国内

症状が似ているオミクロン株感染と花粉症 注意すべきは「相互作用」

(写真/Getty Images)

オミクロン株の感染か花粉症か、医師も初期症状では判断しづらいという(写真/Getty Images)

 新型コロナウイルスのオミクロン株流行とともに新たな懸念が生じている。医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広さんはこう話す。

「このまま2月までオミクロン株の感染拡大が続けば、花粉症と“丸かぶり”する恐れがあります」

 厄介なことに、オミクロン株と花粉症は症状が酷似する。

「花粉症はアレルギー反応でウイルス由来のコロナとはまったく原因が違いますが、鼻水や喉のイガイガなどの症状が似ています」(上さん)

 実際、沖縄のオミクロン株感染者50人の分析では、発熱(72%)、咳(58%)、全身のだるさ(50%)に続いて、喉の痛み(44%)、鼻水・鼻づまり(36%)という症状がみられた。目白もちづき耳鼻咽喉科院長の望月優一郎さんは医師の立場から戦々恐々とする。

「オミクロン株は花粉症だけではなく普通の風邪とも症状が似ているので、医師は3つの病気を判別する必要があります。しかも今年は東京、山梨、千葉は昨年の2倍、過去10年平均の1.3倍の花粉が飛ぶとされる“当たり年”。本格的な飛散はバレンタインデー前後とされますが、オミクロン株と風邪がはやるなかで見分けるのは本当に大変です」

 確かに症状からの判別は難しそうだ。しかも、どうせ花粉症だからと放置したら実は新型コロナだったという場合もあり、そうなると家庭内感染が増えたり、重症化リスクのある高齢者や基礎疾患のある人にうつすリスクがある。どうやって見分ければいいのか──。

「まずは目のかゆみがあるかどうか。目がかゆくなれば花粉症です」(上さん)

 新中野耳鼻咽喉科クリニック院長の陣内賢さんは「天気」と「薬」に注目する。

「雨の日は花粉が飛ばないので症状が改善し、晴天で風が吹くと花粉が舞いやすく症状が強くなります。天気の変化に症状が連動すれば、高い確率で花粉症でしょう。また花粉症薬を服用しても症状が完全に止まらなければ、花粉症以外の原因が疑われます」(陣内さん)

 症状が出て迷った場合、どの診療科にかかるべきか。国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さんはこう話す。

「熱があれば発熱外来、平熱で鼻水が顕著なら耳鼻科、咳や息苦しさ、倦怠感があれば内科を受診してください」(一石さん)

 注意すべきは、花粉症とオミクロン株の“相互作用”だ。

「花粉症の人がオミクロン株に感染してくしゃみをすると、ウイルスを必要以上に飛ばす危険性が高くなります。しかも、花粉症の人は鼻がつまって口呼吸をする機会が多い。そうなると喉の粘膜を痛めて、オミクロン株や風邪にかかりやすくなります。

 そのため、オミクロン株や風邪を避けるためにも花粉症対策が重要です。花粉症はシーズン前にのみ薬やレーザーを使った『本格飛散前治療』というのができるので、花粉症がひどい人はいまのうちから対策を始めてほしいです」(望月さん)

 今年は例年以上の花粉症対策が求められる。

※女性セブン2022年2月3日号

関連記事

トピックス

降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
警視庁がオンラインカジノ店から押収したパソコンなど(時事通信フォト)
《従業員や客ら12人現行犯逮捕》摘発された店舗型オンカジ かつての利用者が語った「店舗型であれば”安心”だと思った」理由とは?
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン