しかし、救援陣に過大な負担をかけたわけではなかった。3連投以上は極力避け、1点リードの9回に守護神・マクガフを温存した試合もあった。今季は奥川が開幕直後に戦線離脱したことも影響し、絶対的エースがいないなかで戦っているが、方針は変わらない。ベテランの石川雅規は登板した8試合すべてで中10日以上の間隔で4勝をマーク。6月24日の巨人戦で6勝目を挙げた高橋奎二も翌日に登録抹消されて休養を与えられた。 数字にも如実に表われている。チーム防御率はヤクルトがリーグ2位の3.04に対し、巨人はリーグワーストの3.87。救援陣の防御率もヤクルトは2.62、巨人は4.11と大きな差がある。「ヤクルトと巨人のリリーバーを比べた時に個々の能力で大きな差があるわけではない。鍬原拓也、平内も球が速いし魅力的です。ただ試合展開に関係なくつぎ込まれるので疲れから打ち込まれる。昔だったら連日投げるのは当たり前だったかもしれませんが、中継ぎも役割分担が重要な現代野球では対応できないのではないでしょうか。巨人はいくら良い投手をそろえても、この起用法では投手が持たないのでは」(スポーツ紙デスク) このままでは巨人のメークレジェンドの再現は厳しいかもしれない。
2022.06.29 07:00
NEWSポストセブン
6月マジック点灯も!独走ヤクルトに伝えたい「1965年の南海」はなぜ日本一を逃したか
6月マジック点灯も!独走ヤクルトに伝えたい「1965年の南海」はなぜ日本一を逃したか
 ヤクルトの快進撃が止まらない。交流戦を優勝した後もチームは好調を維持し、2位の巨人に11ゲーム差をつける独走態勢を築いている。ついには、史上初めてとなる6月中のマジック点灯の可能性も見えてきた。2連覇に向けて非常に順調な道のりだが、プロ野球の歴史を振り返ると、早いタイミングでのマジック点灯でチームに“息切れ”が生じたように見える例もある。今季のヤクルトはどうなるか。 6月26日、ヤクルトが巨人との3連戦を2勝1敗と勝ち越したことで、5月の広島戦から交流戦を挟んで12カード連続で勝ち越しを決めた。12カード連続の勝ち越しは1965年の南海が6~7月に記録して以来となる。交流戦を挟む期間だったこともあり、両リーグ11球団からの連続勝ち越しという史上初めての記録も打ち立てた。 絶好調のチームにあっては、やはり史上初となる6月中のマジック点灯の可能性もある。ヤクルトが6月28、29日に広島に連勝し、DeNAが阪神に連敗した場合、6月29日にマジックが点灯することになるのだ。過去の最も早いタイミングでのマジック点灯は1965年の南海の7月6日である。 ただし、今年のヤクルトと1965年の南海とでは、消化試合数が異なる。ヤクルトは6月29日時点でマジック点灯となれば73試合時点となるが、4月10日開幕だった1965年の南海は、58試合での点灯だった。当時、マジックが点灯した7月6日時点での南海の成績は49勝9敗、勝率.845という圧倒的な数字。17連勝や10連勝、8連勝を記録し、連敗は2度しかなかった。本拠地(大阪球場)19連勝の日本記録も作っている。 この年、南海は88勝49敗3分で、2位の東映に12ゲームの差をつけてリーグ優勝を果たした。しかし、2位に20.5ゲーム差をつけて7月6日にマジックが出たにもかかわらず、優勝したのは9月26日(121試合目=当時は140試合)のことである。マジックが出た後の成績は39勝40敗3分だった。「油断をしたわけじゃないが、シーズンを通じて勝ち続けるというのは難しいということだと思いますよ」 当時、南海の2番バッターとしてセンターを守っていた広瀬叔功氏はそう振り返る。1965年シーズンの広瀬氏は39個の盗塁を記録し、5年連続となる盗塁王に輝いている。4番に座っていたのは正捕手の野村克也で、この年は打率.320、本塁打42本、打点110で戦後初の三冠王を達成した。広瀬氏が続ける。「あの頃は毎年のように西鉄と南海が優勝争いをするという展開で、南海は前年の1964年に日本一となっている。ノムやん(野村克也)は本塁打を5年連続、打点王を4年連続で獲得し、私も盗塁王は当たり前と思ってプレーしていた。ファンも勝つのが当たり前だったが、このシーズンはあまりの強さにファンが球場に来てくれなかった(笑)」勝って兜の緒を締めよ チーム防御率2.80、打率.255でともにリーグ1位で、南海の投手陣の踏ん張りが際立ったシーズンでもあった。開幕12連勝のパ・リーグ記録(当時)の林俊彦、10連勝の新山彰忠、8連勝の杉浦忠が先発の柱となり、皆川睦男、三浦清弘、スタンカ、森中千香良が好調だった。広瀬氏は打撃陣については、「ノムやんを挟んで3番ブルーム(打率.302、本塁打9本)、5番ハドリ(打率.238、本塁打29本)という外国人選手がよく打った。この両外国人は性格もよく、チームの中に溶け込んでやっていた」とも明かす。 南海は前半の貯金で優勝。日本シリーズでは2位の中日に13ゲーム差をつけてセ・リーグを制した巨人と対戦することになった。巨人は前年オフに国鉄から金田正一を獲得しており、三冠王の野村克也との対戦も話題になった。 結局、南海はこのシリーズを1勝4敗で落とし、日本一を逃す。城之内邦雄(21勝)、中村稔(20勝)、宮田征典(20勝)という巨人の右腕20勝トリオを攻略するために左打者を並べる作戦に出たが、6失策と守りからチームは崩壊した。巨人のV9(9年連続日本一)が始まったシーズンでもあった。広瀬氏は1965年のシーズンを振り返って、こう総括する。「どうしても息切れをするというか、南海はカネがなかったからな。巨人みたいに人参をぶらさげることもできなかった(笑)。それでも私も含め、自分のベスト尽くして精一杯やろうという気持ちでやっていた。南海の連中はタイトルや記録には無頓着というか、記録がかかっているからとプレッシャーはなかったように記憶しとる。 勝ったと大喜びもしなかったし、普通に淡々とやっていたかな。とにかく勝って兜の緒を締めよということで、偉ぶることもなく、油断だけはしなかった。だからこのシーズンが特に記憶に残っているということもないね。それでもシーズンを通して勝ち続けるのは大変だったし、日本シリーズでは力が出せなかった。今年のヤクルトのリーグ優勝は堅いだろうが、最後まで油断しないで戦ってほしいね」 ヤクルトの主砲・村上宗隆は、打率こそ.315で2位だが、本塁打26本、打点71は2位以下を大きく引き離してトップに立ち、三冠王も夢ではない。盗塁も塩見奏隆が17個と1位を走っている。1965年の南海に似ている好調ヤクルト。広瀬氏の“勝って兜の緒を締めよ”の言葉はどう響くか。
2022.06.28 16:00
NEWSポストセブン
すでに胴上げも(写真/共同通信社)
阪神逆転優勝「無理ではない」とOB 課題は鬼門の広島、心強い味方は巨人か
 シーズン開幕当初、泥沼の連敗が続いて「今季はもうダメだ」と言われていた矢野・阪神に向けられる視線が大きく変わったのは、セ・パ交流戦(5月24日~6月12日)の後半からだ。 西武との3連戦の初戦に敗れた5月31日の時点では、交流戦の成績が3勝4敗、セで最下位に沈んでいた。在阪スポーツ紙は〈21世紀最速、屈辱54戦目。矢野監督・自力V消滅〉(6月1日付・スポニチ)といった手厳しい見出しを掲げた。 それが、6月3日からの甲子園での日本ハム戦に3連勝。同7日からのソフトバンク、オリックスとの6連戦を前に交流戦8勝4敗でヤクルトに次ぐ2位になると、〈交流戦5連勝でノリノリ矢野監督〉(7日付・サンスポ)と威勢がよくなり、交流戦を12球団中2位で終え、〈輝、チーム勝たせる4番になる〉(14日付・デイリー)〈球界を代表するエース青柳、獲る沢村賞〉(15日付・スポニチ)〈逆転Vの使者、頼もし第一声。ロドリゲス勝利に貢献する〉(21日付・サンスポ)と、ちょっと前がウソのような“お祭り騒ぎ”となった。 昨年は前半戦好調で首位を走っていたが、東京五輪開催に伴う中断期間を挟んだ後半戦に失速してヤクルトに逆転優勝を許した。今年はそのリベンジに燃える。「チームの雰囲気は春先からガラッと変わりました。大山は6月に入って16試合で10本塁打と絶好調。甲子園で4戦連続のヒーローインタビューに呼ばれた時には、“もう話すことはありません”と言ったほど自信を取り戻している。交流戦後の合同練習では、矢野監督がナインを集めて“オールスターブレークまでの33試合、後半戦も楽しみになるような戦いをしていきたい”と訓示した。ベテランの糸井は“去年と真逆のことを起こしたい”と気合十分でした」(阪神担当記者) 守護神として1985年の阪神の日本一を経験し、引退後も一軍投手コーチなどを務めた中西清起氏は逆転Vの可能性について、「まだ70試合以上残っているので、無理ではないと思います」として、こう期待を込める。「まずは(勝率)5割。ターゲットを巨人に絞って追いつく。巨人を捕まえたら、次はヤクルトをターゲットにする。昨年は追いかけてきたヤクルトにひっくり返されたが、今年は追いかける強みが出てくるかもしれない」 もちろん、奇跡の逆転V、日本一のためには、クリアしなければいけない課題もある。対広島戦は開幕から1分けを挟み9連敗という“鬼門”になっている。「苦手の広島戦でいかに(借金を)返していくかでしょうね。矢野監督がやらないといけないのはロースコアの時にいかに点を取りにいくか。代打であったり、盗塁のための積極的な代走であったりを使えるかでしょう。ここまでは野手が打つのを待っている状態が目立ったので、いかにベンチが選手を動かせるかがカギになる」(中西氏) 盤石の投手陣に綻びがないことも白星を積み重ねる絶対条件になる。現役時代は南海、西武で捕手として活躍し、阪神コーチ時代は野村(克也)監督の懐刀として「キャッチャー・矢野」を指導した元編成部長の黒田正宏氏はこう言う。「岩崎、湯浅、アルカンタラに疲れが出てきている。岩崎は6月13日に登録抹消し、湯浅、浜地(真澄)らもリフレッシュ休暇させた。そうやって中継ぎ陣を休ませながら、どれくらい働いてもらえるかで結果は大きく変わる。あとは正捕手問題でしょう。3人に競争させているようなかたちだが、ケガから復帰した梅野(隆太郎)を中心に回していくべきじゃないですかね。やはりキャッチングに落ち着きがある。梅野に若い投手陣を引っ張っていく責任を持たせるべきでしょう」 阪神のエースとし活躍した江本孟紀氏は、今後の上位進出を目指すうえで「阪神には心強い味方がいる」と話した。「それが巨人ですよ。開幕から9連敗のあと、甲子園で巨人3連戦に勝ち越し、GWも東京ドームで巨人に3連勝させてもらっている。巨人相手に勝ち越せているのだから、さらに上に行ける可能性はある。CSは出場できるんじゃないですかね」 リーグ優勝に届かなくても、CS出場の3位以内に入れば、投手力がモノを言う短期決戦のなかで、「下克上」のチャンスも出てくるのではないか。※週刊ポスト2022年7月8・15日号
2022.06.28 11:00
週刊ポスト
赤いユニフォームと「C」のマークがよく似合う?(シンシナティ・レッズ時代の秋山翔吾。Getty Images)
秋山翔吾、広島へ 「メジャーを経て“別リーグ”に移籍」で結果を残せるか
 新天地でチームを導く救世主となれるか──。広島は6月27日、メジャーリーグのサンディエゴ・パドレス傘下3Aエルパソを自由契約になっていた秋山翔吾外野手の獲得を発表した。2010年のドラフト3位で西武に入団した秋山は2015年に日本球界最多の1シーズン216安打を放ち、739試合連続フルイニング出場のパ・リーグ記録を持つライオンズの顔だった。 2019年オフに海外FA権を行使してシンシナティ・レッズと契約。しかし、レギュラーは奪えず、今年は開幕ロースターから外れ、5月にパドレスとマイナー契約を結んでいた。3Aでは好調を維持していたが、メジャー昇格は叶わなかった。メジャーからのオファーもないことで、日本復帰を決断。西武、ソフトバンク、広島が獲得に名乗りを挙げていた。「契約年数や年俸などの条件も関係しているでしょうけど、それ以上に心理的な面も大きかったと思います。古巣の西武への愛着はあるものの、メジャーで結果を残せなかったのに出戻りすると、自分の野球人生が停滞したように感じたのではないでしょうか。かといって、西武のライバル球団であるソフトバンクに行くのは心情的に憚られる。未知の土地、リーグである広島を選んだのでしょう」(プロ野球担当記者。以下同) メジャーで5年連続2桁勝利、通算79勝を挙げた黒田博樹は40歳で古巣の広島に帰還し、翌年にチームを25年ぶりの優勝に導いた。メジャー6年間で通算打率2割8分5厘と安定した成績を残してワールドシリーズも経験した青木宣親は36歳で古巣のヤクルトに戻り、3年後の2021年にチームの日本一に貢献している。このようにメジャーで結果を残した上で、以前の所属球団に帰って優勝する。これがファンにとっては、理想型だろう。しかし、黒田や青木のような選手は必ずしも多くない。 2019年に最多勝、最多奪三振のタイトルを獲得し、チームの優勝に貢献して渡米した巨人の山口俊はポスティングでメジャー移籍したものの、防御率8点台と打ち込まれ、2年も経たない昨年のシーズン途中に古巣へ出戻りした。しかし、先発で結果を残せず、2勝8敗に終わった。今年は一軍で1試合しか登板しておらず、現在はケガもあって戦線離脱している。「正直、山口の場合、せっかくメジャーに行ったのに、通用しないからといってすぐに帰国したと思われがちです。見切りが早いのは良いことでもありますけど、憧れの地に辿り着いたのですから、せめて秋山や筒香嘉智のように3Aでもっともがいていれば、今の状態はなかったかもしれません。もうすぐ35歳のベテランですから、今の状態が続けばオフは大幅な減俸か、自由契約やトレードもあり得ると思います」パからメジャーを経てセに移籍した岩隈、西岡 秋山は2年半アメリカでもがき、未知の広島でセ・リーグの野球に初挑戦となる。メジャー帰りの選手が古巣以外のチームを選択することは珍しくないが、経験のないリーグへの移籍は最近では稀になっている。「近年のメジャーから日本に戻ってくる選手を見ると、古巣への出戻りではなくても以前在籍していたリーグを選択するケースが目立ちます。パ・リーグとセ・リーグでは野球の傾向が違いますから、元と同じリーグの方がやりやすい面もあるのでしょう。最近では2019年に元楽天の岩隈久志がパ・リーグではなくセ・リーグの巨人に入団していますが、ケガが完治せず、一軍登板ないまま引退しています。 打者なら、元ロッテの西岡剛がパ・リーグではなくセ・リーグの阪神を選択しています。ただ、1年目の2013年は規定打席に到達して打率2割9分を打ちましたが、2年目以降はケガもあって目立った活躍はできなかった。そういう意味で、違うリーグを選択した秋山の決断は珍しい。どちらかといえば真っ向勝負の傾向のあるパ・リーグと違い、初球からフォークを投げてくるようなセ・リーグの野球に対応し、本来の力を発揮できるか、注目です」 古くは元ロッテの伊良部秀輝が阪神、元阪神の新庄剛志が日本ハムと“別のリーグ”に移籍し、それぞれ優勝の立役者となっている。秋山は、今年メジャー移籍をした鈴木誠也の穴を埋められずにいる広島の救世主となるか。
2022.06.27 16:00
NEWSポストセブン
もはや巨人戦中継もドル箱ではなくなった(時事通信フォト)
巨人戦のデーゲーム中継が視聴率2%台… 地上波からプロ野球が消える日
 6月25日、ヤクルト対巨人戦のフジテレビでの中継が物議を醸している。14時30分に放送を開始したものの、解説者の工藤公康と山本昌の野球人生を振り返ったり、ゲストの元SMAP中居正広にコメントを求めたりして、22分間も肝心の試合を映さなかったのだ。ようやく本来の“中継”が始まった時には、既に巨人が6対0と大量リードしていた。 視聴者からは“余計な演出”と不満の声も多数出ているが、なぜフジテレビはこうした演出をしたのか。キー局関係者はこう読む。「野球中継はもう15年以上前から視聴率を取れない上に、今年になってデーゲーム中継の数字がものすごく悪いんですよ。だから、焦りがあったんでしょう。開幕直後の視聴率はそんなことなかったんですけどね。巨人対中日の開幕第2戦(3月26日)は5.5%、第3戦(3月27日)は4.8%でした(視聴率は世帯。ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)。 しかし、同じカードの5月14日土曜は3.4%、15日日曜は2.6%まで下がった。“伝統の一戦”である巨人対阪神でも4月30日、5月1日がともに4.0%でした。世帯で2%台はあまりに低過ぎる。そういう数字を知っているので、フジテレビは『何かを変えなければ』と試合以外の演出に走ったのでしょう。フジに限らず、日本テレビも昨年『配球王 サバイバルナイター』などをして物議を醸しました」 とはいえ昨年までの中継では、こうした演出はそこまで多くはなかった。しかし、視聴率低下によって今年はそうもいかなくなったようだ。日本テレビは6月5日(日曜)の巨人対ロッテ戦の中継で、球速や打球の角度などを示す『トラックマン』のデータをリアルタイムで紹介したが、必要以上に伝え過ぎたのか、ネット上では多数の視聴者から『何度も何度もうるさい』と指摘されていた。「地上波で野球中継をそのまま流しても正直、数字が取れないんです。そのため、各局がいろいろな工夫をしている。しかし、ファンからは『普通に試合を見せてくれ』と抗議の声が上がる。彼らはおそらくCSやネットの中継にシフトしていくことでしょう。野球に興味ない人は元々見ないから、結局スタッフが工夫して新しい何かをしてプラスになることって、ほとんどない。そうわかっているけど、数字が上がらない番組を何の工夫もせずに放送するわけにもいかない。スポーツ班は、すごいジレンマがあると思います」野球中継の視聴者は70歳以上が主流か 1990年代まで巨人戦のナイター中継は視聴率20%を常時獲得していた。しかし、徐々に数字を落としていき、2006年以降は年々放送が減り、近年では地上波のゴールデンタイムでのプロ野球中継はほぼなくなった。 それでも時折ナイターを、週末には頻繁にデーゲームを放送する理由は、数字の取れる日本シリーズの中継権を獲得するためだった。だが、近年はそれさえもドル箱コンテンツではなくなっている。「6試合中5試合が1点差の名勝負を繰り広げた昨年のヤクルト対オリックスでさえ、最後の第6戦以外は1ケタでしたからね。これでは局に旨味がない。しかも、野球の主な視聴者はM3(男性50歳以上)なんですよ。今のテレビ局が重視する“コア層”から外れている。野球は若者に見られていないんです。 M3が野球中継の視聴率を支える傾向は、20年前から変わっていない。当時から10代から30代前半の数字は低かった。その頃の若者は今、30代から50代になっている。50代になって急に野球を見るとは考えづらいですから、現在の野球中継の視聴者はM3と言っても、おそらく70歳以上が主流だと推定できます。今の状態が続けば、近い将来日本シリーズを含めてプロ野球が地上波から完全に消えてしまう可能性もある」 サッカーのW杯予選を有料放送のDAZNが独占放送するなど、昨今のスポーツ中継は必ずしも地上波テレビの無料放送で見られるわけではなくなっている。その波が着実にプロ野球にも押し寄せているのかもしれない。
2022.06.26 16:00
NEWSポストセブン
なぜここまで打てなくなってしまったのか…(時事通信フォト)
巨人・小林誠司、6月の打率0割… 慢性的な打撃不振は「指導者に責任の一端」の指摘
 ヤクルトに首位独走を許している巨人。苦戦の原因の1つは正捕手を固定できていないことだろう。大城卓三が攻守で精彩を欠き、6月2日に登録抹消。プロ5年目で初の二軍降格だった。そうしたなかでは、高卒3年目の山瀬慎之助とともに、この男も正捕手奪取の大きなチャンスとなるはずだが、打力が大きなネックになっている。プロ9年目の小林誠司だ。スポーツ紙記者が語る。「守備型の捕手ですが、ここまで打てないと厳しい。投手以下の打率だと8、9番は自動アウトの感覚になる。1試合で3打席回ると考えると、実質2回分攻撃が減っているようなものです。小林はアマチュア時代から打撃が秀でていたわけではない。広陵高でも社会人・日本生命でも下位打線に組み込まれていた。ただ、非力なわけではなくスイングはキレイなんです。パンチ力もあるのでフリー打撃では左翼席の中段にポンポン飛ばしていました。プロ1年目には63試合出場で打率.255をマークしている。打撃技術が上がらないのは本人の問題ですが、指導者にも責任の一端があるように感じます。打撃フォームを大きく変えるなど土台から作り直したほうが良いかもしれません」 6月はチーム最多の10試合にスタメン出場しているが、25打数0安打11三振と月間打率は.000で、打席の半分近くで三振を喫している(6月24日試合終了時点、以下同)。四死球での出塁もゼロだ。 6月22日のDeNA戦では2試合ぶりの先発マスクをかぶったが、2回の1打席目で遊ゴロ、4回の2打席目も一邪飛に倒れて28打席連続無安打。同点の6回の打席で代打・重信慎之介が告げられ、途中交代となった。今シーズンの打率.134、0本塁打、3打点では厳しい。この試合で先発のメルセデスが2回の第1打席で中前打を放ち、打率.176に。戸郷翔征も打率.143で小林はそれを下回る。野手としては屈辱的な数字だ。 2020年は10試合出場で打率.056、昨年も64試合出場で打率.093と1割にも満たないシーズンが2年も続いている。打撃は持っているセンスが大きく結果を左右するものなのはたしかだろう。 ただ、時折放つ惚れ惚れとするような打球を見ると、改善の余地があるのではないかと考えてしまう。侍ジャパンに選出された2017年のWBCでは全7試合で先発マスクをかぶり、20打数9安打でチームトップの打率.450、1本塁打、6打点をマーク。初出場した2017年のオールスターでは全パの2番手・金子千尋の初球の直球を左翼席中段へ叩き込む先制アーチを放ち、巨人の高橋由伸監督(当時)に祝福のハイタッチで頭をはたかれたのが話題になった。他球団のスコアラーも「小林に打撃センスがないとは思わない」とし、こう語る。「オールスターは直球勝負であることを差し引いても、あんな打撃ができるのだからセンスが全くないわけではない。実際に新人の時の打撃を見た時は懐が深い打ち方で、経験を重ねたら打率が上がるんじゃないかと感じましたし。不調の原因? うーん、詳しいことは分からないけど、スイングが年々小さくなっているように感じます。 本人も打撃で結果を出さないといけないという焦りがあると思う。相手投手に合わせて当てにいくような打ち方になっている。昔はあんな打ち方じゃなかった。賢い選手なので相手バッテリーの配球を読む力はあると思う。ただ、当てることばかりを気にすると球と衝突するような打ち方になり、タイミングが合わなくなって逆に空振りが増えてしまう。基本的に引っ張りの打者だと思うので、ノーサインの時は空振りを恐れず初球からもっと強く振った方がいいと思います」 2016年から4年連続リーグトップの盗塁阻止率をマークするなど強肩とインサイドワーク、ブロッキング技術は大きな魅力だ。打撃で覚醒を迎えられるか。
2022.06.25 07:00
坂本が欠場した期間にショートのスタメンで多く出場した高卒2年目の中山礼都(時事通信フォト)
巨人が悩む坂本勇人の後釜問題 高卒2年目・中山礼都、一塁定着・増田陸に光明
 交流戦で10位に終わった巨人。浮き彫りになったのは、“頼れる主将”坂本勇人(33)がいないと勝てないチームということ。坂本の後継者探しは数年前からチームの懸案事項だが、成果が出ているとは言い難い。 昨年の開幕前に先発ローテーション左腕の田口麗斗(26)を放出してまで廣岡大志(25)を獲得したのは、ポスト坂本を育てたいとの思惑が球団にあったためとされる。そのほかにも坂本の後釜と言われた選手は数多く、湯浅大(22)、若林晃弘(28)が期待されているが、これまで坂本ほどの目立った活躍はできていない。 とはいえ光明がないわけではない。 にわかに期待値が上がっているのが、高卒2年目の中山礼都(20)だ。坂本が戦線離脱した期間にショートのスタメンで多く出場し、守備では俊足を生かした広い守備範囲でチームを再三救った。 また、中田翔(33)や中島宏之(39)を押しのけてファーストのレギュラーに定着している打撃好調の増田陸(21)も、「入団時に『坂本2世』と期待された選手で、本職はショート。来年以降はショートで挑戦させても面白い」(巨人番記者)。 ただ、巨人で名ショートと呼ばれ、ヤクルトと西武を日本一に導いた名将・広岡達朗氏は「巨人の体制が変わらなければ、二の舞を演じるだけだ」と語る。「原辰徳監督を中心とする首脳陣が本気で後釜を作ろうとしないと、後継者なんて到底出てきませんよ。スカウトはレギュラーのライバルとなる素材を一生懸命獲っているんだけど、監督やコーチがこれを教えないもの。 私が監督なら何が何でも後釜を作るし、ショートだけでなく、全部のポジションでライバルを作って常に争わせるね。そのライバルを一生懸命教えて上手くなると、レギュラーはもっと上手くなりますよ。そうしないとレギュラーが伸びない。選手が安心したらチームは終わりなんです」 坂本は昨オフに後継者について、「実際、コイツやったら大丈夫かなという選手もまだいない」と語っていた。 後継者の誕生を最も渇望しているのは、坂本自身かもしれない。※週刊ポスト2022年7月1日号
2022.06.24 07:00
週刊ポスト
勝負強いバッティングを見せる巨人・ウォーカー(時事通信フォト)
巨人・ウォーカーは久々の“掘り出し物”か 原監督は“弱肩”にも大甘コメント連発
 かつてのウォーレン・クロマティのような存在になれるか──。新外国人打者が長らく活躍していない巨人で、アダム・ウォーカー(30)はそんな希望を抱かせる存在となっている。シーズンの半分である72試合を消化した時点で、打率2割9分7厘、15本塁打、34打点と好成績を残している。「巨人が自前で獲得した外国人打者で3割、30本以上を打てば、1986年のクロマティ以来です。いまのペースなら到達するでしょう。あの年のクロウは3割6分3厘(リーグ2位)、37本塁打(リーグ2位)、98打点(リーグ3位)という驚異的な数字を残しました。阪神のランディ・バースがいなければ、三冠王も夢ではなかった。チームは3厘差で2位に終わりましたが、優勝していればMVPだったでしょう」(プロ野球担当記者・以下同) ウォーカーは、そんな“巨人軍史上最強の助っ人”であるクロマティに迫る勢いを見せているのだ。それどころか、最近10年の“自前外国人打者”の規定打席到達は2016年のギャレット・ジョーンズ、2013年のホセ・ロペスだけだった。それ以前になると、1996年のシェーン・マックまで遡らなければならない。それほど、巨人には“自前で獲得した優良外国人打者”が誕生していなかった。「巨人は外国人補強にしても、日本の他球団で実績のある選手に頼ってきましたからね。原辰徳監督は2002年からの1次政権ではロベルト・ペタジーニ、2006年からの2次政権では李承燁やアレックス・ラミレスなどを獲得しました。しかし、2019年からの3次政権ではいわゆる“強奪”はない。楽天からゼラス・ウィーラーを獲得しましたが、トレードでした。2019年の優勝に貢献したアレックス・ゲレーロは高橋由伸監督時代の2018年に中日から入団しています」 ここ数年、巨人は日本の他球団から外国人を取れていない。「他球団が新外国人と契約する際に『日本の他球団に移籍できない』という項目を入れるようになったこともある。広島のルイスや阪神のマートンにはそのような契約条項がありました。また、マネーゲームに持ち込めば、以前は巨人の一人勝ちでしたが、今ではソフトバンクの方が強いですからね」「いいスローイング、間一髪だったしね」 1993年オフのフリーエージェント(FA)制度導入以降、巨人はFAを使ってチームを強化してきた。しかし、昨今は超大物選手の獲得が難しくなっている。それに加え、他球団で活躍した外国人の移籍も思うようにはいかない。そんな中で、待望のウォーカーの爆発だったのだ。しかし、魅力的な打撃の反面、レフトの守備には難点がある。6月22日のDeNA戦でも初回無死一・二塁から佐野恵太のレフト前ヒットで悠々と二塁からのホームインを許した。「ウォーカーはカットマンにノーバウンドで返せればいい方で、ホームへのダイレクト返球は見たことがない。守備では明らかに巨人の弱点になっています。それでも、この日は防御率0点台の伊勢大夢から決勝ソロを打って帳消しにした。そんな勝負強さもクロマティに似ているかもしれませんね」 普段、選手に厳しいコメントをする原監督もウォーカーに対しては優しいコメントが目立つ。5月10日のDeNA戦では初回にウォーカーの拙守などで3点を奪われ、3対1で敗れた。浅いレフトフライで三塁ランナーに生還された場面を問われると「いいスローイング、間一髪だったしね。すごく成長してますね」と答えた。同じく弱肩を突かれた6月22日のDeNA戦後には「決して守備は上手とは言えないけれど、8月くらいにはさらにうまくなっていると思います」と話している。「この他にもたくさんありますよ。普通なら叱責されるような守備をした時でも極端に優しいですね。若手投手には『フォローできない』などと突き放すこともありますけど、ウォーカーのことは温かく見守っている。過保護ではないかと思うほどです。 現在の巨人は昔のような補強もできなくなっているので、彼の弱肩にも目を瞑っている。今まで守備をまともに習ったことがなかったそうなので、伸び代はある。亀井善行コーチの指導で、徐々に改善されていることもたしかです。クロマティくらい打ってくれるなら、カットマンにノーバンで返球できるようになれば万々歳かもしれません」 アメリカの独立リーグで2020年から2年連続MVP、本塁打王を獲得し、推定年俸3400万円で来日したウォーカー。FA加入や他球団からの外国人移籍が以前のように進まない昨今、原監督は久しぶりの“掘り出し物”を大事に育てようとしているのかもしれない。
2022.06.23 16:00
NEWSポストセブン
“頼れる主将”だが…(写真/共同通信社)
坂本勇人にチーム全体が甘える巨人の現状 どうなる「後釜がいない」大問題
 5月末から行なわれた交流戦で10位という結果に終わった巨人。浮き彫りになったのは、“頼れる主将”がいないと勝てないチームということだ。交流戦の結果について巨人の番記者がこう分析する。「大きく点差が開いて負ける試合が多かったことも問題ですが、一番は主将でショートの坂本勇人(33)がいないと投打ともに噛み合わないという点です。クリーンアップは繋がらないし、守備でもピンチに間を取るために、マウンドに歩み寄って投手に声を掛ける選手がいない。 ケガで欠場していた坂本の一軍復帰は交流戦後の見通しだったが、ヤクルトが好調だということと、巨人があまりに打てないことで合流の予定が早まった。坂本の後継者が育っていないことが露呈する形になりました」 事実、4月30日の阪神戦で坂本がケガをして離脱するまでの巨人は勝ち越していたが、離脱中は14勝18敗と落ちこんだ。「坂本頼り」を象徴した試合もあった。 40日ぶりに復帰した6月9日の西武戦では、坂本が三回に先制適時打を放つなど猛打賞の活躍。エース・菅野智之(32)が当日に発熱で先発登板を回避する緊急事態を主将が救い、3連敗から脱出する立役者となった。 球団OBで野球評論家の堀内恒夫氏は、翌10日のスポーツ報知の紙面で、〈あんたは天才! だから、もう休むんじゃねえよ! そんな声を坂本には掛けたくなったね〉 と絶賛した上で、〈私の現役時代で言うなら(坂本は)ON。掛けてくれる言葉で何度癒やされたり、冷静さを取り戻したか。ONはそういうことを自然にできた。坂本はその域に近づきつつある〉 と、坂本が代えの利かないスーパースターであることを認めた。勢いづいた巨人は10日の楽天戦でも勝利を収めた。 チームに支柱がいることは心強い一方で、坂本依存のチームは大きなリスクをはらんでいる。V9の後半を支え、現役引退後は巨人の投手コーチも務めた野球評論家の関本四十四氏が語る。「坂本は衰えて使えなくなるまで頼らざるを得ない選手であることは確かです。あれほどインコース打ちが上手いバッターはいないし打率も安定している。 しかし問題は守備範囲の広いショートというポジションが負担になってくること。その負担が大きくなる前に坂本の代替となる選手を見つけなければ、坂本と若手の切り替えが上手くいかず、3年間ぐらいショートが固定できない時代が来るかもしれない」失われた競い合いの精神 坂本は高卒2年目の2008年にショートのレギュラーに定着して以来、ゴールデングラブ賞を5回受賞。2016年に首位打者、2019年にMVPを獲得するなど、巨人で不動の地位を築いている。 一方で、坂本の「後継者探し」は数年前からチームの懸案事項として浮かび上がっていた。別の巨人番記者はこう語る。「坂本が30歳ぐらいの時から、球団は後継者を探し始めました。守備の負担が大きいポジションだし、故障のリスクもある。実際に近年は故障で戦線離脱するケースが増えており、今年は開幕直前、4月末と2回離脱しているし、腰痛という持病も抱えている。いつまでもショート兼主将という負担を背負わせるわけにもいかない。 昨年の開幕前に先発ローテーション左腕の田口麗斗(26)を放出してまで廣岡大志(25)を獲得したのは、ポスト坂本を育てたいとの思惑が球団にあったからです」 そのほかにも坂本の後釜と言われた選手は数多く、湯浅大(22)、若林晃弘(28)が期待されているが、これまで坂本ほどの目立った活躍はできていない。在京スポーツ紙デスクが分析する。「廣岡は守備でイージーミスが多く、湯浅は打撃面で課題が残るなど、どの選手も実力面で坂本に劣りますが、それ以前に一番の問題は精神面です。いずれの選手も坂本を尊敬のまなざしで見ていて、“超えてやる”という気概がない。それは他のポジションの選手も同じです。 坂本が復帰した試合後に4番の岡本和真(25)は『坂本さんがいると僕らも凄く安心感がある』と話していましたが、本来はチームを引っ張っていく立場の選手。チーム全体が坂本に甘える精神状況になっているので、次期ショートも次期主将も生まれてこない」 そうした中で光明となっているのが、高卒2年目の中山礼都(20)だ。坂本が戦線離脱した期間にショートのスタメンで多く出場し、守備では俊足を生かした広い守備範囲でチームを再三救った。だが、まだまだ坂本の「正統な後継者」の地位は築けていない。“坂本頼り”なのは、選手だけでなく球団側も同じだ。読売関係者が語る。「坂本はファンの人気が高く、グッズの売り上げも図抜けています。実際、坂本を観たいが故に球場に足を運ぶファンは多い。正直、人気でも他の若手選手では全然太刀打ちできません。収益的な面でも坂本にはまだまだ第一線で頑張ってほしい」 何よりポスト坂本が生まれない大きな原因は、「巨人から『競い合いの精神』が失われていることだ」と球団OBの黒江透修氏は訴える。 かつて巨人で長嶋茂雄氏と三遊間を守り、V9に貢献した黒江氏は、広岡達朗氏からショートのポジションを手にした経験をもとにこう語る。「僕は広岡さんには守備では敵わなかったので、打撃で抜こうと必死に練習しました。もちろん守備も広岡さんに追いつき、追い越すために、頭を下げて広岡さんに教わったりもした。荒川博コーチから“今のうちに広岡から守備を盗め”と言われて、広島から帰京する夜行寝台で一晩中、守備を教えてもらったこともありました。今の巨人の選手がそこまで努力して、何が何でもポジションを奪い取ろうとしているかと言われれば、そうではないでしょう」 かつて坂本も二岡智宏からショートのレギュラーを奪い取った。黒江氏が続ける。「広岡さんは聞かなくても“こうやったほうがいい”とアドバイスをくれましたが、坂本だって後輩たちが頭を下げてくれば教えますよ。広岡さんが“オレの後釜は黒江”と認めてくれたように、坂本にもそう思わせる選手が生まれないといけないよね。今の選手たちを見ると、坂本に一日でも長くやってほしいと祈っているように感じます」※週刊ポスト2022年7月1日号
2022.06.23 07:00
週刊ポスト
歯がゆいシーズンが続く(時事通信フォト)
首位・ヤクルトと9ゲーム差の巨人に漂う閉塞感 原辰徳長期政権の「弊害」との指摘が
 逆転優勝を目指す巨人だが、状況は厳しいとする指摘が聞こえてくる。交流戦で8勝10敗と負け越すと、リーグ戦再開で最初のカードとなった中日戦も1勝2敗と負け越し。交流戦前に首位ヤクルトとはわずか1ゲーム差だったが、9ゲーム差と大きく水をあけられた。9回のリーグ優勝の経験を誇る名将・原辰徳監督だが、試合中に険しい表情を見せる場面も多い──。スポーツ紙の遊軍記者はこう分析する。「ペナントレースは半分以上残っているので、数字上ではもちろん逆転の可能性がありますが、ヤクルトと巨人を比較すると大きな差を感じてしまう。特に救援陣ですね。ヤクルトは高津臣吾監督が選手のコンディションを重視しながら強力な救援陣を作り上げたのとは対照的に、巨人はセットアッパーの鍬原拓也や畠世周が登板過多で直球の威力が消えてしまい、コマ不足で崩壊状態になっている。 今までの巨人は修羅場を潜り抜けてきたベテラン選手たちの経験値が大きなアドバンテージになっていましたが、ヤクルトが昨年リーグ優勝、日本一を達成したことで精神的優位に立てなくなった。気になるのはチーム全体を包み込む閉塞感です。選手たちに活気がなく、ベンチの顔色を窺ってプレーしているようにも見える。原監督は名将ですし、その采配力で白星を積み重ねてきましたが、長期政権で組織としてマンネリ化しているようにも感じます」 原監督が初めて監督に就任したのは、20年前の2002年にさかのぼる。前任の長嶋茂雄監督から継承するといきなり日本一に輝く。翌年に3位に終わると監督を辞任したが、2006年から復帰。「第二次政権」の10年間で6度のリーグ優勝、2度の日本一を飾り、名監督として評価を高める。2019年からスタートした「第三次政権」は2年連続リーグ優勝と好調だったが、昨年は3位に沈む。しかし、手腕を評価した球団はオフに新たに3年契約を結んだ。今季監督通算16年目の63歳は勝負師として采配を振るう。5月24日の楽天戦で白星を挙げ、星野仙一氏と並ぶ歴代10位タイの監督通算1181勝目に到達した。紛れもない名将の経歴だ。 ただ、その「チーム作り」に限界を感じる声もある。昨年はシーズン終盤に大失速し、CS圏内の3位を死守するのが精一杯だった。今季も春先は快調で一時は貯金を最大11まで増やしたが、中継ぎ陣が疲弊して打ち込まれるケースが目立つようになった。リーグワーストの45失策と守備に綻びも目立ち、貯金を4まで減らしている。スポーツ紙デスクはこう語る。「原監督はチームの編成権も掌握しているので、今までは他球団の主力を引き抜いて大きなプラスアルファにしていたが、そのやり方が通用しなくなっている。実際にFAで獲得した梶谷隆幸、井納翔一はまったく稼働せず、昨季途中に電撃トレードで獲得した中田翔も精彩を欠いている。現有戦力で最大限の力を引き出すために、ウォーカー、ポランコを外野の両翼に置いた打力重視の布陣で戦っていますが拙守が目立ち、野球に緻密さがなくなっている。この野球を続けているようだったら、優勝争いどころかBクラスに転落しても不思議ではありません」 後継者となる次期監督も気になるところだが、どうなのだろうか。「阿部慎之助作戦兼ディフェンスコーチが最有力候補ですが、昨オフに原監督が3年の長期契約を結んだという現実から、まだまだトップに立つのは早いというのが球団内の評価なのでしょう。桑田真澄投手チーフコーチは卓越した野球理論に加え、コミュニケーション能力も高いので投手陣の人望は厚いですが、今年は継投策などで手腕を疑問視する声が上がっている。ファンから待望論が強いのは高橋由伸前監督のカムバックです。2016年からの監督就任3年間でリーグ優勝が一度もなく退任しましたが、就任前には現役続行の意向を示していたにもかかわらず、急遽原監督の後を託されてかわいそうな部分もあった。現状、再登板の可能性は低いと思われますが……。どちらにせよ原監督の長期政権はしばらく続くでしょう」(同前) FAやトレードによる外部補強でチームを強くする時代は終焉を迎えつつある。名将はどうチームを立て直すか。
2022.06.21 18:00
NEWSポストセブン
投手転向が吉と出るのか……(時事通信フォト)
伸び悩む根尾昂、高橋周平、堂上直倫……中日はなぜ「有望な若手野手」が育たないのか
 中日・根尾昂がリーグ戦再開の6月17日から投手登録に変更となったことが、大きな反響を呼んでいる。ドラフトで4球団が競合した甲子園の星がプロの壁に苦しんでいるが、中日にはほかにも高校時代に名を馳せたものの、ファンの期待に応えられていない選手が多い。 根尾が投手として大きな可能性を秘めているからこそ、立浪和義監督が野手からの転向を決断したことは間違いない。大阪桐蔭では遊撃と投手の「二刀流」で2年春、3年春、3年夏と3度の全国制覇に大きく貢献。春のセンバツ大会では史上初の2年連続優勝投手に輝いている。 最速150キロの直球、スライダーで相手打者を抑え、巧みなバットコントールに加えて高校通算32本塁打とパンチ力もある。プロでも「二刀流」で挑戦するか注目されたが、野手一本で勝負することを決断する。アマチュア野球担当のスポーツ紙記者は複雑な表情で振り返る。「二刀流で注目されましたが、根尾は高校時代に遊撃の守備に専念して練習を積んできたわけではないので、腰高やフットワークなど守備を鍛え直す必要があった。打撃も速い球への対応力が高校時代から課題とされていた。器用なタイプではないので、才能を引き出せるかは指導者や環境が重要なポイントだった。 ドラフト1位で中日、日本ハム、ヤクルト、巨人が競合して中日が当たりくじを引いたわけですが、正直大丈夫かな? と思いました。高卒の野手で大成した選手が近年出てきていなったからです。大谷翔平という二刀流での成功例がある日本ハム、名遊撃手の宮本慎也氏がコーチを務めていたヤクルトで守備を徹底的に磨いたほうが良かったかなと……。抽選なのでどうにもできないタラレバですけどね」 根尾は1年目からファームで目立った成績を残さないまま、年月が過ぎていく。3年目の昨季は「8番・左翼」で自身初の開幕スタメン出場を飾ったが、72試合出場で打率.178、1本塁打、16打点に終わった。「打撃フォームがコロコロ変わる」と継続性の無さを指摘する声も聞かれた。今年は立浪監督の意向で外野一本で勝負することに。だが、その方針はシーズンに入るとアッサリ覆された。5月に京田陽太が攻守で精彩を欠きファーム降格した事態を受けて遊撃に再コンバートされるもスタメン出場の機会はなく、外野を守り、さらには投手デビューを飾って騒がれた。「中日は根尾をどう育てたいのか理解できない」と他球団の編成は首をかしげていた。そして、投手登録となった後も今季は野手との「二刀流」を継続するという。 遊撃の定位置をつかめなかった原因が、根尾自身にあることは間違いない。ただ、ドラフトで注目された高卒野手たちが中日に入団すると、才能を開花できず伸び悩んできたことも事実だ。 高橋周平は東海大甲府で高校通算71本塁打をマークし、ドラフト1位で3球団が競合。高校ナンバーワンスラッガーは将来を嘱望されたが、試行錯誤を繰り返し、規定打席に初めて到達したのはプロ7年目の2018年だった。このシーズンは11本塁打をマークしたが、その後はミート重視のコンパクトな打法になり、2020年は打率.305、7本塁打を記録している。だが、昨年の打撃不振に続いて今季も打率.238、1本塁打、7打点と「特徴のない選手」になってしまっている。 また、根尾の大阪桐蔭の先輩・平田良介も1年秋から4番を打ち、高校通算70本塁打と豪快なスイングが持ち味だった。ドラフト1位で指名した当時の落合博満監督は「あれだけ振れる選手はそうはいない。鍛えれば俺以上の打者になる」と絶賛していた。だが、プロ入り後は中距離打者としてレギュラーをつかむ。2018年に打率.329をマーク。一方で本塁打は2013年の15本が最多で、2017年以降、2桁本塁打はない。ケガや病気(異型狭心症)で離脱したこともあって出場機会は減っていき、今季は打率.200、0本塁打、3打点だ。 堂上直倫も「超高校級スラッガー」として注目された逸材だった。愛工大名電で甲子園に3度出場し、甲子園での通算打率は.480。高校通算55本塁打を記録した。2006年高校生ドラフト1位で中日、阪神、巨人の3球団が競合。抽選を外した巨人の「外れ1位」が同学年の坂本勇人だった。坂本が右打者最速でプロ通算2000安打に到達したのに対し、堂上が規定打席に到達したシーズンは2016年のみ。2019年の12本塁打が自己最多で、いまは内野ならどこでも守れるユーテリティープレーヤーとして活路を見出している。 長年、中日を取材していたスポーツ紙の遊軍記者は、こう振り返る。「平田も堂上も入団時は打球が凄かった。精度は高くなかったけど豪快なスイングでスタンドに突き刺さるような打球で。(高橋)周平もプロ初アーチは京セラドームで逆方向の左翼席に叩き込んでいます。持っている資質を考えれば20本塁打は軽く打てるはず。広いナゴヤドームが本拠地なのでホームランバッターを育てるのが難しいという事情はあると思いますが、アマチュア時代に長距離砲で鳴らした選手が、中日に入るとこじんまりしたタイプになってしまう。中距離打者を目指すのが悪いわけではないが、ファームの試合を見ても、スイングが小さく当てにいくような選手が多い。相手バッテリーからすると怖さがないんですよね。強打者が次々に台頭している西武を見ると、若手の時から空振りを恐れずガンガン振っている。もちろん、ただ大振りしているのではなく、首脳陣が理になかったフォームでフルスイングするように指導している。選手の資質の問題で片付けるのではなく、中日は打者の育成方針を見直す必要があると思います」 低迷期が続いている中日は、立浪監督が就任した今年も最下位に沈んでいる。石川昂弥、大卒ルーキーのブライト健太、鵜飼航丞と将来が楽しみなスラッガーがそろっているだけに、育成手腕が問われる。
2022.06.18 11:00
NEWSポストセブン
来年、再来年も見据えた起用法か(高卒3年目の山瀬慎之助。時事通信フォト)
巨人「交流戦負け越し」で過去優勝なし 補強に頼らないチーム作りは成功するか
 6月12日、プロ野球の交流戦は全日程を終了し、ヤクルトが14勝4敗で4年ぶり2度目の優勝を果たした。交流戦開始前、セ・リーグでヤクルトと首位を争っていた巨人(8勝10敗)、広島(5勝13敗)は共に負け越したため、1位・ヤクルトが2位・巨人に7.0ゲーム差、3位・広島に10.5ゲーム差をつけ、独走状態に入った。 2位巨人はここから巻き返しをはかりたいところだが、“不吉なデータ”もある。過去、「交流戦で勝ち越せなかった年は一度も優勝していない」のだ。「データはあくまでデータでしかない。とはいえ、今年の巨人が7ゲーム差をひっくり返すだけの力があるかと言えば、疑問です。しかも、昨年の前半戦独走していた阪神と違い、今年のヤクルトには地力がある。その上、高津臣吾監督が選手を上手に休ませながら起用しており、夏場に疲れが来ないように配慮している。巨人どうこうの前に、ヤクルトが急激な失速をすることは考えにくい」(プロ野球担当記者・以下同) 今年の巨人は開幕10試合を8勝2敗とロケットスタートを切り、4月終了時点で20勝11敗と首位に立っていた。4月までに堀田賢慎、戸田懐生、赤星優志、大勢、平内龍太、山崎伊織と6投手がプロ初勝利を挙げるなど、若手が台頭。打線も岡本和真が3、4月の月間MVPを受賞し、新外国人のポランコ、ウォーカーも結果を残すなど投打が噛み合っていた。 しかし、4月30日の阪神戦で主将の坂本勇人が右膝じん帯を損傷してから歯車が狂い始めた。5月4日の広島戦では、リーグ首位打者を走っていた吉川尚輝が死球を受けて戦線離脱。主力の2人を欠いたことで、岡本も連なるように不振に陥った。「坂本は開幕前にも故障しているし、12月で34歳を迎える。いつまでも坂本に頼っている場合にはいかないが、現実的には坂本がいないとチームの成績が落ちる。今までは戦力が足りないと見るや、シーズン中でもトレードや外国人獲得という補強で乗り切ってきたが、今年は若手を起用している。来年、再来年も見越した上での起用だと思います。巨人はフリーエージェント(FA)制度導入以降、FA補強がうまくいくかどうかがチームの成績に結び付いていました」“FA補強で強くなる”戦略からの転換 原辰徳監督は2006年の第2次政権誕生以降、通算13年間で8回のリーグ優勝を果たしている。その間、松本哲也や山口鉄也など育成から這い上がった若手もいたが、その栄光はFAなどの補強なしでは語れない。「2007年からの3連覇は小笠原道大(前・日本ハム)、ラミレス(前・ヤクルト)、クルーン(前・横浜)、2012年からの3連覇は村田修一(前・横浜)、杉内俊哉(前・ソフトバンク)、2019年からの2連覇は丸佳浩(前・広島)、炭谷銀仁朗(前・西武)の移籍がなければ実現しなかったでしょう。逆に昨年はFA加入の梶谷隆幸、井納翔一(ともに前・DeNA)が活躍できず、優勝できなかった。FA選手の出来不出来に、チームの成績は大きく左右されてきました。 しかも、ここ数年は他球団の大物はFA権を行使せずに、複数年契約を結んで残留している。この流れは加速していきそうです。そうなれば、今後の巨人は“FA補強で強くなる”という戦略を取れなくなる。原監督は時流を読んで、若手起用に舵を切っているのでしょう。今までなら、5月にファーストに高卒4年目の増田陸、6月にキャッチャーに高卒3年目の山瀬慎之助をスタメン起用するのは考えられない」 1993年オフにFAと逆指名ドラフト(2006年まで)が導入され、巨人はその恩恵にあずかってきた。1994年以降の1990年代は2回、2000年代は5回、2010年代は4回優勝を果たした。だが、2つの制度のなかった1980年代も3回優勝している。しかも、全てAクラスに入っていた。10年全て3位以上は2リーグ分裂以降の年代別で見ると、ドラフト制のなかった1950年代と1980年代しかない。「補強に頼らなくても、強いチームを作れる。1980年代の安定的な成績は、ベテランに差し掛かる選手のFA獲得よりも、若手を一人前に育てる方がチーム力の安定に繋がるという証拠でしょう。当時はほぼ10年間、一塁・中畑清、二塁・篠塚利夫、三塁・原辰徳、遊撃手・河埜和正(前半)、岡崎郁(後半)でしたから。 その陣形が崩れた1989年は、緒方耕一や川相昌弘などが台頭して日本一になった。この時の主力は現在の原監督であり、桑田真澄投手コーチです。2人は、当時の藤田元司監督を師と仰いでいる。原監督はFA補強で優勝を勝ち取った面もありますが、坂本のように若手を育てた経験もたくさんある。今年、若手投手陣がたくさん出てきているのは桑田コーチの指導の賜物でしょう」 巨人ファンはどんな補強をしてでも勝利を見たいと思われがちだが、生え抜きのスターが育っての優勝を見たいというファンもたくさんいるだろう。「原監督はキャンプの時から『力が同じなら若手を使う』と明言しており、今年は数年後に黄金時代を築くための“育成年”とある程度、覚悟していたと思いますよ。楽天との最後の交流戦(6月12日)でも、外国人のウィーラーではなく25歳の八百板卓丸を先発で使いましたしね。その日のスタメンである増田陸、山瀬、八百板は3人とも開幕の時は二軍です。今までの原采配では見られなかった起用法ですよ」 FAで有望な選手を獲得できなくなった巨人。まだ優勝を諦めるには早いが、今季は育成にも力を入れ、来年、再来年以降も視野に入れて戦っているようだ。
2022.06.13 16:00
NEWSポストセブン
「落合博満以来の逸材」の呼び声高いDeNA・牧秀悟(時事通信フォト)
三冠王候補のDeNA牧秀悟 「落合以来の逸材」でもメディアが全然取り上げないワケ
 いま最も三冠王に近いDeNA・牧秀悟(24)。6月6日時点で打率3割3分3厘、15本塁打、46打点の成績を残し、打率、打点はリーグトップ、本塁打も岡本和真(巨人)を2本差で追いかける。「落合博満以来の逸材」の呼び声高いが、牧の知名度はなかなか世間に浸透していないのが実情だ。「命がけ」のパフォーマンスで当時の閑古鳥が鳴く横浜スタジアムをファンで埋めた元監督・中畑清氏は「売って売って、売りまくるべき」と説く。しかし、「そもそも横浜という球団はどうしても目立ちにくい」とスポーツ紙の編集委員は話す。「巨人や阪神は複数の担当記者がついていますが、DeNAは1人のみです。ソフトバンクや日本ハムは地元の地方版で大きく取り上げられますが、DeNAは関東圏内に本拠地を置く球団なので、巨人や首位を走るヤクルトの前にかすんでしまう。 地域密着で活路を見出した日本ハムやかつての南海などのパ・リーグ球団を見習って、DeNAも新潟を本拠地にするという話が根強くありますが、出ては消えてを繰り返しています」 ダンプの愛称で阪神、大洋でプレーした辻恭彦氏も、横浜を「首都圏のセ・リーグ球団なのに注目されない」と話す。「牧は巨人や阪神でプレーしていれば相当騒がれていると思いますね。DeNAはスカウトの眼力がよくて、僕が横浜でファームのコーチをやっていた頃にも、谷繁(元信)や佐々木(主浩)などいい選手がどんどん入ってきましたが、なかなか全国区になれず、メジャーやFAで他球団に移籍して初めて話題になる。監督やコーチが宣伝しすぎるとプレッシャーでしぼんでいくことも多いので注意しないといけないですが、牧はスランプのないタイプですから、もっとアピールしてもいいとは思うんですが……」 大洋一筋の元エース・平松政次氏は、内角に鋭く切れ込む“カミソリシュート”を武器に通算201勝をマークし“長嶋キラー”としても知られたが、「全国区になるには巨人戦で投げて勝つしかなかった」と振り返る。「僕の現役時代はテレビやラジオ、新聞も巨人戦しか露出しないわけですからね。特に王(貞治)さん、長嶋さんとの対戦が名前を売る一番のチャンス。後楽園で(巨人戦に)勝って銀座に行くのが目標だったんですよ。当時は巨人が勝った、負けたというのをママもホステスもみんな知っていたから、巨人戦で勝つとモテモテだった(笑)。 打者はピッチャーと違って、『試合を決める一打』を打つチャンスが回ってくるかどうかもわからない。相当活躍しないと厳しいですよ」 西武、中日、ダイエーでエースとして活躍し、引退後は横浜などで投手コーチを務めた杉本正氏は、知名度を上げるための「パフォーマンスの重要性」を語る。「ソフトバンクの柳田(悠岐)や西武の山川(穂高)は、ど派手なホームランを打ち込むのでインパクトが大きいんですよ。対照的に牧は中距離ヒッタータイプだし、性格的にも自分をアピールするより職人技を見せたいという独特の雰囲気を持っている。 お決まりのパフォーマンスを考えてもいいかもしれない。山川の“ドスコイ”やソフトバンク・松田(宣浩)の“熱男”みたいに定番となれば、テレビカメラもそこまで追う。夜のニュースでも拾ってもらえます。 牧はそういったことを照れてできないタイプだけど、プロ野球選手は目立ってなんぼだと割り切ってやればいいと思う」 牧は長野県出身。松本一高で2年夏、3年夏は県大会初戦で敗退と甲子園に出場経験がない。優等生であることでも知られ、期待がかかる三冠王についても「まだシーズン中盤ですから、いまは特に意識していません。ほんとにチームのためにやるだけ」と控えめだ。「マイペースでふてぶてしい佐藤輝、『サイン盗み騒動』で矢野燿大監督に立ち向かったヤクルト・村上(宗隆)と対照的に、牧は謙虚で仕事人のイメージが強い。メディアがキャラを固定できていない部分があります」(スポーツ紙編集委員)※週刊ポスト2022年6月24日号
2022.06.11 11:00
週刊ポスト

トピックス

紺色のお召し物だった紀子さま
紀子さま、悠仁さまに「悪夢の再来」 宮内庁17cm包丁送付事件、同封便箋には皇族批判
女性セブン
京都の街を歩く舞妓のイメージ(写真/イメージマート)
元舞妓の告発に有名歌舞伎役者たちが大慌て 関係が露見すれば廃業は必至か
女性セブン
逮捕された「RYO&YUU」
「バレないように森の中で」公然わいせつ逮捕「RYO&YUU」が語っていた野外動画撮影の“対策” 実際には公園、海岸でも裸に
NEWSポストセブン
よくぞ言った!江口のりこがぶっちゃけたテレビのタブー「番宣出演は意味がない」
よくぞ言った!江口のりこがぶっちゃけたテレビのタブー「番宣出演は意味がない」
NEWSポストセブン
ゴルフをする女性芸能人が増えている(左は小島、右は鷲見。ともに本人のインスタより)
タイトなウェア姿を投稿しまくりの小島瑠璃子と鷲見玲奈「ゴルフ女子」枠巡る熾烈な戦い
NEWSポストセブン
ポスト和久田麻由子アナに浮上 「元東大ミスコン」堀菜保子アナ(27)の“大きな武器”
ポスト和久田麻由子アナに浮上 「元東大ミスコン」堀菜保子アナ(27)の“大きな武器”
NEWSポストセブン
TBS・安住紳一郎アナウンサーの魅力の源は?(時事通信フォト)
「定年までTBSに」先輩・吉川美代子アナが期待する安住紳一郎アナのこれから
週刊ポスト
結婚を発表し、お相手を「建築会社」とした滝沢。「一般男性」とは言っていない
滝沢カレン結婚!「テラハ」出演“肉食系”ハーフモデルのどこに惹かれたのか
NEWSポストセブン
眞子さまの箱根旅行のお姿。耳には目立つイヤリングも(2018年)
小室圭さんの妻・眞子さん 華やかだった4年前の「箱根・女子旅ファッション」
NEWSポストセブン
逮捕された「RYO&YUU」
公然わいせつ逮捕「RYO&YUU」、性的動画アップは「親公認」だった 22歳の女は愛知・香嵐渓で全裸に
NEWSポストセブン
結婚し、日本メディアが情報をキャッチしづらいNYで、デイリーメールが追跡取材(写真/JMPA)
小室圭さん・眞子さん夫婦が「離婚で終わったとしても…」英デイリー・メールが報じた「茨の道」
NEWSポストセブン
高橋真麻
高橋真麻「おでんの卵8個食べても太らない」女性が憧れる美スタイルの理由
NEWSポストセブン