河野太郎一覧

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河野太郎氏 菅前首相の勉強会に参加意思も「結束が乱れる」と懸念の声
河野太郎氏 菅前首相の勉強会に参加意思も「結束が乱れる」と懸念の声
 菅義偉・前首相を中心として自民党内の「非主流派」を派閥横断的に束ねる勉強会をめぐり、立ち上げに向けた動きが活発化している。4月6日には二階派の武田良太・前総務大臣と、2月に麻生派を退会した佐藤勉・前総務会長らが都内で会談し、勉強会立ち上げに向けた方針を確認し合ったという。 勉強会には菅氏を支える無派閥グループのほか、二階派、森山派、石破グループの議員が参加する見通しだが、最大の目玉は菅氏が総裁選で推した河野太郎・広報本部長の存在だ。かねて参加が取り沙汰されていた河野氏だが、4月8日の記者会見で「声が掛かったら参加する」との意向を示した。 この参加表明には相当の覚悟が必要だったはずだと、ベテラン政治ジャーナリストは言う。「河野氏は現在、主流派の一角を占める麻生派に属しています。勉強会というのは名目で、非主流派を結集させるグループ結成への動きであることは明らかですから、ここに河野氏が参加することを、麻生太郎・副総裁が快く思うわけがありません。まして仕切り役になっているのは麻生派を飛び出した佐藤氏ですから、これは将来の派閥離脱を見据えた動き、つまり麻生氏との事実上の決別宣言だと捉えるのが自然でしょう。 一方、菅氏は河野氏の参加を待ち望んでいたことでしょう。総裁選で河野氏を担いだ菅氏は、敗れたものの依然として河野氏を買っており、先日出演したインターネット番組でも『愚直で度胸がある』として将来の総理候補と評価していました。 菅氏の狙いは自らがもう一度上に立つことではなく、あくまでキングメーカーとして河野氏を総理に育てるつもりではないかとみられています」 だが、菅氏による河野氏への肩入れは、周囲との“距離”も生んでいる。菅側近のひとりは語る。「われわれはあくまで菅さんをもう一度盛り立てるために集まるわけであって、河野さんを担ぐためではありません。そもそも菅さんと周囲の間では、河野さんの評価をめぐって隔たりがある。菅さんは河野さんの愚直さや度胸を評価しますが、言い換えれば独断専行で人の言うことを聞かず、人望に欠ける部分があるということ。総裁選で敗れた原因はそこにあるのではないでしょうか。 河野さんが参加することは有り難いですが、彼がトップになるということであれば話は別。参加者の間では、菅さんがもう一度立つつもりがないなら、二階派の武田さんを総理候補として育てるべきという声もある。菅さんが河野さんを最初から推すようだと、グループ自体の結束が乱れる懸念があります」 河野氏という劇薬はどのような副作用をもたらすのか。
2022.04.11 16:00
NEWSポストセブン
菅政権を亀井静香氏、山崎拓氏、藤井裕久氏が分析(時事通信フォト)
菅義偉前首相、グループ結成機運に「まるで『鎌倉殿の13人』」との指摘
 かねてグループ結成が噂されていた菅義偉・前首相が、ついに動き出した。月内にも自身に近い自民党所属の無派閥議員約30人を中心に勉強会を立ち上げる予定であることが報じられたのだ。当面はグループ化はせず緩やかな政策集団として活動していくとのことだが、周囲は菅氏の再始動に浮き足立っている。ベテラン政治ジャーナリストは言う。「勉強会には、二階派の武田良太氏が参加予定とされています。武田氏は菅内閣で総務大臣を務め、将来の首相候補とも目されている二階派のエース。当然、勉強会の参加にあたっては二階氏の了承を得ているはずで、二階氏が菅氏といまも気脈を通じている証です。 もうひとりのキーマンは2月に麻生派を退会したばかりの佐藤勉氏です。菅グループ結集の旗振り役となっている佐藤氏は、2月半ばに二階派副会長の林幹雄氏、森山派会長の森山裕氏と会談しており、二階派(44人)に加え森山派(7人)もこの流れに追随する可能性が高い。無派閥議員を含めれば、すでにこの時点で80人規模になり、安倍派(94人)に次ぐ巨大グループとなります。岸田文雄・首相や麻生太郎・副総裁はこの流れを警戒し、主流派の結束を固めようと必死になっています」 3月9日、岸田派(45人)、麻生派(49人)と谷垣禎一・元総裁を中心とするグループ「有隣会」(約25人)の3派でそれぞれ事務総長を務める根本匠、森英介、小里泰弘の3議員が会食したことが報じられた。3勢力が連携して岸田氏を支える方針を確認したとのことだが、菅グループの動きを意識したものとされる。「宏池会から枝分かれした3派が再結集する『大宏池会』への布石とみられています。岸田氏や麻生氏も前のめりになっていますが、大宏池会をめぐっては、実現すると最大派閥から追い落とされることになる安倍晋三・元首相が快く思っていないようです。安倍氏は、現政権で安倍政権時代からの方針転換が目立つことにも不満を募らせており、菅氏が岸田氏の対抗勢力となることについては容認の構えだと言われています。 今後の焦点としては、菅氏が総裁選で支援した河野太郎氏が麻生派を退会し、このグループに結集してくるかどうかです。最近のワクチン行政の混乱により、菅氏ととともにワクチン担当相だった河野氏も再評価されつつある。その河野氏が動けば、麻生派内で河野氏を応援した議員らもこぞって追随する可能性もあり、そうなれば麻生派は総崩れになりかねません」(同前)北条義偉と河野頼朝 菅氏に近い政界関係者は、菅氏、河野氏に小泉進次郎氏を加えた中核となる3人が神奈川県選出であることから、今後の動きをNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』になぞらえる。「もし河野氏が動けば、菅氏は河野氏をグループのトップに据えるかもしれません。菅氏は首相時代の苦い経験から、『自分は表に立つ顔ではない』との思いがあり、3代続く政界サラブレッドの河野氏こそ“顔”に相応しいと考えているはず。進次郎氏も含めた3人は先の総裁選で一敗地に塗れましたが、虎視眈々と岸田氏へのリベンジ戦へ挑むチャンスを窺っているのではないでしょうか。『鎌倉殿の13人』に置き換えれば、菅氏は北条氏の立場で、河野氏を源頼朝のように大将として担ぐということ。今の自民党内には、平家よろしく栄華を極める岸田氏と宏池会への不満がマグマのように溜まりつつある。菅氏はそれが噴出する瞬間をじっくり見極めるつもりで、そのためにも『今はまだグループ結集の時期ではない』と慎重を期しているのです。 ちなみに、メディアでは菅氏が石破茂氏に『秋波を送っている』と報じられましたが、あれはむしろ逆のはず。石破氏が菅氏を利用してもう一度、表舞台に立とうとしているのが実態ではないでしょうか」 それぞれの思惑が入り乱れるあたり、永田町は『鎌倉殿』に負けず劣らず、生き馬の目を抜く世界である。
2022.03.13 16:00
NEWSポストセブン
河野太郎規制改革担当相が試食した代替肉を使った料理
市場規模が拡大する代替肉 “肉よりヘルシー”な新たな食文化の落とし穴
 市場規模が拡大し、バリエーション豊富な商品が次々に開発されている「代替肉」食品は、「肉よりヘルシー」と人気が上昇中だ。しかし、新たな食文化の裏側には、必ず落とし穴がある。“第4の肉”とも呼ばれる代替肉を食卓でどのように扱うべきか参考にしてほしい。「大豆ミート」と書かれた食品をスーパーやレストランなどで目にする機会が増えた。モスバーガーやドトールコーヒーでは大豆由来のパティを使ったハンバーガーが販売され、コンビニでも大豆ミートのパスタや総菜が並ぶ。多くの飲食チェーン店で続々と大豆ミート商品が開発されており、もはや珍しいものではなくなりつつある。 日本能率協会総合研究所の調査によると、2019年に15億円だった大豆ミートの国内市場規模は右肩上がりで、2025年度には40億円に達する見通しだという。 牛や豚、鶏など家畜の肉を使わず作った肉のことを「代替肉(フェイクミート)」と呼ぶ。動物の細胞を培養して作る「培養肉」も代替肉の一種だが、まだ試験段階であり市場販売には至っておらず、現在は植物由来の食品を使って肉を作る「プラントベース・ミート」が主流だ。 アメリカでは、マクドナルド、ケンタッキー・フライド・チキン、スターバックス、バーガーキングなどの大手チェーン店が代替肉ブームを牽引し、イギリスの銀行が2019年に出した試算では、10年以内に世界で販売される肉の約10%が代替肉になると予想される。 なぜこれほど、世界で代替肉が広まっているのか。農林水産省によると、世界の人口増加による家畜肉不足への懸念、自然環境への配慮や動物愛護、欧米人の健康志向の高まり、さらに食品技術の向上による代替肉の味の改良などがある。実際に代替肉を食べてみると、食肉との違いに気づかないほど再現度が高い商品も多い。 日本では昨年6月、政府が脱炭素社会実現のために代替肉を「食の一つの選択肢」として初めて取り上げ、本格的に注目を集めるようになった。代替肉を取り入れることが、どうして脱炭素社会の実現につながるのか。食品問題評論家の垣田達哉さんが解説する。「4つの胃がある牛は、ゲップによって温暖化ガスのメタンを放出します。当然、家畜の飼料の生産や輸送でも二酸化炭素が排出される。そのため、牛肉の代わりに代替肉を食べれば、牛の飼育頭数が減ってメタンの排出量も減少すると考えられているのです」 だが垣田さんは、必ずしも代替肉が脱炭素につながるとは言い切れないと疑問を投げかける。「現在、大豆の生産量が世界1位のブラジルでは、森林を伐採して大豆の生産が行われています。大豆ブームが始まっている東南アジアでも、今後、森林伐採が行われる恐れがある。これでは本末転倒です。また、大豆の生産量が少ない日本は、輸入大豆に頼らざるを得ない。船で大量の大豆を運搬すれば、当然、二酸化炭素も排出されます」(垣田さん) 代替肉にすれば単純に解決するとは言い難い問題だ。大豆イソフラボンの過剰摂取で乳がんに 代替肉の主な原料である大豆は、日本人にとってなじみ深い食材だ。しかし、世界的に見ると大豆を日常的に食べる国は珍しく、多くの国では、大豆は家畜の餌や燃料として用いられている。こくらクリニック院長の渡辺信幸さんが言う。「日本では1871(明治4)年まで約1200年にわたって、肉食が禁止されてきた歴史があります。さらに第二次世界大戦中は、肉食を含めた多くの欧米文化が禁止されていました。日常的に肉を食べずに、大豆からたんぱく質を摂取していた食生活の名残が現在も続いているのです」 豆腐、納豆、みそ、豆乳など、日本人はすでに大豆を豊富に摂取している。さらにそこへ、肉を大豆ミートに置き換えると、大豆イソフラボンの過剰摂取になりかねない。「大豆イソフラボンは『植物エストロゲン』ともいわれ、女性ホルモン類似の物質です。食品安全委員会によると、乳がんの発症や再発リスクを高める可能性があると報告されている。また、生殖機能が未発達な小児・乳幼児に対しては、大豆イソフラボンの摂取は推奨されていません」(渡辺さん) 垣田さんも言う。「世界では大豆イソフラボンによる乳がんリスクは問題視されていない。それは安全を示すのではなく、日本ほど大豆を消費している国がほかにないため論じられていないだけです」 なお、朝食に納豆1パックと豆腐のみそ汁を食べたら、1日分の大豆イソフラボンをほぼ摂取している。さらに、代替肉には、食の安全に疑問が残る「遺伝子組み換え大豆」の問題もある。「世界では遺伝子組み換え大豆の生産が増えており、総栽培面積の8割を占めています。輸入大豆はほとんどが遺伝子組み換えだと考えても間違いではない。今後、流通が拡大する大豆ミートに、遺伝子組み換えではない大豆が使用されることはかなり難しいでしょう」(垣田さん・以下同) フランス・カン大学の研究チームが行った実験によると、遺伝子組み換えのコーンを食べ続けたマウスは、非遺伝子組み換えのコーンを食べ続けたマウスと比べ、約2倍もがんの発生率が上がり、早死にすることがわかった。「輸入大豆では、収穫後に劣化、腐食を防ぐために使われるポストハーベスト農薬の問題もある。がんの原因になることが指摘されています」 積極的に食べるべきか、検討が必要だ。炭水化物の摂りすぎになる いま、日本で代替肉といえば「大豆ミート」のことだが、アメリカのマクドナルドでは、昨年11月から一部の店舗で「マックプラント」と呼ばれる「牛肉レス」のハンバーガーが試験的に販売されている。ハンバーグの代わりにバンズに挟まれているのは、えんどう豆、米、じゃがいもなどから作られたパティだ。このように大豆以外の穀物を使った代替肉が普及すれば、大豆の過剰摂取リスクは解決する。しかし今度は炭水化物を二重に食べることになり、栄養不足や肥満のリスクが浮上する。「普段の食事が脂質によるカロリーオーバーで肥満の人なら、代替肉にすることはヘルシーかもしれません。しかし、普通の人は代替肉にするとカロリーが不足する。足りないカロリーを補うためにご飯やパンを食べると、糖質の摂りすぎになってしまいます」 渡辺さんは、そもそも豆が主原料の代替肉を、肉の代用品と考えるべきではないと指摘する。「よく『良質なたんぱく質を摂りましょう』と言いますが、たんぱく質とは『動物性たんぱく質』のことだと厚生労働省も示しています。たんぱく質の栄養価を示す『アミノ酸スコア』というものがありますが、スコア値が高く、バランスがいいのは肉やチーズ、卵などの動物性たんぱく質であり、植物性たんぱく質はスコアが完全ではない。種類にもよりますが、豆は炭水化物も豊富に含んでいます」 現在、食品メーカーでは競うように代替肉の商品開発が進んでいる。環境への配慮から代替肉を選ぶことは素晴らしい心がけだが、問題は「代替肉の方がヘルシー」という風潮だ。安易に流されてはいけない。※女性セブン2022年3月17日号
2022.03.05 16:00
女性セブン
父の作った派閥を離れる可能性も(河野太郎氏。時事通信フォト)
河野太郎氏が若手引き連れ「麻生派離脱」の可能性 派閥解体の危機も
 自民党で安倍派に次ぐ勢力の第2派閥・麻生派が分裂の危機にある。「河野太郎氏の動き次第では一気に解体に向かうかもしれない」(自民党ベテラン)と注目されているのだ。 きっかけは同派会長代理の佐藤勉・前総務会長が仲間を連れて「退会へ」と報じられたことだ。佐藤氏は5年前に旧谷垣グループから仲間6人で麻生派に合流したいわば外様組。菅義偉・前首相とも近く、菅内閣では総務会長として重用されたが、岸田内閣に交代すると一転、無役となった。佐藤氏と親交がある議員が語る。「佐藤さんは麻生会長が自分の反対を押し切ってコロナ禍の銀座通いで落選した側近の松本純氏を派閥に戻し、副総裁特別補佐に起用したことや、旧谷垣グループ時代から佐藤さんと関係が悪かった岸田首相側近の遠藤利明・選対委員長と接近していることに“ないがしろにされている”と不満を強めていた。派閥離脱の気持ちは固いようだ。何人ついていくかだ」 同派会長の麻生太郎・副総裁がいまや岸田政権を支える「後見人」的な立場なのに対し、佐藤氏は1月下旬に岸田首相のライバルの菅氏と会談して派閥離脱の意向を打ち明けたとされ、その後も、2月15日には二階派の林幹雄・副会長や森山派の森山裕・総務会長代行など岸田首相と距離を置く有力者と相次いで会談するなど、麻生氏とはっきり路線を違えている。「菅氏は周囲から派閥結成を求められている。佐藤氏もその1人で、菅派が旗揚げすれば参加するつもりではないか」(自民党ベテラン)との見方が強い。麻生派の勢力は昨年の総選挙を経て現在の勢力は衆参53人だが、佐藤氏らが離脱すると茂木派に抜かれて第3派閥に転落する。 だが、この動き、それだけでは終わりそうにない。というのも、麻生派は第2派閥とはいえ、急増の寄り合い所帯で決して結束が固いとはいえないからだ。 麻生氏が河野太郎氏の父・洋平氏(元衆院議長、元自民党総裁)から派閥を継いだ時、河野派(大勇会)の所属議員はわずか11人、それに麻生側近の無派閥議員4人が合流して麻生派(為公会)は15人の弱小派閥としてスタートした。その後、安倍政権下で副総理となった麻生氏は次第に派閥勢力を増やし、2017年に他の3グループを吸収して一気に拡大した。 同年2月に旧山崎派を脱会していた甘利明・前幹事長ら5人が合流、同年5月には山東派(山東昭子会長。11人)と旧谷垣グループを離脱した佐藤氏らの天元会(6人)が合流、この合併で所属議員39人の第5派閥から約60人の第2派閥へと膨れ上がり、派閥の名前も「為公会」から「志公会」へと改めている。麻生派プロパー議員はこう話す。「派閥の名前を変えたのは、合流組が麻生派に加わることをよしとしなかったから。一緒に新しい派閥を結成するという形でなんとか納得させた」 寄り合い所帯をまとめるために、会長の麻生氏は会長代理に麻生派プロパーの森英介・元法相、佐藤グループ(天元会)の佐藤・前総務会長、甘利グループの田中和穂・元復興相、旧山東派の江渡聡徳・元防衛相と各グループから1人ずつ出して均衡を取ってきたが、麻生氏の古くからの側近グループと甘利氏、佐藤氏、旧山東派議員はそれぞれ仲が良くない。 佐藤氏の動きが“蟻の一穴”となって、麻生派の亀裂が表面化し、混乱に陥る可能性がある。そのキーマンは河野太郎氏だ。 派閥の創設者(河野洋平氏)の長男である河野氏は「麻生派の後継者」と見られているが、昨年の総裁選で麻生氏は当初、河野氏の出馬を“まだ早い”と止め、河野氏の決意が固いと分かると出馬を容認したものの、派内の大勢は岸田首相支持に回った。 あのとき、麻生派内で若手とともに河野支援に回ったのが、今回退会する佐藤氏である。麻生氏は現在81歳、派内では後継者問題がクローズアップされているが、すんなり「河野後継」とはなりそうにない。麻生派OB議員はこう見る。「麻生さんは洋平さんから派閥を譲ってもらった2代目オーナーではなく、自分の力で弱小だった派閥をここまで大きくしたという強い自負を持っている。『創始者はオレだ』と。だから必ずしも河野さんに大政奉還しなければならないとは思っていない。引退後の派閥会長は義弟(妹婿)の鈴木俊一・財務相に譲ることを考えている」 河野氏にすれば、このまま派閥にいても“部屋住み”の立場を余儀なくされそうなのだ。そのうえ、派内の親河野勢力だった佐藤グループが離脱すれば、ますます派内に居づらくなるのは間違いない。河野支持派の二階派有力議員が語る。「佐藤さんの動きは、河野氏にも決断を迫ることになる。次の首相を狙うなら、麻生さんに派閥の代替わりを要求し、会長職を譲ってもらうか。断わられたときは見切りをつけて若手を連れて派を割る覚悟がいる」 佐藤グループに続いて河野氏も若手を引き連れて麻生派を出るとなれば、同派は文字通り解体への道を進むことになりかねない。
2022.02.22 16:00
NEWSポストセブン
政府の広報動画に出演する堀内詔子氏(左は河野太郎・前ワクチン担当相/時事通信フォト)
堀内詔子ワクチン相“岸田派のプリンセス”はコロナ失政のスケープゴートになるのか
 コロナ行政の舵取りをするはずのワクチン担当大臣が、“とても使い物にならぬ”と除け者扱いに。それでうまくいくならまだしも、3回目接種は遅々として進まず、徐々に政権批判が高まりつつある──。 ワクチン担当相には厚労、総務、防衛、経産の各省や自治体にまたがる縦割り行政を抑え込んでワクチン配分や接種体制を調整する政治力が必要で、経験が浅い堀内詔子氏にはそもそも荷が重かった。国会答弁に立てばフリーズしてしまい、岸田首相や後藤茂之厚労相が代わりに答弁する場面が続いている。 元時事通信政治部長で政治ジャーナリストの泉宏氏は、岸田首相の「油断」を指摘する。「最大の失敗は岸田総理が五輪相の堀内氏にわざわざワクチン担当を兼務させたことです。総理自身、堀内氏にワクチン担当の能力があると考えていたかどうかは怪しい。というのも臨時国会では質問の多くに総理か後藤厚労相が手を上げて答弁していたからです。 おそらく岸田氏は総理に就任した時点で、第6波がこんなに早く拡大するとは思っていなかったんでしょう。甘い見通しで人選を誤り、今日の事態を招いてしまった」 それだけではない。「前任者の河野太郎・前ワクチン担当相は行革相と規制改革担当の内閣府特命担当大臣を兼務し、法律上も各省庁に睨みが利く強い権限が与えられていたが、堀内氏は行革相でも特命担当大臣でもない。ワクチン担当の辞令だけで実質的な権限はない」(官邸スタッフ) これでは役人が言うことを聞くはずがない。その証拠に、堀内氏が就任するや役人たちは河野時代のワクチン接種推進組織を潰していた。前任の河野氏はツイッター(2月5日)で岸田政権のワクチン行政の内実をこう暴露している。〈堀内大臣のことをいろいろ言う人がいるが…私の時と比べてワクチンチームの人数が激減。私の時はチームは大臣室の隣にいたけれど、今は隣の建物の地下。厚労省が情報を出さない。最終的な決定権がない〉 堀内氏に権限を与えずに“みそっかす大臣”に追いやったのは岸田首相その人だったのである。「政敵」河野が復活 その岸田首相の失態が自民党内に新たな波乱を呼び起こしている。「堀内詔子ワクチン大臣チームの強化へ」 2月8日、自民党公式HPにそんな見出しで異例の告知がアップされた。〈河野太郎前大臣時代に大臣を支えたメンバーが再びワクチンチームに異動するとともに、ワクチンチームの部屋も堀内大臣室の近くに移動します〉“お飾り大臣”の堀内氏はワクチンチームの縮小や地下室に追いやられていたことを知らなかった。河野氏の暴露をきっかけに国会で追及され、岸田首相は慌ててチーム強化に乗り出さざるを得なくなったのである。 この告知は党広報本部長の河野氏がテコ入れしている機関誌「自由民主」ネット版記事の抜粋で、内容は岸田内閣の不手際を批判し、河野氏の“手柄話”に読める。 政府が2月からスタートさせた追加接種推進を呼びかける広報動画にも、堀内氏とともに河野氏が出演した。岸田首相がワクチン無策で批判される中、「政敵」の河野氏が出番を増やしている。 そんな中で河野チームを復活させ、名誉挽回をはかる堀内氏に「運命の日」が近づいている。 五輪相の任期は法律で3月末までと定められ、現在20人の大臣定員は19人に減らされる。堀内氏はクビの危機なのだ。「内閣法で3月31日までで大臣の定員が1人減ることになっています。(五輪担当大臣がなくなると言われていることについては)制度上は(どの大臣を減らすかは)総理のご判断次第です」(内閣官房オリパラ事務局) 堀内氏がワクチン担当相として活躍していれば、“いま大臣をやめさせるわけにはいかない”と残し、かわりに他の大臣をクビにする選択もあったかもしれないが、現状を考えると、むしろ岸田首相は堀内氏に全責任を負わせて辞任させる可能性が高い。 そうなれば「岸田派のプリンセス」は岸田首相のコロナ失政のスケープゴートにされる。※週刊ポスト2022年3月4日号
2022.02.19 16:00
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 「マスク無菌生活」の大弊害ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「マスク無菌生活」の大弊害ほか
 2月18日発売の「週刊ポスト」は、ようやくコロナ第6波のピークアウトが見えてきた日本と、オリンピック&国際情勢がキナ臭い世界の「いま」を掘り下げるスペシャル特大号。袋とじとオールカラーグラビアでは、北京五輪の光と影やスポーツ、健康、セクシー情報を満載、ニュースページでは政治、経済、社会、芸能の特報をお伝えします。今週の見どころ読みどころ◆感染症の権威が警告「7月以降はマスクを外したほうがいい」浜松医療センターで感染症管理特別顧問を務める矢野邦夫・医師は、依然として第6波が猛威をふるうなか、あえて「今のうちに脱マスクを考えておかなければいけない」と警鐘を鳴らす。あまりにも感染症「ゼロリスク」を意識すると、幼少期に「感染しておいたほうがいい病原体」に触れる機会を失い、将来的に様々な病気で重症者や先天性異常を増やす危険があるという。また、弱毒化したオミクロン株より熱中症のほうがリスクは大きいとして、夏になる前に段階的に「ノーマスク生活」に舵を切るべきだと提言した。◆前任・河野太郎も同情する堀内ワクチン相「みそっかす」の機能停止第5波と第6波の間に対策を怠った岸田内閣の責任は重い。なにより、コロナの緊急事態を甘く見てワクチン相を河野太郎氏から“お友達”の堀内詔子氏にすげ替えたことが現在のブースター接種遅れの遠因になった。その堀内氏は国会答弁でもしどろもどろ、ニュースでもほとんど顔を見ない「みそっかす大臣」になってしまった。その裏には堀内氏をナメまくって報告も協力もしない厚労官僚のサボりがあり、それを放置している岸田首相のリーダーシップ欠如があった。クビになった河野氏さえ、ツイッターで同情の弁をつぶやいた。◆<スクープ>センバツ甲子園「疑惑の落選」の責任者がついに口を開いた!高校野球センバツ大会で、東海大会準優勝を果たしながら静岡の聖隷クリストファー高校が落選した問題が波紋を広げている。「聖隷を追加で選んで今年は33校で戦うのが唯一の解決策」と主張して取材を続けたきたジャーナリスト・柳川悠二氏が、ついに疑惑の裁定の最高責任者である東海地区選考委員長・鬼嶋一司氏の直接取材に成功した。鬼嶋氏はなんと答えたか――。◆「元祖」が驚きの指摘 藤井聡太・五冠は「ひふみんアイ」で強くなった!?史上最年少で五冠を達成した藤井聡太の強さの秘密はさまざま指摘されているが、かつて名人位にあった加藤一二三・九段が本誌でユニークな分析を披露した。藤井五冠は同氏が編み出したという「ひみふんアイ」を駆使して強くなったというのだ。どんな戦法なのか。◆楽天マー君は「恋女房」と別れてチームメイトに溶け込んだ楽天キャンプでは、昨年とは違う光景が見られる。日本球界に復帰した昨年は単独行動が目立っていた田中将大がチームの輪の中心に入り、若手から絶大な信頼を得ているという。実はその背景に、メジャーにも同行して一緒に帰国した「恋女房」とも呼べる球団スタッフとの突然の別れがあった。◆<キャンプの現場撮>プロ野球「あのヘンな特訓器具」が気になる!普段はなかなか目にすることのないプロ野球選手の練習風景が見られるのは、春季キャンプが行われている2月の楽しみだ。新庄ビッグボスの指導を受ける清宮幸太郎が使っていたグリップが2本に分かれた「シークエンスバット」はSNSでも話題になったが、それ以外にも鬼のこん棒のような「RMT Club」や、やり投げを思わせる投球練習器具「フレーチャ」など、実際にプロが使用しているユニークな練習器具をカラーグラビアで一挙紹介。◆ビートたけし「石原慎太郎さんには行動でアメリカをビビらせてほしかったよ」たけしが、本誌で対談したこともある石原氏への追悼を寄せた。二人で交わした激論をなつかしく回想しつつ、「もっと有言実行であってほしかった」と厳しい評価も下した。中国やアメリカに歯に衣着せぬ苦言を呈していたことに触れ、「米国やらを本気でビビらせるような行動をもっと取ってほしかった」と悔しがった。◆それでも羽生結弦ファンの熱狂的「ゆづ活」は止まらない五輪3連覇を逃し、「引退」も囁かれる羽生結弦だが、ファンの熱狂はいささかも冷めることがない。「観戦費用は年間200万円」「聖地巡礼」「持ち物を特定」「ゆづの試合日はカレー」など、その驚くべき生態に迫った。◆手嶋隆一vs富坂聡「いっそ中国をTPPに取り込んで足かせをはめよ」外交ジャーナリストの手嶋氏とジャーナリストで拓殖大学教授の富坂氏が緊急対談し、世界秩序のリスクとなっている中国とどう向き合うべきかを論じた。二人は、中国の強権主義に警鐘を鳴らしつつ、だからといって中国を世界経済から隔離することは不可能だから、いっそ日本が主導するTPPに取り込み、日本に有利な条件を呑ませて足かせをはめるのが得策だと提唱した。◆東大女子学生3人があけすけ鼎談「私たちパパ活で年収1500万円です」本誌前号では、エロ動画投稿で小遣い稼ぎをする現役女子東大生が登場して大きな反響を呼んだが、今回は高齢男性との「お付き合い」で「お手当」を稼ぐ女子東大生3人が鼎談した。そのうちの一人は「始めた最初の年から1500万円も稼いでしまった」と告白し、3人ともまるで悪びれずにパパ活のノウハウを明かした。「大学名を明かすと2万円上乗せできる」「学生証に『ぶっかけたい』というパパもいた」「普通の交際はもうできないかも」と、学歴の頂点に立つ女性たちは告白した。◆セレブたちが証言「私は脊柱管狭窄症とこうして闘った」いまや国民病となっている脊柱管狭窄症は、コロナ禍で座りっぱなしの生活が増えてますます深刻な社会問題になりつつある。この病気と闘ってきた著名人たちが、その苦しみをどうやって克服してきたかを証言した。水前寺清子、藤波辰爾、宮川大助、布施博、鳥越俊太郎ら9人の体験から見えてきたものとは――。◆<カラー図解>ひざ、股関節の痛みが消える「1分体操」中高年の多くが悩むひざ痛、股関節痛は「歳のせい」ではあるものの、ちょっとした生活改善やトレーニングで軽減することができる。ひざ痛におすすめの1分体操では、どんな症状かによって4つのタイプ、股関節痛では3つのタイプ別に異なるメニューを紹介する。◆<巻頭12ページ特集>団塊世代がまるっと後期高齢者になる2025年に起きること政治、行政、経済の世界で注視される「2025年問題」で日本社会はどう変わるのか。この20年あまりで75歳以上の後期高齢者は4倍にも増えた。年金は維持できるのか、労働力は確保できるのか、「多死社会」で逼迫する医療、介護、高齢者施設、火葬場はどうやってまかなうのか。自律心が強く自己主張も強い団塊世代の特徴もあいまって、この問題は日本の将来を大きく左右する。※全国の書店、コンビニで絶賛発売中!
2022.02.18 07:00
NEWSポストセブン
河野太郎氏、内藤佐和子・徳島市長ら4人が選んだ「2021年の3冊」
河野太郎氏、内藤佐和子・徳島市長ら4人が選んだ「2021年の3冊」
 外出自粛を余儀なくされた2021年は、本を手に取る機会も多かったはず。社会で活躍するかたがたはどんな本を読んだのでしょうか? 「私が選ぶ2021年の3冊」を聞いてみました。●河野太郎さん(衆議院議員)/2021年は新型コロナウイルスのワクチン接種の推進に尽力『捏造された聖書』/バート・D・アーマン 訳・松田和也/柏書房 キリスト教の聖典である新約聖書は、最初に書かれたものから、時代の移り変わりや教義の変遷と共に書き換えられてきたのだということを、具体的な例を挙げながら、わかりやすく解説してくれます。推理小説のような面白さを味わうことができます。『アンゲラ・メルケル 東ドイツの物理学者がヨーロッパの母になるまで』/マリオン・ヴァン・ランテルゲム 清水珠代・訳/東京書籍『The Fountainhead』/Ayn Rand/Signet●斎藤幸平さん (経済思想家)/『人新世の「資本論」』が40万部を突破!『サステイナブルに暮らしたい 地球とつながる自由な生き方』/服部雄一郎・服部麻子/アノニマ・スタジオ 服部さん夫妻は、エコな生活をする際の師匠みたいな存在。けれども、これまでの本は修業みたいにレベルが高い(笑い)。その点、この本は服部さんたちの実際の暮らしに落とし込まれていて、自分の生活を見直すヒントに溢れている。『監視資本主義 ─人類の未来を賭けた闘い』/ショシャナ・ズボフ 野中香方子・訳/東洋経済新報社『世界を動かす変革の力 ブラック・ライブズ・マター 共同代表からのメッセージ』/アリシア・ガーザ 人権学習コレクティブ・監訳/明石書店●内藤佐和子さん(徳島市長)/史上最年少の女性市長(当時36才)として注目『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』/鈴木忠平/文藝春秋 選手と監督がもたれあわない自立したチームで勝利を貪欲に求めていくこととファンの心を掴むことは必ずしも一致しない。選手やファンを引っ張るのは熱や情か、それとも揺るがない技術か。チームを動かす事例としても、読み物としても面白い良書。『まちづくり幻想 地域再生はなぜこれほど失敗するのか』/木下斉/SB新書『マイノリティデザイン 「弱さ」を生かせる社会をつくろう』/澤田智洋/ライツ社●山本健人さん(医師)/人体の仕組みをわかりやすく書いた『すばらしい人体』が大ヒット『関西人はなぜ阪急を別格だと思うのか』/伊原薫/交通新聞社新書 鉄道には明るくない私でも、あまりに面白くて夢中で読んだ。自らを阪急のファンと語る著者が、「阪急電鉄」というただ一つのテーマをマニアックに掘り下げていく。自分の大好きなものを、これほど上手に、楽しく分かりやすく語れる才能に憧れる。『認知バイアス 心に潜むふしぎな働き』/鈴木宏昭/ブルーバックス『AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争』/庭田杏珠、渡邉英徳/光文社新書※女性セブン2022年1月6・13日号
2021.12.24 07:00
女性セブン
選挙応援で各地を回っていた石破氏を直撃した(写真は相澤氏撮影)
「自民党は変わらなければ」森友問題の再調査を提言する石破茂を直撃
 10月31日の衆院総選挙を控え、各地では出馬候補による街頭演説や大物議員による応援遊説が活発化している。自民党が単独過半数を維持できるか微妙という情勢が報じられるなか、安倍晋三元首相や総裁選に出馬した高市早苗氏、河野太郎氏などが各地を飛び回り、総裁選出馬を見送った石破茂元幹事長も、本人のブログによると地元の鳥取1区のほか、北九州市や千葉市、みよし市など全国各地に赴くという。 そんななか、改めて石破氏の「森友問題は再調査すべき」との発言が注目を集めている。岸田文雄首相は森友学園問題を巡る財務省の決裁文書改ざんの説明に関して、「行政において調査が行なわれ、報告がしっかりなされていると認識している」と再調査に否定的な姿勢を示している。森友問題をスクープしたジャーナリストの相澤冬樹氏は自民党がフタをしようとする疑惑の追及を進言する石破氏の真意を探るべく本人を直撃した。 * * * 石破茂が街を歩けば、行きかう人々がさっと目を向ける。「あっ、石破さんだ!」 近づいてきて、コロナがあるから握手の代わりにこぶしを合わせるグータッチ。「写真いいですか?」と、スマホで記念にパチリ。「頑張ってください」と励ます。無役になっても人気は変わらない。その様子をそばで見ていて、僕は多少からかうつもりで声をかけた。「石破さん、すっごい人気がありますねえ」 すると石破はニコリともせず、厳しい表情で答えた。「国民に人気があっても、自民党内では人気がない。それが現実です」 確かにそうだ。石破は9月の総裁選で出馬を断念。小泉進次郎とともに河野太郎を支援し「小石河」連合と呼ばれた。党員票ではトップに立ったが議員票で逆転され敗北。その後の岸田政権では石破も石破派の議員も“干されて”いる。岸田政権の背後に元首相、安倍晋三がいることは誰しもわかる。その安倍が石破を嫌っているから、党内ではみな権力者に嫌われた石破を避ける。 10月23日、この日の取材は偶然の産物だった。僕は講演の仕事で千葉市に来ていた。講演を終えて「誰か選挙演説に来ていないかな?」と調べると、石破茂が千葉市内で集中して遊説に回っていることがわかった。「野党が頑張らないと自民党は良くならない」 石破は自民党総裁選の出馬断念の会見で、森友事件について「再調査すべきだ」と明言した。自民党ではみな安倍の顔色をうかがって再調査に否定的。総理総裁になった岸田も当初は前向きなことを言っていたのに途中で発言をくつがえした。岸田も菅義偉も安倍も、歴代総理はみな「調査は尽くした」と言うが、その調査報告書には公文書改ざんをさせられて赤木俊夫さんという財務省職員が命を絶った事実がまったく書かれていない。それで「調査を尽くした」と言えるのか? 自民党の大勢が“なかったこと”にしようとしている中、石破の「再調査すべき」の発言は重い。「よし、石破さんの演説をのぞきに行こう」 この時点ではまだ野次馬のつもりだった。 千葉市内の個人演説会場。室内には自民党支持者がびっしり詰めかけていた。選挙の応援演説だから、普通はまず野党を叩き、自民の候補を持ち上げる。石破の演説もその基本に沿っている。野党はなぜダメなのかを列挙し、自民の候補の取柄を強調する。だが、その先が少し違った。「野党の皆さんにはもうちょっと頑張ってもらわないと困るんです。野党が頑張らないと自民党が良くならないんですよ。自民党は変わらなければいけないんです」 よきライバルがいることで切磋琢磨し自分たちも成長していく。スポーツや勉学の世界でよく言われることだが、政治でも同じだろう。演説会が終わり、支持者たちとの記念撮影が一段落したところで、僕は石破に近づいた。「おや、来てくれてたの?」 以前から面識がある僕に声をかけてきた。「そうなんですよ。たまたまきょう、千葉市内で講演の仕事があったので寄ってみました。会場の反応がよかったですね」「皆さん、このままではいけないって感じていらっしゃるんですよ」 ここで僕は森友再調査の話題を出した。ヤフーニュースの「みんなの意見」というアンケート調査で、衆院選の最大のテーマは何か募集したところ、「森友問題の再調査」が3割を超えダントツとなっている。50万人近くが投票する中で、外交・安全保障や経済・成長戦略、コロナ対策をおさえての堂々の1位だ。すると石破は頷きながら答えた。「やはり皆さん、そう思われているんですね。こんなこと許しちゃいけないというのは与野党関係ないんです。不思議なのは野党ですよ。この問題に絞って追及しないんですよね」 選挙では多くの項目を列挙して訴えても普通の有権者にはなかなか届かない。森友再調査のようなわかりやすいテーマに絞って攻めてこそ、自民党もより良くなるのに、という指摘だった。街頭演説の「人の集まり」が違う 午後3時、場所をJRの駅前ロータリーに移して、いよいよ街頭演説だ。個人演説会とは違い、自民党支持者以外にも多くの方に語り掛けることになる。ここでどう語るかで演説の真価が問われる。大勢の人が集まる中、石破は選挙カーにのぼりマイクを握った。そこで石破はこう語った。「我々自民党は、もっと謙虚に、もっと誠実に。人間ですから間違うことはあるでしょう。間違えることがあったらきちんと責任を取る! 自由民主党はより誠実で、より謙虚で、より責任を問う、そうありたいと思っています」 冒頭から核心に迫っている。はっきり口に出していないけれど、これは「森友事件」のことを指している。森友学園に対する国有地の巨額値引き売却と、取引に関する公文書の改ざん。明らかに間違いだ。間違うことがあったら、責任者がきちんと責任を取るべきだ。裏を返すと、森友事件では誰もきちんと責任を取っていない。そう語っているように聞こえる。「私たちは、野党の悪口を言うのはもうやめたいと思います。野党の悪口言ったって自民党が良くなるわけでも何でもない。野党がダメなことはみんなわかってる。じゃあ自民党は一体どうなんだ? とおっしゃる方はいっぱいいます。何でこうなったんだろうか? その説明責任は果たすべきでしょう」 話がさらに踏み込んでいる。野党がダメだと自民党は言うが、その自民党は森友事件をはじめ数々の疑惑に答えないままだ。どの口が言うか! と思っている人は多い。事件はなぜこうなったのか? きちんと再調査した上で説明責任を果たすべきだと聞こえる。「法的責任がなくても、我々は政党である以上、国民の皆さま方に政治的責任も道義的責任も果たしていかねばならないでしょう。自由民主党の中から変えていかねばなりません」 そう訴え、最後は応援している候補を持ち上げて結びとした。実にうまい話し運びだ。候補について「保身のために言うことを変えたりはしません」と語ったのが、岸田への皮肉に聞こえるのは僕だけだろうか? 現場で交通整理にあたっていた自民党員がつぶやいた。「やっぱり石破さんは演説が上手だなあ。人の集まりが全然違う」 最後にこのエピソードをご紹介したい。石破が街頭演説会場に向かって路上を歩いている時、集まってくる人々の中にいた一人の女性が石破を見つめながら話しかけた。「石破さん、私ずっとあなたを応援していたんですよ。こんなことで終わってしまって、本当に残念です」 ここで言う「こんなこと」は9月の自民党総裁選のことを指すのだろう。だが僕は思わず横から口をはさんだ。「石破さんは、まだ終わってはいませんよ」 一呼吸おいて石破自身も表情を引き締めて答えた。「私は終わってはおりません。次を狙っています」 石破の決意表明は、どのような結果につながるのか。本来、国民の審判を仰ぐ総選挙という場でこそ、政治家は森友問題の解明をきちんと訴えるべきではないのか。(文中一部敬称略) ■取材・文/相澤冬樹(ジャーナリスト)
2021.10.29 07:00
NEWSポストセブン
(甘利明・自民党幹事長。時事通信フォト)
甘利明氏、自身の選挙が「思わぬ苦戦」で「河野太郎氏と幹事長交代説」も
 衆院選の投票日が10月31日に迫り、各党が支持拡大に奔走している。そんななか、読売新聞10月21日付朝刊が「自民減で単独過半数の攻防」と序盤の選挙情勢を報じると、記事を見た甘利明・自民党幹事長の周辺に動揺が走った。自民党の苦戦はもちろん、各選挙区の情勢では自身の選挙区でも接戦となっていることが分かったのだ。甘利氏が出馬する神奈川13区では、野党共闘で共産党が出馬を取り止め、立憲民主党新人の太栄志氏と一騎打ちとなった。同日付読売にはこうある。〈党幹事長の甘利と太がしのぎを削る。甘利は自民党支持層の約8割を固めたが、公明支持層の支持は5割半ばにとどまる。太は無党派層への浸透を図る〉 選挙情勢分析において「しのぎを削る」という表現はかなりの接戦を示しており、甘利氏が思わぬ苦戦を強いられているのは間違いない。自民党関係者は言う。「幹事長になったことで、改めて過去の金銭授受問題がクローズアップされたことがマイナスに働いている。公明党は当初、甘利氏を推薦から外し、第3次推薦でようやく入れたものの、公明支持層には正直受けがよくありません。 選挙を指揮する幹事長がこれだけ接戦状態にあるのは珍しく、甘利氏は相当焦っているようです。記事が出た10月21日に、甘利氏は遠藤利明・選対委員長との連名で『多くのわが党候補者が当落を争う極めて緊迫した状況だ』という『急告』の文書を各陣営に送りましたが、党内では『自分のことじゃないか』と冷ややかな声も上がっている。さすがに落選はないでしょうが、接戦の度合いによっては幹事長としての威信に傷が付き、今後の党運営にも影響が出かねません」 とりわけ影響が大きいのは自民党神奈川県連である。甘利氏は先の総裁選で、同じ麻生派で神奈川選出の河野太郎氏ではなく、岸田氏の支援に回った。そうして幹事長の座を射止めるとともに、神奈川選出で甘利氏の腹心とされる山際大志郎氏と田中和徳氏を、それぞれ経済再生相、幹事長代理という要職に就かせた。一方、敗れた河野氏は広報本部長に“降格”、河野氏を支援した菅義偉氏、小泉進次郎氏も無役となり、それまで神奈川県連の中枢を占めていた一派は揃って冷や飯を食わされることになった。 一躍、甘利氏が“神奈川のドン”となったわけだが、このままでは選挙後にその座も危うくなりかねない。河野、菅、小泉の3氏とも自身の選挙区では盤石で、河野氏の15区について読売は〈知名度抜群の河野が安定した戦い。他候補の応援で地元にはほとんど入らないが、支持基盤は揺るがない〉と報じており、甘利氏との差は歴然だ。神奈川県連関係者は言う。「応援演説でも、甘利氏より河野氏に来て欲しいという声が圧倒的です。2人は麻生派の跡目を争うライバル関係で、総裁選では明暗が分かれましたが、選挙後には“やはり顔としてふさわしいのは河野”と幹事長交代を求める声が上がるかもしれません」【表の見方】 289選挙区の当落予測は10月12日時点の情勢をもとに作成、10月15日に配信したものである。その時点から候補者が変わっている選挙区がある。初出時の掲載基準は以下の通り。原則として、公職選挙法に基づく政党要件を満たす政党が公表する各選挙区の支部長、公認予定・内定者、また無所属での立候補の可能性がある者を掲載した。現段階で党の支部長が決まっていないが、候補を立てれば当選の可能性がある場合、(未定)として枠を設けた。「現」は前回衆院選で同じ小選挙区で当選した議員、は比例当選の現職議員。本誌取材により、当選可能性が極めて低いとされる公認予定・内定者、無所属、諸派は掲載を見合わせた。 予想は当選する可能性が高い順に○→△→▲→無印で記した。/表中敬称略。 政党名は、自=自由民主党、公明=公明党、立憲=立憲民主党、共産=日本共産党、維新=日本維新の会、国民=国民民主党、社民=社会民主党。自民党現職議員の派閥は細=細田派、麻=麻生派、竹=竹下派、二=二階派、岸=岸田派、石=石原派、破=石破派、無=無派閥。
2021.10.24 17:00
NEWSポストセブン
佐藤ゆかり副大臣(左)と話す小泉進次郎環境相
小泉進次郎氏の「万歳三唱批判」に自民党関係者は「またか」の声
 衆議院が解散し、事実上選挙戦に突入した最初の週末である10月16日、応援のため兵庫県入りした小泉進次郎氏が永田町の風習に異を唱えた。衆院議長が解散を宣言した後に、本会議場で万歳三唱をする慣例を批判したのだ。「みなさん、万歳三唱をみましたか。解散のときにみんな、万歳を言うんです。なんで言うんですか? 国民のみなさんに大声を出すのをやめましょうと言っているじゃないですか。本会議場でなぜ、大声でばんざーいって言っているんですか」(日刊スポーツ10月16日付) 10月17日付日経新聞朝刊のコラムでは、コロナ以前から進次郎氏が「なんで万歳するんですか、わかりませんよね。だからしないんです」と疑問を呈していたことから、「惰性や前例主義の壁をどうぶち破るか」が課題だと紹介された。しかし、自民党関係者は、「いかにも進次郎氏らしい発言」だと呆れながら首を傾げた。「進次郎氏の発言はいつもそうです。レジ袋を有料化する際にも『辞退するのが当たり前の社会にしたい』と言ってレジ袋を欲しがる人=悪のイメージを植えつけました。自分の改革に賛同する人は未来志向、反対する人は守旧派だと見せたいのでしょう。たしかに万歳三唱は合理的でないかもしれませんが、この言い方では万歳している人たちにとって、『自分らがバカみたいと言いたいのか』と不満が出てしまう。正直『またか』という感じですね」 進次郎氏のこうした物言いが、党内での立場を悪くしているのは間違いない。河野太郎氏を担いで負けた9月の総裁選では、安倍晋三氏が実質オーナーを務める細田派を念頭に「最大派閥の方から高市(早苗)さんと岸田(文雄)さんを支持すると発言があったと聞き及んでいる。これは言い換えれば河野太郎は絶対だめだということ。そのこと1点をもってしても誰が自民党、日本を変えられる新しいリーダーかは明らかだ」と発言して党内の不興を買った。前出の自民党関係者が続ける。「この進次郎氏の発言には、自らの考えで高市氏や岸田氏を支持していた若手議員からも『我々がすべて派閥の論理で動いていると決めつけないでほしい』と不満の声が上がりました。総裁選後、進次郎氏は冷や飯を食わされることになりましたが、党内ではあまり同情の声は聞こえません。 対照的に、進次郞氏の盟友だった福田達夫氏は、今回の総裁選で若手議員を束ね、派閥に囚われない投票行動を呼びかける『党風一新の会』を率いました。最後は岸田氏支持を表明したものの決してその考えをメンバーに押しつけることはなかった。その言動は若手議員の信頼を得て、今や若手のリーダーは完全に進次郎氏から福田氏にシフトした印象です」 そうした進次郎氏の言動には、父・純一郎氏からの影響が見て取れる。しかし、それは純一郎氏の過去を知らないからではないかと、ベテラン政治ジャーナリストは言う。「たしかに純一郎氏は、『古い自民党をぶっ壊す』『郵政改革に反対するのは抵抗勢力だ』と次々に敵をつくることで支持を得ました。しかし、それは首相になって以降の話で、それ以前の純一郎氏は、異端児ではありましたが厚生大臣、郵政大臣などを歴任してしっかり実績を積み重ねていた。それだけのキャリアを重ねたからこそ、強いメッセージに説得力が生まれた。今の進次郎氏は、その下積みがないままにお父さんのイメージをうわべだけなぞっているようにしか見えません」 冷や飯生活の今こそ、地道に実績を積み重ねる好機かもしれない。
2021.10.18 16:00
NEWSポストセブン
(甘利明・自民党幹事長。時事通信フォト)
安倍、麻生を裏切り総理を操る甘利明・幹事長という「狡猾の人」
 岸田内閣の「影の総理」と呼ばれ始めているのが、甘利明・自民党幹事長だ。これまでキングメーカーの安倍晋三・元首相と麻生太郎・副総裁に忠実に付き従う「3Aトリオの末席」と見られていたが、総裁選と新政権の人事で一気に権力の中枢に駆け上がった。 にわかに権勢を得た甘利氏の政界での軌跡を辿ると、仕えた“主家”から離れては敵対関係になってきたことが分かる。 最初に世話になったのは河野家だった。甘利氏の父・正氏は河野一郎・元副総理の子分で、神奈川県議から代議士になり、河野家2代目の洋平氏が自民党を離党して新自由クラブを旗揚げすると行動を共にした。父の地盤を継いだ甘利氏も初当選は新自由クラブだった。甘利氏の先輩議員だった山口敏夫・元労相が振り返る。「甘利君は勉強家で新人議員時代から官僚を集めて熱心に政策づくりをしていた。ただ、河野洋平はリベラル派の理想主義者だったが、甘利君の父は保守派だったし、若い頃から父の秘書をしてきた甘利君は政治理念より政策に重きを置くタイプで、洋平の政治姿勢に共鳴していたわけではなかった。だから新自由クラブが解党して自民党に復党するとき、洋平は宏池会(現岸田派)に入ったが、私は甘利君を誘って中曽根派に合流した。そのとき政治路線を違えることになった」 だが、今回の総裁選で甘利氏は政治路線を違えたはずのリベラル派の岸田氏につき、世話になった河野家の3代目の太郎氏の敵に回った。「河野太郎は新自由クラブ解党のときに洋平について行かなかった甘利君に思うところがあるのかもしれないし、当選回数が上の甘利君にすれば、河野太郎はまだまだ信用が足りないと考えたのではないか」(同前) その後、甘利氏は中曽根派から分かれた山崎派に所属し、「政策通」として頭角を現わしていくが、派内で人望があるとは言えなかった。同派議員の元秘書が語る。「関西の山崎派議員のパーティーで挨拶に立った甘利さんが『私はね、関東より先には行かないんです。遠くのパーティーには参加しないんですよ』としゃべり出した。その自分がわざわざ来たと言いたかったのかもしれないが、高飛車な言い方を関西人は有り難がらない。会場はシーンとして気まずい空気が流れたが、気分を悪くしたのか、甘利さんは挨拶の最後に『本当に来ないんだよ、私は』と捨て台詞を吐き、出席した同僚議員や秘書たちも唖然としていた」 それでも山崎派ではナンバー2の会長代行に就任し、派閥を継げると考えていた。だが、会長の山崎拓氏は甘利氏ではなく、途中から派閥に入会した石原伸晃・幹事長(当時)に派閥を継がせ、後継者争いに敗れた甘利氏は2011年に側近議員を連れて派閥を割った。このとき旗揚げしたのが甘利グループ「さいこう日本」だ。 その石原氏が翌2012年の総裁選に最有力候補として出馬すると、甘利氏は再登板を目指す安倍氏の選挙責任者となって石原追い落としに動く。今回の総裁選で河野阻止に動いたのと同じやり方だ。 総裁選は安倍氏が逆転勝利し、甘利氏は安倍政権で経済再生相を連続4期務めるなど重用され、安倍氏、麻生氏と並んで「3A」と呼ばれるようになった。もっとも、党内には「3Aという呼び方を一番吹聴していたのは甘利本人。総理、副総理と同格であるかのように印象づける自己宣伝が巧みだった」(閣僚経験者)との冷ややかな見方もある。転んでもただでは起きない 出世を重ねて絶頂にあった甘利氏だが、2014年のUR都市機構をめぐる口利き疑惑で転落する。「秘書のせいにはしたくない」という“涙の会見”で大臣を辞任すると、「睡眠障害」を理由に半年近く国会を欠席、姿をくらませた。 追い打ちを掛けたのが、甘利氏をかばっていた当時の安倍首相が、後任の経済再生相に甘利氏が追い落とした石原氏を起用したことだ。甘利氏が失脚し、代わって石原氏を復権させたのである。「石原さんに勝ったつもりだった甘利さんにすれば、この人事は屈辱だったはずです。権力者の非情さを思い知らされたのではないか」 甘利氏に近い議員からは同情する声が上がった。 しかし、転んでもただでは起きなかった。復権を目指す甘利氏は、今度は甘利グループの子分4人を連れて派閥拡大をはかる麻生派に入会する。「安倍側近」から「麻生側近」へと主を代えた。 それを機に、麻生氏の後押しで党行革推進本部長、選対委員長、党税調会長と再び出世の階段に戻ることができた。 そしていま、岸田政権で幹事長として権力を握るやいなや、安倍氏の力を削ぐことで過去の“屈辱”を晴らし、恩人で盟友でもあった麻生氏の棚上げをはかって麻生派の跡目に手をかけるところまできた。 甘利明という政治家には、裏切り、寝返り何でもありの権力闘争の修羅場をくぐり抜けたしたたかさ、狡猾さをいかんなく見せつけられる。※週刊ポスト2021年10月29日号
2021.10.18 07:00
週刊ポスト
二階
「二階派が菅派に衣替え」の衝撃 「河野太郎氏の合流」もあるか
 つい最近まで「自民党の最高実力者」と呼ばれて権勢をふるった二階俊博・前幹事長が、総裁選の負け戦と岸田内閣の発足で権力の座から真っ逆さまに転落した。「次の衆院選に私が立候補するのは当たり前のことだ」──二階氏は総裁選後の10月2日、地元・和歌山で報道陣にそう語って引退を否定した。だが、二階氏の“衆院選出馬”がニュースになるほど、自民党内には依然として引退説が根強い。「二階さんは82歳、年齢的にみても復権は難しい。選挙準備だけしておいて、総選挙直前に体調を理由に引退を表明、急遽、後継者の三男を出馬させるのではないか」(細田派幹部)との見方もあるほどだ。 これまでポスト面で“我が世の春”を謳歌してきた二階派は、総裁選の対応で河野支持、高市支持、野田支持に割れた挙げ句、大きな亀裂が入って分裂の危機にある。二階氏が派内でも威信低下を露呈したのは、総裁選前日の同派会合だった。「対応したくない人は(派閥を)出て行ってもらうよりしょうがないね。ちょっと愚問じゃないかな、こういうプロの世界では」 そう語って派閥の対応一本化に強い決意を示したものの、河野支持派と高市―岸田連合支持派が反目してまとまらない。その結果、総裁選本番では“二階切り”を掲げて出馬した政敵の岸田文雄氏に二階派からもかなりの票が流れたとみられている。子分たちが勝ち馬に乗ろうと寝返ったのだ。 岸田内閣の組閣を見ても、二階派から入閣した山口壮・環境相と小林鷹之・経済安全保障担当相はいずれも高市氏の推薦人。「決戦投票で二階派が河野太郎氏に一本化することを防いだ論功行賞」(同前)と見られている。 二階派ベテラン議員が語る。「二階さんを支え続けた林幹雄(前幹事長代行)さんくらいは今回の人事で処遇されてもよかったのに、入閣したのは岸田―高市連合に走った2人だけ。二階さんの意向は全く配慮されなかった」 派閥領袖の力は子分の議員に「ポスト」を配分することで保たれる。総裁選で派内を切り崩され、ポスト配分権も失った二階氏にはもはや派閥を維持する力さえ残っていない。 注目したいのは二階派の跡目をめぐる動きだ。党内では“負け組派閥の後継者問題など些事”と関心が薄いようだが、ことの成り行き次第では自民党に再び波乱が起きる呼び水になるかもしれない。 二階派の有力な後継者候補の1人が武田良太氏。防災相、総務相を歴任したことで急速に力をつけ、派内で頭角を現わした。総裁選ではまず石破茂氏擁立に動き、石破氏が出馬断念すると河野支持に転じて負け組となったものの、若手に一定の支持がある。「武田に近い若手議員たちは、派閥を草刈り場にされないために武田を総裁選に担ぎ出そうとしたが、世代交代を怖れた二階会長が野田聖子に推薦人を貸したためにうまくいかなかった。だが、その二階会長は力を失い、重鎮として支えていた最高顧問の伊吹文明(元衆院議長)さんも引退する。いまや派内はバラバラで、このままでは空中分解に向かう。二階会長が派閥を譲らないのであれば、武田は中堅若手を引き連れて派閥を割る決断をするのではないか」(同派中堅) 注目すべきはその先、武田氏らの受け皿になるとみられているのが菅義偉・前首相のグループなのだ。 もともと二階氏は「引退後は二階派と菅グループの無派閥議員を合流させ、菅さんに後事を託すつもりだった」(二階側近)とされる。菅氏も二階派議員を人事で厚遇し、それに呼応する姿勢を見せていたが、総裁選前に菅氏が二階氏を幹事長から降ろそうとしたことで2人の関係が悪化、合流構想はご破算になったと見られている。 しかし、二階派の議員たちにすれば、負け組は人事で干されるうえ、派閥が空中分解すると総選挙でも支援が受けられない。菅氏の側近たちも事情は同じだ。武田氏が菅グループとの合流を目指せば、総選挙前に「菅派」旗揚げ構想が復活する可能性が高い。興味深いのは、それを引き金にもっと大きな「負け組連合」形成につながることだ。 菅内閣の閣僚経験者が言う。「岸田総理や安倍さん、麻生さんのやり方は党内に深い恨みを残した。一番、雪辱に燃えているのは強引に総理を引きずりおろされた菅さんだろう。菅派をつくるときは安倍―麻生に切り崩されて存続の危機にある石破派にも合流を呼びかけるだろうし、岸田人事で広報本部長に格下げされて屈辱にまみれた河野太郎や冷や飯組に転落した小泉進次郎とも連携をはかるはずだ」 二階派分裂という小さな動きが、菅派の結成につながり、それが自民党内に「菅+小石河」という反主流派連合勢力の結成を促す。 反主流派は議員の勢力では細田派、麻生派、岸田派の主流派には遠く及ばないが、岸田首相より国民の支持が高い河野氏、進次郎氏、石破氏らが党内で生き残る足場ができることが大きい。仮に、10月31日投開票の総選挙で岸田自民党が敗北した場合、攻守逆転する番になるからだ。 岸田政権で「我が世の春」を謳歌している安倍氏や麻生氏が、菅派結成の動きを「しょせんは負け組互助会」と侮っていると、足を掬われかねない。
2021.10.11 07:00
NEWSポストセブン
牧島かれんデジタル相、河野氏支援からの変わり身の早さが仇に
牧島かれんデジタル相、河野氏支援からの変わり身の早さが仇に
 牧島かれんデジタル相は10月8日の会見で、NTTの秘書室長から1人5万円のコースで2回にわたり接待を受けたという週刊文春の報道を認めた。新大臣の就任直後のスキャンダルは政権にとって痛手だが、そもそも牧島氏の閣僚入りは自民党内でも大きな波紋を呼んでいた。自民党関係者が明かす。「44歳という閣内最年少で入閣した牧島氏は、総裁選で岸田文雄首相と争った河野太郎氏の陣営にいた中心人物です。横須賀出身の彼女は、父親が小泉純一郎氏の秘書を務めており、政治家になる際には河野洋平氏の地盤を引き継いで神奈川17区から当選した。その息子である河野太郎氏や進次郎氏には大きな恩がある。 そうした縁から、彼らを率いて自民党神奈川県連のトップに君臨していた菅義偉・前首相にも寵愛され、菅政権発足時に女性として初となる自民党青年局長に抜擢されました。麻生派でもあるため、今回の総裁選では当然、河野氏を応援しており、負けた後は『多くの支援をいただいたことはありがたいが、結果は結果。受け止めるしかない』と肩を落としていた。 河野氏は党広報本部長に格下げ、進次郎氏は無役で菅氏も蟄居状態ですから、彼女自身、しばらくは冷や飯を覚悟していたところ、まさかの大臣抜擢。彼女にとっては青天の霹靂だったようですが、党内でも『なんで河野を応援したのに入閣できるんだ』と不満の声が上がっています」 若手の女性議員を抜擢したかったという岸田首相の意向もあるだろうが、わざわざ河野陣営から一本釣りした背景には、甘利明・幹事長の影響が窺える。「神奈川13区選出の甘利氏は、これまで神奈川県連では傍流でしたが、今回の総裁選で一気に立場が逆転した。甘利氏は自ら幹事長に就くとともに、同じく岸田氏を応援した“子分”の山際大志郎氏(神奈川18区)を経済再生相にねじ込んだ。 牧島氏の起用は、菅・河野・進次郎ラインから彼女を引き剥がすことにつながる。菅氏の選挙区は横浜、河野氏は平塚、進次郎氏は横須賀と海沿いなのに対して、甘利氏と山際氏の地盤は内陸部で、以前から両派には毛色の違いがあった。小田原や秦野、足柄などの山間部を地盤とし、同じ麻生派でもある牧島氏は、甘利氏にとって“神奈川内陸部連合”を築くうえでのキーパーソンなのでしょう。 甘利氏からすると、今回の大臣打診は『こっちに就くかそっちに就くか選べ』という踏み絵でもあったはず。牧島氏は当初は戸惑ったようですが、デジタル分野には強い関心があり、最後は快諾した。菅・河野・進次郎ラインが切り崩されたことにより、今後ますます甘利氏が“神奈川のドン”としての権勢を強めることでしょう」(同前) 大臣を引き受けた際、「大変驚きましたが、岸田総裁をしっかりお支えしたいという気持ちをお伝えさせていただきました」と述べていた牧島氏。しかし、就任早々、自らの疑惑が火種になるとは、変わり身の早さが仇になったか。
2021.10.08 18:00
NEWSポストセブン
河野太郎氏、広報本部長に“冷遇”で想起される「第二の小池百合子」の道
河野太郎氏、広報本部長に“冷遇”で想起される「第二の小池百合子」の道
 自民党総裁選に勝利した岸田文雄・新総裁のもと、新たな党人事が固まった。岸田氏の選対顧問を務めた甘利明氏が幹事長、総裁選で3位と健闘した高市早苗氏が政調会長に抜擢される中、岸田氏に決選投票で敗れた河野太郎氏は広報本部長への起用が決まった。 表向きは“ツイッターで243万フォロワーを誇る河野氏の発信力を期待しての起用”とされているが、実際には行政改革担当相・ワクチン担当相から外す“冷遇人事”との見方がもっぱらだ。自民党関係者が語る。「党の要職とみなされるのは幹事長、政調会長、総務会長に選対委員長を加えた四役まで。広報本部長と言えば党のスポークスマンのように聞こえるが、党の発表や会見はこれまで二階俊博・幹事長や野田聖子・幹事長代行らが行なっており、広報本部長が表に立つ機会は少ない。河野さんの前任者が有村治子さんであることを知っている方がどれだけいるでしょうか」 この広報本部長という肩書きから、「第二次安倍晋三政権における小池百合子氏に重なって見える」と、全国紙政治部記者は話す。「安倍さんがかつて小池さんを冷遇するために行なった人事が、広報本部長への起用でした。安倍さんは、第一次安倍政権時代に小池さんを女性初の防衛大臣に抜擢したにもかかわらず、2012年の党総裁選で小池さんが石破茂さん支持に回ったことに激怒した。総裁選後、安倍さんは党役員人事で小池さんを広報本部長に据えました。 当初、安倍さんは『自民党は変わったということを人事で示し、翌年の参院選における必勝態勢を作った』『これからの日本は、女性の力なくして活力は取り戻せない』と起用の理由を語りましたが、その後2014年9月まで2年近くも小池さんを広報本部長に据え置き、他の要職に就かせることはしなかった。裏切り者である小池さんを干し上げたわけです。 今回の件は、その時を思い起こさせる。岸田さんというより、人事に強い影響力を持つ安倍さんの意向が働いているのではないでしょうか」 今後、河野氏が小池氏と同じ道を辿る能性はあるのだろうか。「初の女性総理を目指していた小池さんは自民党内にいる限界を感じ、党を飛び出して東京都知事選に出馬した。では、河野さんも今後党を飛び出すかと言われれば、現段階では可能性は低い。 河野さんには、“父・河野洋平さんが最終的に総理になれなかったのは、一度自民党を出てしまったことが影響した”という思いがある。当分は冷や飯を食わされても、我慢して捲土重来を期すしかないという考えではないでしょうか。安倍さんや、同じ麻生派でありながら河野さんと犬猿の関係にある甘利さんからすると、それが分かっているから露骨な冷遇人事ができたとも言える。“出られるもんなら出て行ってみろ”ということです」(同前) ほんの数日前まで総裁候補の本命と目されていたのだが……総裁選は天国と地獄である。
2021.10.01 07:00
NEWSポストセブン
岸田・新総裁誕生の功労者と言われる甘利氏
幹事長説も 甘利明氏が河野・菅・小泉追い落とし「神奈川のドン」へ
 岸田文雄氏を新総裁に導いた最大の功労者と言われているのが、自民党税調会長の甘利明氏である。河野太郎氏が所属する麻生派でありながら岸田陣営の選対顧問を務め、麻生派から河野票を引きはがすことに成功した。自民党中堅議員が語る。「甘利さんは次期幹事長の有力候補と言われています。幹事長でなくても、党の要職か主要閣僚に就けるのは間違いないでしょう。甘利さんにとっては、河野さんが総裁になれば麻生派の中で立場がなくなり、政治家として“一丁上がり”になってしまうところだった。 今回の勝利で、麻生派を継げる可能性も高まりました。原発推進派の代表として、河野氏の脱原発路線を食い止めることにも成功した。総裁選で最も大きな果実を得たのは甘利さんでしょう」 もう一つ、甘利氏にとって大きな利を得ることになるのは自民党神奈川県連での立場だ。神奈川県連では、これまで菅義偉首相をトップとして、河野太郎氏、小泉進次郎氏が世襲で引き継いだ盤石の地盤をバックに強い影響力を築いてきた。今回、その主流派が軒並み河野支持でまとまった結果、一敗地にまみれてしまったのだ。 これにより、神奈川県連では傍流だったはずの甘利氏が、一気に覇権を握る可能性が出てきた。自民党神奈川県連関係者は言う。「神奈川県連では、横浜の菅氏、平塚の河野氏、横須賀の進次郎氏と、海沿いエリア選出の議員が力を持ってきたのに対して、厚木出身で、内陸エリアである大和市・海老名市などが属する神奈川13区選出の甘利氏は力が弱かった。盟友だったはずの菅氏に弓を引き、岸田氏を支援するという行動に出た背景には、県連内でのパワーバランスを変えたいという気持ちもあったはずです。 今回も神奈川の党員票では河野氏が圧倒しましたが、敗れてしまったことで県連では失望感が広がっている。菅氏は首相を退いた上、盟友だった小此木八郎氏は横浜市長選に敗北、次期総裁に推した河野氏も敗れたとなれば求心力が失われるのは必然。甘利氏が菅氏に代わって“神奈川のドン”として君臨することになるかもしれません」 菅政権で官房副長官を務めた自民党横浜市連会長の坂井学氏は、総裁選後のツイッターで「私が支援し、党員票も多くいただいた河野太郎候補は残念ながら及びませんでしたが、今後も自民党を、そして日本を前に進めていくため、政府与党の一員として共に頑張ってまいります」と無念さをにじませた。 対照的に甘利氏は総裁選後の報告会で「本当にうれしい。日本が、世界が待っているリーダーになってほしい」と喜色満面。麻生派ながら甘利氏について岸田氏の推薦人に名を連ねた川崎エリア選出の山際大志郎氏は、〈会場で甘利氏から労をねぎらわれ〉〈県内議員の多くが河野氏支持に回る中での活動だったが、「自分なりの信念で動き、こうした結果になって良かった」と話した〉(神奈川新聞デジタル版9月29日付)という。 総裁選後にパワーバランスが変わるのは、永田町だけではないということだ。
2021.09.30 07:00
NEWSポストセブン

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