夏のおつまみには欠かせない「枝豆」。実はアルコールとともに食べることでメリットもあるという。知られざる「豆」知識をお届けしよう!
枝豆というと、どれも同じように見えるが、主に市販されているのは白毛豆(青豆)、茶豆、黒豆の3種類だ。
「一般的なのは、白毛豆ですが、強い旨みが特徴の茶豆やコクのある黒豆も最近は増えてきました」
とは、豆料理アドバイザーの五木のどかさんだ。
枝豆は栄養価も高く、たんぱく質をはじめビタミン類などが豊富。なかでも、たんぱく質に含まれるアミノ酸の一種メチオニンやオルニチンは、アルコールの分解を促し、肝臓の働きをサポートする働きがある。だから酒のお供に最適なのだ。
「旬は6月中旬~9月で、袋入りよりも枝付きの方が栄養価が落ちにくく風味も強いのでおすすめです。袋入りを選ぶなら、内面に水滴がついているものは避けましょう。保管温度が上がると、枝豆が呼吸をし始め、それに伴い、旨み成分が逃げてしまいます。最適温度は4〜5℃ですから、買ったらすぐに冷蔵庫へ。また、豆がパンパンに張ったものよりは、7〜8割程度のものの方がおいしいと思います」(五木さん・以下同)
収穫直後から鮮度が落ちるので、買ったその日に調理するのがベストだという。
「枝豆本来のおいしさを引き出すのにおすすめしたい調理法は“蒸しゆで”です。特に、茶豆や黒豆は、旨みと甘みが強く感じられますよ」
枝豆界のセレブは「丹波篠山の黒枝豆」
「丹波篠山の黒枝豆」とは、黒大豆の最高品種「丹波黒」を、さやの中で熟成させ黒色になる前に収穫したもの。10月上旬に解禁され、10月下旬までのわずか3週間しか食べられない。大粒で甘みが強くコクのある味わいが特徴で、産地である兵庫の丹波篠山周辺でほぼ消費されるので市場に出にくい。通販で手に入れるのがおすすめ。
8月8日は「だだちゃ豆の日」
だだちゃ豆は、山形県鶴岡市鶴岡地域で江戸時代から栽培されてきた在来種。鶴岡の方言で「だだちゃ」は「お父さん・親父」の意味があるため、「パパ」とも読める8月8日を「だだちゃ豆の日」(※)とした。肝臓でアルコールの代謝を促すオルニチンがしじみよりも多いので、酒のつまみに、取り寄せて味わう価値あり!
(※鶴岡地域だだちゃ豆生産者組織連絡協議会が2011年7月に制定)
芳ばしさを楽しむなら「蒸し焼き」
「塩ゆで」や「蒸しゆで」で、ホクホクした食感を楽しむのもいいが、芳ばしさも味わいたいなら「蒸し焼き」もおすすめだという。作り方は、「蒸しゆで」が出来上がる少し前に蓋を開けて水分を飛ばし、さやの表面に焦げ目がつく程度まで焼くだけ。ただし、フライパンが焦げつきやすくなるので、ご注意を。
※女性セブン2021年8月12日号