1月8日、東京都を中心とした1都3県に発出された緊急事態宣言は、2月7日まで続く予定だ。さらに13日午後には、大阪府、京都府、兵庫県、愛知県、岐阜県、福岡県、栃木県も対象に加えられた。解除について、西村康稔経済再生担当相は「感染者数が10万人あたりで25人、東京都に換算すると1日500人以下なら判断基準の1つ」と言うが、早期の解除は、どうやら期待できなさそうだ。
「アメリカではまず感染者数が増えて、その次に入院患者数が増え、死者の増加と続きました。いまの日本は感染者数が増え続けている段階で、入院患者数と死者数はこれから、さらに増え方が急激になるでしょう。宣言期間が1か月よりも長くなる可能性は高いと思います」(ボストン在住の内科医・大西睦子さん)
坂根Mクリニックの坂根みち子院長は、具体的な対策に疑問を呈する。
「飲食店の営業時間短縮という中途半端さで、感染拡大を抑え込めるとは思えません。その割には、東京オリンピック開催に対して前向きな発言を政治家は続けています。本気で開催を望むなら、2月いっぱい、さらには年度末までなど、もっと長期にわたり厳しい規制をする必要があるでしょう。仮に宣言が解除されても、元の生活に戻れば感染状況も緊急事態宣言前に戻ってしまいます」
どうやら長期戦を覚悟する必要がありそうだ。現在、感染が拡大しているのは首都圏や関西圏など、人口密度の高い都市部が中心だが、これからは地方でも流行の恐れがある。ボストン在住の内科医・大西睦子さんはいう。
「アメリカでは、まず都心で増えて、その後地方にも広がっています。日本も同じようにして感染が広がっていく可能性があります。ただ、アメリカの場合は、共和党支持者の多い地方では、コロナを信じずにマスクをしない人が多いなど、日本とは異なる事情もありますね」
現在のように緊急事態宣言の効果が限定的だと、地方の安全も風前の灯火だ。
「いまの緊急事態宣言自体が夜の飲食への規制が中心なので、感染拡大を完全に防げていません。そのため、都市から地方、地方から地方へ感染が拡大する恐れがあります」(坂根さん)
そうなった場合には、緊急事態宣言の対象が全国に拡大されることは充分考えられる。今後も仙台・新潟といった地方都市の感染状況にも引き続き注目すべきだろう。
※女性セブン2021年1月28日号