また原や笹生といった第一線で活躍するプロたちには精神面でも共通する部分があるという。
「向上心が強いよね。目標を自分自身でしっかりと持っているし、それに向かってどうやって戦っていくかを分かっている。勘違いされがちだが、目標というのは“大きければいい”というものではない。掲げた目標が大きすぎると、途中でコケるヤツが多い。
目標というのは、1回クリアしないといけないところに設置するもんだ。それでそこを超えたら、また次に挑戦する。登山で言えば、富士山を登るのは最後でまずは“近所の裏山”から征服しないと。たまに目標を書かせると、“世界のメジャーを獲りたい”なんて書く子がいるんだけど、状況が違いすぎて笑ってしまうんだよ」
御年75歳だが、「ジュニア世代」と向き合うときに心がけていることはあるのか。
「何もないよ。ただ、『人よりも練習できる身体を持ちなさい』ということは伝えている。若い人には『一生懸命』やるということが何かを理解してもらいたいね」
今後は女子プロだけでなく、「男もなんとかしたい」と語る。アカデミーから新たなスターが羽ばたく日は近いか。
※週刊ポスト2022年3月11日号