国内

「二階派が菅派に衣替え」の衝撃 「河野太郎氏の合流」もあるか

二階氏はどうなる

二階氏はどうなる

 つい最近まで「自民党の最高実力者」と呼ばれて権勢をふるった二階俊博・前幹事長が、総裁選の負け戦と岸田内閣の発足で権力の座から真っ逆さまに転落した。

「次の衆院選に私が立候補するのは当たり前のことだ」──二階氏は総裁選後の10月2日、地元・和歌山で報道陣にそう語って引退を否定した。だが、二階氏の“衆院選出馬”がニュースになるほど、自民党内には依然として引退説が根強い。

「二階さんは82歳、年齢的にみても復権は難しい。選挙準備だけしておいて、総選挙直前に体調を理由に引退を表明、急遽、後継者の三男を出馬させるのではないか」(細田派幹部)との見方もあるほどだ。

 これまでポスト面で“我が世の春”を謳歌してきた二階派は、総裁選の対応で河野支持、高市支持、野田支持に割れた挙げ句、大きな亀裂が入って分裂の危機にある。二階氏が派内でも威信低下を露呈したのは、総裁選前日の同派会合だった。

「対応したくない人は(派閥を)出て行ってもらうよりしょうがないね。ちょっと愚問じゃないかな、こういうプロの世界では」

 そう語って派閥の対応一本化に強い決意を示したものの、河野支持派と高市―岸田連合支持派が反目してまとまらない。その結果、総裁選本番では“二階切り”を掲げて出馬した政敵の岸田文雄氏に二階派からもかなりの票が流れたとみられている。子分たちが勝ち馬に乗ろうと寝返ったのだ。

 岸田内閣の組閣を見ても、二階派から入閣した山口壮・環境相と小林鷹之・経済安全保障担当相はいずれも高市氏の推薦人。「決戦投票で二階派が河野太郎氏に一本化することを防いだ論功行賞」(同前)と見られている。

 二階派ベテラン議員が語る。

「二階さんを支え続けた林幹雄(前幹事長代行)さんくらいは今回の人事で処遇されてもよかったのに、入閣したのは岸田―高市連合に走った2人だけ。二階さんの意向は全く配慮されなかった」

 派閥領袖の力は子分の議員に「ポスト」を配分することで保たれる。総裁選で派内を切り崩され、ポスト配分権も失った二階氏にはもはや派閥を維持する力さえ残っていない。

 注目したいのは二階派の跡目をめぐる動きだ。党内では“負け組派閥の後継者問題など些事”と関心が薄いようだが、ことの成り行き次第では自民党に再び波乱が起きる呼び水になるかもしれない。

 二階派の有力な後継者候補の1人が武田良太氏。防災相、総務相を歴任したことで急速に力をつけ、派内で頭角を現わした。総裁選ではまず石破茂氏擁立に動き、石破氏が出馬断念すると河野支持に転じて負け組となったものの、若手に一定の支持がある。

「武田に近い若手議員たちは、派閥を草刈り場にされないために武田を総裁選に担ぎ出そうとしたが、世代交代を怖れた二階会長が野田聖子に推薦人を貸したためにうまくいかなかった。だが、その二階会長は力を失い、重鎮として支えていた最高顧問の伊吹文明(元衆院議長)さんも引退する。いまや派内はバラバラで、このままでは空中分解に向かう。二階会長が派閥を譲らないのであれば、武田は中堅若手を引き連れて派閥を割る決断をするのではないか」(同派中堅)

関連キーワード

関連記事

トピックス

店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン