元陶芸家で経営経験が浅かった桂田社長は、一大ホテルチェーンを担う経営者として手腕をいつどこで磨いたのか。その背景にはある経営コンサルタントとの関わりがあるという。
「桂田社長はそのコンサルの男性が開催する経営セミナーにひんぱんに出入りしていました。はたからみると師匠と弟子の関係というか、頼り切っているようでしたね。『知床遊覧船』を買い取って社長に就任したのは、このコンサルのもとで経営を学び始めた頃です。多角化経営に乗り出し、会社も黒字化したといいます。
そのコンサル男性は自身のツイッターで、桂田社長の陶芸作品の写真をアップして『こうした芸術的感性の高さが、経営者としての好結果にもつながっている』といった褒め言葉を記していました」(経営セミナー参加者)
経営の“素人”から脱却し、“やり手社長”と目されるようになった桂田社長。しかしその裏では、コストを削減するための強引な切り詰めを行っていたともいわれる。
「人件費削減のために、これまでいたベテラン船長らを切り捨て、豊田さんを船長として雇ったこともその一例です。また、『KAZU1』は40年前に製造されたもので、波の穏やかな瀬戸内海の平水区域で使うための船として造られたものであることも報じられました。それを、波の荒い知床で使うという判断も疑問視されています」(前出・メディア関係者)
ベテラン船長らの解雇については今回の会見で「解雇はしておりません」と否定し、あくまでも待遇面などの“意見の不一致”で雇い止めをしただけだと説明していた桂田社長。コストカットには熱心な経営者だったようだが、少なくとも人の命を預かる事業には手を出してはならなかったのではないか。