――子役で池松壮亮さんも抜擢されています。
奈良橋:子役を何人か見て、セレクションしました。その中で彼がいいなと思って。その後監督に会わせたら監督も「ホームラン!」と言ったんです。
池松さんはあの現場ではいろんな想いをされて、泣いたりしたこともあったんですよね。そして今も素晴らしい役者でいらっしゃる。だから、もう一回外国作品にも出ていただきたいなと思って、池松さんに合う役を探しています。
【プロフィール】
奈良橋陽子(ならはし・ようこ)/ニューヨークのネイバーフッド・プレイハウスで学ぶ。演出した舞台・映画『THE WINDS OF GOD』(1995)は「国連芸術賞」「日本映画批評家大賞」受賞。現在はキャスティング・ディレクターとしても活躍しており、映画『ラスト サムライ』『SAYURI』『バベル』『終戦のエンペラー』など話題作を次々と手がけている。
【聞き手・文】
春日太一(かすが・たいち)/1977年生まれ、東京都出身。映画史・時代劇研究家。
※週刊ポスト2022年10月28日号