公開延期されていた岡田将生(31才)と志尊淳(25才)がダブル主演を務める映画『さんかく窓の外側は夜』が、1月22日満を持して公開された。24日までの累計観客動員数(先行上映分込み)は約8万1000人、興行収入は約1億960万円と好調で、SNSでは早くも「続編希望」の声も多く聞かれる。特に、ヒロインを演じる平手友梨奈(19才)の好演に「ハマリ役」と注目が集まっている。映画や演劇に詳しいライターの折田侑駿さんが解説する。
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映画ランキングでは初登場4位と好スタートを切った映画『さんかく窓の外側は夜』。口コミサイトなどでは「映像も俳優の演技も見応えがある」、「すべてにおいて予想以上」といった言葉が並び、劇場へ何度も足を運ぶ人も多いようだ。
本作は、ヤマシタトモコ(39才)による累計発行部数130万部超えの同名マンガ作品を、映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』(2017年)の森ガキ侑大監督(38才)が実写化したもの。“霊を祓うことができる男”と“霊を視ることができる男”のコンビが、“除霊”という特殊能力を使って怪奇事件に挑む新感覚のミステリー作品だ。劇中に登場する幽霊や、見どころの一つである“除霊シーン”では、資生堂やソフトバンクなどのCMディレクターとしても活躍する森ガキ監督らしいスタイリッシュな演出となっている。
物語のあらすじはこうだ。ある日、幼い頃から幽霊が視える特異体質に悩まされていた青年・三角(志尊)の元へ、除霊師の冷川(岡田)が現れる。霊に怯える生活を送っていた三角は、「僕といれば怖くなくなりますよ」という冷川の言葉を受け、彼の除霊作業の助手をすることに。そんな2人の元へ、刑事(滝藤賢一)から未解決殺人事件の捜査協力が舞い込む。2人は互いの能力を使って霊と交流し、真相へと近づいていくこととなる。
物語の中の平手のポジションは、かなり複雑だ。彼女が演じる非浦英莉可は呪いを操る女子高生であり、大きな謎に包まれた存在。三角&冷川コンビと非浦が接触する場面は、クライマックスに差し掛かるまでほとんど無く、それまでは敵か味方かも分からない。だが、「視える人」と「祓う人」に対して「呪える人」として登場する平手が、志尊や岡田とは別の軸で物語を展開させている重要人物であることは間違いない。平手が映画に出演するのは、2018年に公開された『響-HIBIKI-』以来のこと。欅坂46を巣立ってから俳優業に挑んだのは本作が初だが、名実ともに俳優として第一線にいる2人と立派に対峙しているのだ。