たれぱんだ、リラックマ、すみっコぐらし……など、ストーリー性のあるちょっぴりネガティブなところや、立体のかわいさが人気となっている、サンエックスのオリジナルキャラクターたち。これまでに生み出された数は、なんと1000を超える。そのなから「こげぱん」と「リラックマ」について紹介する。
「こげぱん」かわいいの常識を覆した“白目”キャラ
寝ぼけたパン屋さんにこがされてしまい、やさぐれてしまったというネガティブキャラの「こげぱん」。
当時、入社1年目だったイラストレーターのたかはしみきさんが、一見こわいけど、どこか放っておけない設定はどうかと思いついて考案したというキャラだ。
「こげぱんは、白目が特徴的なキャラですが、当時は社内で白い目を心配する声も多かったんです。そこでたかはしさんはいろいろな目を描いて提案。結局並べてみると、白目のデザインがいちばんかわいいということになりました」(広報担当・富田杏奈さん)
「こげぱん」
なにごとにもなげやりで後ろ向きな性格。中身は北海道・十勝平野産の高級あずきで作られた上質なあんこ。こげなければ、限定販売のエリートアンパンになるはずだった。
「リラックマ」ヒットのきっかけはぬいぐるみの売れ行き
作者のコンドウアキさんが、ものすごく疲れていたときに生まれたというのが「リラックマ」だ。
月1回の社内のカンプ(イメージを伝えるラフ)出しがあり、そのとき、私もペットのチワワのように飼い主に面倒を見てもらいたい……と思ったのがきっかけだったという。クマにしたのは、リラックスという言葉とかけようと思ったからだとか。
今年20周年の大人気キャラだが、発売当初、文房具店では売れ行きが芳しくないという厳しい声もあったという。
「ところが、ぬいぐるみが売れているという情報が入ってきたんです。ぬいぐるみは中の綿など素材にもこだわり、キャラのイメージである『くったり感』をとことん追求しました。“ぬいぐるみが売れてるなんて、このキャラ、実はすごいんじゃない!?”という話で、当時、社内が盛り上がったそうです。そこでぬいぐるみを中心とした販売展開にしてみたところ、ほかのグッズも徐々に売れ、次第に認知度が上がっていきました。
はじめはリラックマとキイロイトリだけでしたが、コリラックマ、チャイロイコグマと順にキャラが増え、さらに人気が高まりました」(広報・富田さん)
「リラックマ」
リラックマ…OLカオルさんの家に居候する着ぐるみのクマ。中が誰かは不明。コリラックマ…どこからともなくやってきた白いクマの子。本物のクマではないようだ。チャイロイコグマ…はちみつの森に住む、コリラックマのおともだち。キイロイトリ…OLカオルさんの飼う黄色い鳥。
取材・文/苗代みほ
※女性セブン2023年2月16日号