(写真がイメージ)

居眠りは刃物で襲われる危険が高いだけでなく、痴漢やスリなどあらゆる犯罪の標的となりやすい(写真はイメージ)

 煙が充満しやすい電車内では、車両間のドアを閉めることが被害を最小に抑えるポイントとなる。また、逃げる際はトイレに駆け込むのはNG。鉄道の安全に詳しい関西大学社会安全学部教授の安部誠治さんはいう。

「よほど余裕があり、きちっと内側からカギを閉められるならまだいいですが、扉を開けられてしまったら逃げ場がなくなります。放火される場合のリスクもあるので、トイレに駆け込むよりも犯人から離れて隣の車両に逃げる方がより安全です」(安部さん)

 京王線の事件では、ホームドアが開かなかったため、乗客たちは窓から脱出した。窓が開かない場合は、割ってもいいのだろうか。

「電車の窓ガラスを手で割ることは不可能です。ハンマーなどを使えば叩き割ることができますが、高い位置にある割れた窓からすり抜けて外に出るのはあまりに危険」(安部さん)

 窓を割った際に破片が飛び散ってけがをする危険もあるため、あまり大胆な行動は控えるべきだろう。通り魔的犯行と違って、痴漢やスリなどは予測することもできる。京師さんが言う。

「痴漢やスリは、毎日同じ時間の同じ車両に乗る規則正しい人をターゲットにすることが多い。対策として、数日に1回は電車を1本遅らせたり、車両を変えたりすることで被害に遭いにくくなります」

 無差別犯罪を起こす犯人は、口では「誰でもよかった」と言いながら、女性や子供、高齢者など自分より弱い者を判別して狙っていることが多い。不安要素は少しでも回避することが大切だ。

※女性セブン2021年12月16日号

「非常通報器」のボタンを押すと車掌へ緊急連絡ができる。不審者や不審物を発見したときだけでなく、乗客の体調が急変したときなどにも利用できる(写真/アフロ)

「非常通報器」のボタンを押すと車掌へ緊急連絡ができる。不審者や不審物を発見したときだけでなく、乗客の体調が急変したときなどにも利用できる(写真/アフロ)

非常用ドアコックを下げると電車のドアを手動で開けられるようになるが、慎重な判断が必要なため乗客の一存で扱うのは禁物(写真/PIXTA)

非常用ドアコックを下げると電車のドアを手動で開けられるようになるが、慎重な判断が必要なため乗客の一存で扱うのは禁物(写真/PIXTA)

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