肝機能の検査についてはγ-GTPを気にしがちだが、重く捉える必要はないという。
「γ-GTPは飲酒量に比例する数値で、基準値の51を超えたならアルコールの摂取量を見直せばいい。肝臓は再生力の強い臓器なので早期の障害なら自ら治癒します。治療法のなかには肝臓の数値に影響を与えるものもあるので、心当たりのある人は医師に相談しましょう」(大櫛氏)
肝臓や胆道に異常がないかを調べる総ビリルビンの数値も、多少の基準値超え程度ならあまり気にしない方がいいという。
「総ビリルビンの基準値は厳しすぎて、日本人の1~2割は基準値から外れてしまう。指標として見直しが必要ではないか」(西崎医師)
糖尿病の診断基準となる血糖値については、日本糖尿病学会が空腹時血糖値は110mg/dl未満、Hb(ヘモグロビン)A1cは5.5%以下を正常値とし、健診の基準値にもなっている。
HbA1cが基準値を超えていた場合、「軽く考えてはいけない」という。
「HbA1cだけが高い場合は食後高血糖になっていて、糖尿病の前段階が疑われます。この段階で糖質制限など食生活を見直せば改善を見込めます」(大櫛氏)
一方、空腹時血糖値については数値だけに囚われてはいけない。
「空腹時血糖値については、採血前の行動の影響を受け、6時間前から影響を受けると考えるといいでしょう。結果が悪くても数値だけで判断するのではなく、食事や運動量なども振り返って、数値を受け止めないといけません」(西崎医師)
※週刊ポスト2022年1月1・7日号