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映画は「2時間半」がスタンダード化 「現状は明らかに過剰」指摘も

巨匠スピルバーグの新作は2時間36分(AFP=時事)

巨匠スピルバーグの新作は2時間36分(AFP=時事)

 昔に比べて、映画の上映時間が長くなっていないか? その感覚は、概ね正しいだろう。1月24日に発表された国内映画ランキング(興行通信社)にベスト10入りした作品のうち、約2時間半に及ぶ上映時間は『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2時間28分)、『ハウス・オブ・グッチ』(2時間38分)、『あなたの番です 劇場版』(2時間22分)の3作品だった。

 10年前、2002年1月22日発表の国内映画ランキングだと、ベスト10のうち上映時間2時間20分を超えるのは、『ハリー・ポッターと賢者の石』(2時間32分)、『千年の恋 ひかる源氏物語』(2時間23分)の2作品だ。

 こう比較すると大差ないように思えるが、日本映画製作者連盟が発表した昨年の洋画の興行収入ランキングを見てみると、ベスト5のうち『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(2時間25分)、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2時間44分)、『エターナルズ』(2時間37分)の3作品が上映時間2時間20分を突破する。さらに、邦画ランキングでトップを獲得した『シン・エヴァンゲリオン劇場版』も上映時間2時間35分だ。

 ほかにも『マトリックス レザレクションズ』(2時間28分)、『DUNE/デューン 砂の惑星』(2時間35分)、『最後の決闘裁判』(2時間32分)など、昨年は約2時間半の映画がいくつも公開された。また、今後も『ウエスト・サイド・ストーリー』(2時間36分。2月11日より)、『ドリームプラン』(2時間24分。2月23日より)、『ナイトメア・アリー』(2時間30分。3月25日より)といった作品の公開が控えている。

 上記の映画はどれもシネコンで上映されるような話題作で、決して一部の映画好きだけを狙った通向けの作品ではない。シネフィルというほどでもない、ごく普通の観客が、映画に行くたびに2時間半超えの映画を楽しんでいるような状況だ。

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