芸能

林部智史「看護師を目指して挫折し引きこもり、全国放浪」この経験があるからこそ悲しみに寄り添う歌声

7 月27日に行われた『林部智史 CONCERT 
 TOUR 2023~雨のち晴れ、ときどき虹~in 東京』も大盛況。透明感ある歌声で会場を魅了した。

7 月27日に行われた『林部智史 CONCERT TOUR 2023~雨のち晴れ、ときどき虹~in 東京』も大盛況。透明感ある歌声で会場を魅了した。

“音楽界の貴公子”の印象だが、道のりは平坦ではなかった

 人生で一度でもつまづいたことのある人間は強い。傷ついた経験というものは、いつだって人を強くする。なぜなら立ち上がることができているのだから。そして、そうした経験をしているからこそ、他者に寄り添うことができるのだと思う。

 今年の2月にデビュー7周年を迎えたボーカリストの林部智史はそんな人物だ。

 7周年の“7”にちなんで“虹”をコンセプトとした活動を展開中の彼は、全国ツアーの真っただ中。コンサートをとおして全国各地のファンとの交流が実現できているという。

「虹というのは晴れ間がのぞいたときに見えるものですから、そんな時間を提供したいです」

 と柔和な表情で語る林部の声の調子はゆったりとしていて、聞いているこちらも気持ちが落ち着いてくる。

 1990年生まれの筆者と同世代のはずだが、たったこれだけのやり取りからも彼の特別な力を感じずにはいられない。さすがは声を扱うプロのボーカリストだ。

 1988年生まれの林部は、2016年にシングル曲「あいたい」でデビュー。当時、“今、もっとも泣ける歌”として口コミで広がり、その美しい歌声と豊かな表現力で多くのリスナーを魅了した。音楽界に颯爽と現れた貴公子といった印象だが、ここまでの道のりは平坦ではなかったようだ。

 たしかに、ここ数年はコロナ禍の影響で思うような活動ができていたわけではないはず。そもそも考えてみれば、彼の活動期間の半分ほどがコロナ禍なのだ。こんなことになるなんて、デビュー時には考えもしなかっただろう。

 けれども、日本歌謡界の重鎮である小椋佳に楽曲を書き下ろしてもらうことや、あの阿久悠の未発表の詩を歌うことになるのだって考えていなかったこと。

「環境に合わせてやれることは変わる」という自明の事実を実感できたのは非常に大きいようだ。マイナス思考に陥らず、いまの自分にできることを模索する──どうして林部はそんな姿勢でいられたのだろうか。

 目まぐるしく変化する社会の中で、筆者は嘆いてばかりだった。大きな不幸の中にあっては、小さな幸福を感じることは難しい。しかし、林部智史という人と言葉を交わしていて気がついた。振り返ってみれば間違いなく、小さな成功を一つひとつ積み上げてきたのだ。

 筆者がインタビュアーとして彼と出会うことができたのが、その証なのだと思う。

関連記事

トピックス

【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
どんな演技も積極的にこなす吉高由里子
吉高由里子、魅惑的なシーンが多い『光る君へ』も気合十分 クランクアップ後に結婚か、その後“長いお休み”へ
女性セブン
『教場』では木村拓哉から演技指導を受けた堀田真由
【日曜劇場に出演中】堀田真由、『教場』では木村拓哉から細かい演技指導を受ける 珍しい光景にスタッフは驚き
週刊ポスト
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
各局が奪い合う演技派女優筆頭の松本まりか
『ミス・ターゲット』で地上波初主演の松本まりか メイクやスタイリングに一切の妥協なし、髪が燃えても台詞を続けるプロ根性
週刊ポスト
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン