人々の生活を大きく変えた新型コロナウイルス。2020年4月の緊急事態宣言により、外出自粛やさまざまな制約を余儀なくされたことで、新たな生活様式が生まれた。博報堂生活総合研究所上席研究員の佐香孝さんは、「この体験が“ニュー・ノーマル”として2021年も継続発展していく」と予測している。
「コロナ禍で人との接触を減らす方法として、キャッシュレス決済を利用する人が増えました。現金派の人も、小銭を受け取らなくてすむ便利さを味わうと、キャッシュレス決済の使用頻度が高まる。それにより、より使いやすいものへと進化して行くことでしょう」
また、PASMOなどの交通系ICカードのように、機械に“ピッ”とタッチするだけで決済できる指輪も登場し、話題になっている。これは、VISAの決済システムと連携した『EVERING』(2021年春発売予定)で、使う前にお金をチャージするプリペイド式。この指輪をしていれば、財布もスマホも持たずに買い物ができるというわけだ。
進化するサブスクリプションサービス
コロナ禍で不要なものを処分した人も多いが、できるだけ物を持たずに生活したい人たちの間で広まっているのが、商品やサービスの“一定期間の利用権”として料金を支払う、サブスクリプション方式(通称サブスク)だ。スタイリストがコーディネートした服の借り放題、1日1杯の飲み物が無料になる定額カフェなどがこれまでもあったが、さらに“住居”が登場した。
これは、全国に100か所以上のスポットを持つ『ADDress』が始めたサービスで、月額4万円で、契約期間内に何度でも、どこのスポットに引っ越すことも可能。
気分に合わせて場所を移しながら生活を楽しむことができるため、問い合わせが増えているという。