今年2月には、東シナ海で中国側が領海への侵入を繰り返し、さらには中国政府が海警局に武器使用権限を与える海警法を施行したことで緊張が高まったが、この時も志位氏は「海警法の施行は国際法違反」と声をあげていた。当時、本誌・週刊ポストの取材に応じた志位氏はこう述べている。
〈この10年で中国には深刻な変質が起きている。そのひとつが覇権主義です。東シナ海、南シナ海で力ずくで現状を変更しようとしている。日本共産党は2017年の党大会の決議案に中国の覇権主義への批判を盛り込んだが、直前に当時の程永華・駐日大使が、『削除してくれませんか』と言ってきた。私は『それはできません』と何が問題なのかを1時間半くらい話した。私が中国と議論してきて思うのは、中国共産党はたいへんに大きな党だが、正論を言われるのが嫌なんです。向こうが正論を言われるのが嫌なら、なおのこと言わなければならない〉(週刊ポスト2021年3月12日号掲載)
自民党内でも安倍晋三・元首相や高市早苗・政調会長ら保守派を中心に、外交的ボイコットに賛同するような声が出始めているが、岸田文雄・首相は衆院選後に外相として日中友好議員連盟会長を務めてきた林芳正氏を起用。中国に対してどこまで強気の対応が取れるのか、“正論”を述べることができるのか、注目されることになる。