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コロナ禍の社長交代 ビックカメラは「財務に強い」新社長

木村一義氏がビックカメラ社長に就任した背景とは(時事通信フォト)

木村一義氏がビックカメラ社長に就任した背景とは(時事通信フォト)

 新型コロナウイルスの影響で売り上げが9割減という業界もあるこの時代。有名企業が経営トップ交代に踏み切っている。NECも11月に、現在副社長の森田隆之氏が、来年4月1日付で社長に就任することを発表した。月刊誌「経済界」編集局長の関慎夫氏が語る。

「東大法学部卒の森田氏は本流の技術畑ではなく、事業開発部の出身で、CFO(最高財務責任者)としてM&Aなどを担当。NECはもともと技術力に定評があり、たとえば顔認証の分野では世界一といわれている。しかし技術力を利益に変えることがうまくなかった。そこを期待されての起用でしょう」

 財務に強い新社長の登場は他の業界でも目立っている。ビックカメラでは今年9月1日付で、15年間にわたり社長を務めてきた宮嶋宏幸氏が代表権のない取締役副会長に退き、元証券マンで子会社のコジマ会長兼社長の木村一義氏が社長に就任した。その経緯について、ビックカメラはこう説明した。

「15年という長い期間在任していた点、2期連続(2019年8月期、2020年8月期)の減益となった点から、前任者から社長辞任の申し出がありました」(広報・IR室)

 前出・関氏が語る。

「木村氏はもともと小売とは縁がない人ですが、買収したコジマを再生させ、『コジマ×ビックカメラ』の新ブランド店舗を成功させた実績を買われた。稼ぎの悪いところから資金を引き上げ、稼げる分野にそのお金を注ぎ込むことに長けている人を据えたということでしょう。創業者の新井隆司会長がまだまだ元気で、自分は全体に目を光らせ、財務を新社長に任せるということだと思います。

 宮嶋氏の退任申し出に対し、新井会長は『ああ、そうか』と引き留めなかったと聞いています。カリスマ性の強い創業者のもとで15年務めて、やれることはやったということでしょう」

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