食べ過ぎなどが原因で口角に亀裂ができる“カラスのお灸”や口内炎も侮ってはいけない。
「口などの粘膜は皮膚よりも表皮が薄いため、体の抵抗力が落ちると細菌感染を起こしやすくなります。口は胃腸の入り口ですから、暴飲暴食による炎症や、その先の大腸の不調によっても口角炎や口内炎ができやすい。そうした症状が頻繁に出る人は、胃炎や胃・十二指腸潰瘍、大腸の疾患を疑い、早めの受診を検討しましょう」
舌のチェックも欠かさない
口を開いて、舌の状態もチェックしたい。
「舌の表面についている苔状の舌苔の色の変化でも、体調の異変に気づくことがある。健康な人の舌苔は薄く白い色をしていますが、体内に老廃物が溜まると茶色から黒っぽくなります。また、発熱時や胃炎の時は黄色くなります」
死亡リスクの高いがんや心筋梗塞、脳梗塞、重い合併症を引き起こす糖尿病などの生活習慣病は、はっきりとした自覚症状がないまま進行するケースが多い。発症すれば手術や入院が必要になり、時間もお金もかかる大掛かりな治療が待っている。
「そうした病気は発症前、体、特に顔にサインが現われます。サインに気づいて対処できるか否かが、健康と病気の分かれ道となる。まずは毎日鏡を見て、顔色に変化はないか、むくみはないかなどを注意深くチェックすることが重要です」
些細な異変でも、見逃してはならない。
※週刊ポスト2021年7月9日号