現在使用可能な糖尿病薬
それらを踏まえ、日本人の2型糖尿病患者を対象としたイメグリミンの第3相試験において24週間後のヘモグロビンA1cの変化量がプラセボ(偽薬)と比較された。
「イメグリミンはプラセボと比較した場合、ヘモグロビンA1cの変化量が大きく、1%も下げるという高い効果を示しました。しかも、高血糖のときだけしか作用しないので、副作用である低血糖のリスクが低いことも確認されたのです。この結果からも、新薬は効果が高く、安全性もあり、使いやすい治療薬であることがわかります」(馬場園センター長)
イメグリミンは1000ミリグラムを朝夕2回服用する。また使用可能な他の多くの糖尿病薬との併用でも、高い効果が報告されている。幅広い病態の2型糖尿病患者に使用可能と期待され、今秋にも臨床で使用が開始される予定だ。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2021年8月20日号
馬場園哲也・東京女子医科大学糖尿病センター長