「木村さんとほぼ同世代の女優には新垣結衣や北川景子、上野樹里、長澤まさみ、吉高由里子、榮倉奈々、戸田恵梨香、多部未華子ら錚々たるメンバーが揃っており、それぞれがドラマや映画の世界で主演級の活躍をしています。
そんな激戦世代の中にあって、木村さんが安定して主演級の役を獲得できている背景には、他のメンバーにはない知的で、落ち着いた雰囲気や、世代、性別を問わず共感を呼びやすいその風貌に魅力があるからだと私は思っています。
前述のメンバーとのキャラクター被りもほぼないですし、他の共演者の中に入っても、キャラクターの自己主張が強すぎず、相手の魅力をうまく引き出す“引き”の演技ができるところも大きいのではと想像します」(名鹿氏)
他の同世代人気女優にはない魅力を安定して発揮してきた木村。高視聴率をキープしている『七人の秘書』での活躍をきっかけに、今後は“高視聴率女王”としても注目を集めることになるだろうか。
「昨今、テレビドラマの世界では恋愛ドラマなどの需要が減り、医療ドラマや弁護士もの、ミステリーなど、脚本をしっかり作り込んだ作品や、家族をテーマにした作品にスポットが当たっている状況があり、そういったことを考慮すれば木村さんの視聴率女王としての台頭も十分にありえると思っています。
こういった作品と木村さんはすごく相性が良いのです。過度に色気や今っぽさを強調しなければならないヒロイン像が全盛なら、少しハンデを感じる木村さんですが、今はどちらかといえば、そういったヒロイン像より木村さんのようなどこか庶民性も持ち合わせた落ち着いた知的な女性像が求められることが多いのです。世代的にライバルは多いものの、時代にあっているという点では木村さんが今後活躍できるフィールドは多いと思います」(名鹿氏)
ようやく時代が木村文乃に追いついたようだ──。
◆取材・文/細田成嗣(HEW)