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「耳鳴り」のメカニズムとその危険性 重大な病気のサインとなることも

「耳鳴り」はなぜ起こるのか(イメージ)

「耳鳴り」はなぜ起こるのか(イメージ)

 厚生労働省の「国民生活基礎調査」(2019年度)によると、65歳以上の実に3人に1人が悩まされているのが「耳鳴り」だ。今まで聞いたことのない不快な音が突然響いたら、大きな病気が隠れている可能性があるという。

 2年ほど前から耳鳴りに悩まされる埼玉県在住の70代A氏が語る。

「妻と群馬に山登りに行き、下山したら気圧で耳がツーンと詰まったように感じる状態が2~3日続き、自分の声がボワーンと響いた。それ以来、時折ジーと虫の羽音のような高音の耳鳴りがして、それが徐々に大きくなっていると感じるが、痛みはないので放置しています」

 日本聴覚医学会によると、慢性的に耳鳴りを感じる人は日本人全体の10~15%。苦痛を感じるほどの耳鳴りに悩まされる人は人口の2~3%、約300万人に上る。

 歳を取るほど症状が出やすく、国立長寿医療研究センターによると、70代の日本人の約45%が耳鳴りに悩まされているという。川越耳科学クリニック院長の坂田英明氏が指摘する。

「無音の場所でサーッという音が聞こえることがあるといった耳鳴りは誰にでもあるもので、とくに歳を重ねると血管障害などで聴覚の機能が衰え、耳鳴りが増幅しやすくなります。ただし、そうした耳鳴りが重大な病気のサインであることもあるので、単なる老化現象と放置しないことです」

 耳鳴りが発生する仕組みはこうだ。耳介から入った音は耳の穴である外耳道を通り、中耳から内耳に達する。その際、空気振動として伝えられた音は内耳にある「蝸牛」で電気信号に変換され、聴神経から脳幹を通り、大脳の聴覚野で音に変換される。

「このルートのどこかで異変が生じると、耳鳴りが発生します。なかでも多いのが内耳で、耳鳴りの9割は内耳の異常とされます。蝸牛の中には音を電気信号に変える『有毛細胞』という組織があるのですが、加齢により内耳の血流が滞ると内耳の機能が衰えて、神経の異常興奮を強く感じるようになります。こうして発生するのが『加齢性難聴』です」(坂田氏)

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