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『DCU』『日本沈没』ほか 中村アン、TBS日曜劇場“常連化”の理由

数年前に出演の密着ドキュメンタリーで「覚悟」を語っていた(時事通信フォト)

数年前に出演の密着ドキュメンタリーで「覚悟」を語っていた(時事通信フォト)

 第2回までの放送を終え、平均世帯視聴率が15%以上と好評のTBS日曜劇場『DCU』。阿部寛主演の同作でヒロインを務めるのはモデルで女優の中村アン(34)だ。ドラマオタクのエッセイスト小林久乃氏が、彼女と“日9”ドラマ枠の深い関わりについて考察する。

 * * *
 毎週日曜夜9時放送『DCU』(TBS系)が放送中である。何かと見どころはあるけれど、やはり主演の阿部寛さんの“顔で物語る”演技は目を見張るものがある。アジア人俳優で随一ではないだろうか……と、自分には皆無の顔の濃さから目が離せなくなっていると、あることに気づく。

 DCU(Deep Crime Unit)=潜水特殊捜査隊とは、作中で海上保安庁に新設された、水に関わる事件や事故の捜査を行う架空の部隊。隊員で唯一の女性として活躍する成合隆子を演じるのが中村アンさんだ。彼女の姿をここのところ“日9”でずっと見ている気がする。そう思って、出演回数を確認すると今回で7作品目。これは国民が認める“日9”の常連組、香川照之さん(「日曜劇場」出演は10作以上)に追いつけ、追い越せということなのだろうか?

出演ポジションも着実に上がっている

 中村さんが初めて“日9”へ登場したのは香取慎吾さん主演『家族ノカタチ』(2016年)で、ジムのインストラクター・梢あや役。これが申し訳ないことに本当にあまり記憶がない。まだあの田中圭さんでさえも端役だった時代だ。

 長谷川博己さん主演『小さな巨人』(2017年)では夫が行方不明になった横沢亜美役。福山雅治さん主演『集団左遷!!』(2019年)では銀行員の木田美恵子役。同じ頃、他の作品では32ミリのコテでロングヘアを巻いたきれいなお姉さん系の役や、恋の当て馬役を演じていたことがドラマオタクの私の海馬に残っている。よって、銀行員や人妻役には新鮮さがあった。

 2019年には木村拓哉さん主演『グランメゾン東京』にも出演。久住栞奈役は主役の尾花夏樹(木村)に忌まわしい記憶を持つ、物語における重要な立ち位置。翌年には妻夫木聡主演『危険なビーナス』(2020年)で、動物病院の看護師・蔭山元美役。同作では常に主役の横に立ち、妄想シーンにも登場していたことを思い出す。

 こうして並べてみると、2016年からの4年間で出演回数を重ねるだけではなく、着実に作品の好ポジションに昇格していることが手に取るようにわかる。これはやっぱりすごい。今の“日9”枠は昔とは変わり、家族揃って見られて、明日から頑張るお父さんたちに活力を与える作品が並ぶ。出演したい俳優たちは多いはずだ。その戦線を勝ち抜いただけでも、まずはあっぱれ。

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