ロバート秋山竜次とマンハッタン物語
福岡県出身のお笑いトリオ・ロバートの秋山竜次(43才)に、福岡県の地元パン「マンハッタン」(リューユーパン、127円)の魅力を語ってもらった。
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福岡出身のぼくはマンハッタンと一緒に育ったと言っても過言じゃないくらいのソウルフードなんです。だから上京してびっくりしました。「マンハッタンがない!」って。
高校生の頃、購買に置いてあってかなり人気でしたね〜。クラスの元気な女子たちが購買のおばちゃんに「マンハッタン〜!」っておしゃれな感じで注文するんですよ。でもぼくは恥ずかしくてそれができなくて小声で「あ、マンハッタン……」って。ぼくも「マンハッタン!」って勢いよく言えるやつになりたかったですよ。でも、それが言えない繊細さがあったからこうして芸人になれたのかもしれないですよね。
最近気づいたのですが、マンハッタンってまるでヘビー級のドーナツじゃないですか。最近多いのはふわっとしてたり、もっちりとしたドーナツが主流ですがコイツは違う。想像以上に空気が含まれてなくて、みっちり詰まっている。そのボリュームがおやつにちょうどいいんですよ。マンハッタンを食べるときは牛乳が欠かせないんです。じゃないと死んでしまうんじゃないか!というくらい詰まっていますからね。それに相性もばっちり。ぼく流の食べ方は、牛乳を口いっぱいに含むんじゃなくて、補助剤として少しだけ口に含み、マンハッタンを少しずつ砕いていく。またそれがうまいんです。
この昔から変わらないパッケージもいいですよね。地元に帰ってコンビニで見かけたらほっとしますもん。まるで地元のツレに会う感じ。あんまり緊張することなく、変わらない存在。ぼくも見習わないといけないですね(笑い)。
【プロフィール】
ロバート・秋山竜次/お笑い芸人。福岡県北九州市出身で、2012年に観光大使に就任している。Netflixオリジナルシリーズ『クリエイターズ・ファイルGOLD』が配信中。
甲斐みのりさん/文筆家。パンやお菓子、手土産など暮らしの魅力を再発見することをライフワークにしている。著書に『地元パン手帖』(グラフィック社)など。
撮影/黒石あみ
※女性セブン2021年12月16日号