最後の14日間

最期の14日間は、強い痛みを感じることも少なくない

 体の中心を通る太い血管が裂ける解離性大動脈瘤破裂も、強い苦痛を伴うといわれる病気だ。

「胸や背中にくいを打たれるような激痛が走るといわれ、あまりの痛みに意識を失う人やショック状態になる人もいます。重症度が高いケースが多く、助かったとしても再発の可能性があり、再び大動脈瘤が破裂するかもしれないという“爆弾”を抱えて生活するストレスは相当なものです」(鈴木さん)

 脳血管疾患もまた、安らかな最期とはほど遠い。

「なかでも脳卒中の一種であるくも膜下出血は“痛みの王様”といわれるほど苦痛が強い。実際に救急搬送されて治療を受けるときは、昏睡状態または意識の混濁がみられることがほとんどで、そのまま亡くなるケースも珍しくありません」(鈴木さん)

 運よく一命を取り留めた場合、その後の亡くなり方は二極化する傾向にある。

「早く治療できれば後遺症が残らず、もとの生活に戻ることができ、そのまま最期まで元気に過ごせる人はいます。しかし対応が遅れると、半身不随や言語障害、麻痺などの脳機能障害が残るケースがあり、この状態になってしまえば寝たきりのまま最期の2週間を過ごすことになる。

 また、リハビリである程度回復する人もいれば、うまくいかない人もいる。半身不随になって利き手が使えない状況に嫌気がさして生きることに対して後ろ向きになり、体を動かすこともなく次第に衰弱していく例も。高齢者は筋肉の衰えも早いため、死期が早まってしまうこともあります」(鈴木さん)

※女性セブン2022年1月1日号

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