国内

ポスト岸田のダークホースに鈴木俊一・財務相が浮上 理由は「財務省の言いなりに増税路線が敷けるから」なのか

ダークホースにしてサラブレッド

ダークホースの鈴木財務相が選ばれた理由(写真は2021年。JMPA)

 やることなすこと裏目裏目の岸田文雄・首相。旧統一教会(世界平和統一家庭連合)への解散命令を請求しても、支持率が上向くどころか逆に過去最低に落ち込み、人気取りの所得税減税を打ち出すと、国会の代表質問で自民党内から「国民が期待するリーダーとしての姿が示せていない」(世耕弘成・参院自民党幹事長)とこき下ろされる始末だ。

 自民党ベテラン議員は、「岸田首相がまだ政権を保てているのは、後継首相のめぼしい候補が見当たらないというだけのことだ」と冷ややかに見ている。

 ポスト安倍の最右翼とされるのは茂木敏充・幹事長だが、茂木派内には小渕優子・選対委員長を支持する勢力があり、自分の派閥をまとめきれていない。前回総裁選で岸田首相と争った河野太郎・デジタル相はマイナンバー問題でずっこけ、高市早苗・経済安保相は後ろ盾だった安倍晋三・元首相の死で勢いを失った。人材不足の自民党では岸田首相が外相に抜擢した岸田派の上川陽子・外相が「初の女性首相候補」に名前があがるほどだ。

 そこに自民党内でさえノーマークのダークホースが浮上している。キングメーカーと呼ばれる麻生太郎・自民党副総裁の側近が打ち明ける。

「麻生さんは岸田政権を支えるつもりだが、岸田さんがコケたときは、ワンポイントで義弟の鈴木俊一・財務大臣(70)の登板を考えている」

鳴かず飛ばずの政治人生から“総理のチャンス”

 鈴木氏は鈴木善幸・元首相の長男で、姉のちか子氏は麻生太郎夫人。いわゆる政界のサラブレッドだが、出世は遅かった。麻布高校、早稲田大を経て父の秘書を務め、1990年総選挙で引退した父の地盤を継いで初当選した。政界入りは岸田首相より1期上になる。

 自民党では父が会長を務めた宏池会(現在の岸田派)に所属。水産族、厚労族議員として知られ、政治血脈的には「宏池会のプリンス」の1人のはずだが、そう呼ばれたことがない。当選4回で小泉内閣の環境大臣として初入閣(2002年)したものの、その後は目立ったポストに就けずに全くの鳴かず飛ばず。自民党OBはこう言う。

「鈴木さんは上に3人の姉がいる末っ子の長男で、性格はおとなしい。宏池会には東大卒の官僚OB議員が多く、政策力で議員を評価する傾向があるが、鈴木さんはあまり政策論議には参加しなかった。同じ早稲田出身でも宮沢喜一・元首相の親戚である岸田さんが派内で出世する一方、善幸さんの息子の俊一さんは宏池会では芽が出なかった」

 ちなみに鈴木氏の妻は宮沢元首相の従兄弟で、宮沢家とも姻戚になる。安倍政権時代の2015年に長年所属した宏池会を退会、義兄の麻生氏が率いる麻生派入り(2016年)したのを契機に出世の道が拓けた。翌2017年には五輪担当相として15年ぶりに2回目の入閣。

 内閣改造でいったん退任したが、後任の桜田義孝氏が「USB発言」などで辞任すると再び五輪相を務め、その後、自民党総務会長、さらに岸田内閣の発足で麻生氏が財務大臣から副総裁に転じると、「私にそんな大役を」と言いながら、後任の財務大臣に就任した。麻生氏の引きで出世の遅れを取り戻したと言える。麻生氏側近はこう語る。

「麻生さん自身も宏池会時代は芽が出なかったから、同じように不遇だった義弟の鈴木さんをなんとか男にしてやりたいと思っていた。鈴木さんはすでに財務大臣3期、環境大臣や五輪相を歴任し、自民党3役の総務会長も務めた。麻生さんは引退後は麻生派会長の座を鈴木さんに譲るつもりだから、派閥領袖への就任は確実。総理総裁の資格は十分にある。党内に敵も少なく、政治状況次第ではワンポイントで総理の芽はある」

関連記事

トピックス

無罪判決に涙を流した須藤早貴被告
《紀州のドン・ファン元妻に涙の無罪判決》「真摯に裁判を受けている感じがした」“米津玄師似”の男性裁判員が語った須藤早貴被告の印象 過去公判では被告を「質問攻め」
NEWSポストセブン
激痩せが心配されている高橋真麻(ブログより)
《元フジアナ・高橋真麻》「骨と皮だけ…」相次ぐ“激やせ報道”に所属事務所社長が回答「スーパー元気です」
NEWSポストセブン
Instagramにはツーショットが投稿されていた
《女優・中山美穂さんが芸人の浜田雅功にアドバイス求めた理由》ドラマ『もしも願いが叶うなら』プロデューサーが見た「台本3ページ長セリフ」の緊迫
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
スポーツアナ時代の激闘の日々を振り返る(左から中井美穂アナ、関谷亜矢子アナ、安藤幸代アナ)
《中井美穂アナ×関谷亜矢子アナ×安藤幸代アナ》女性スポーツアナが振り返る“男性社会”での日々「素人っぽさがウケる時代」「カメラマンが私の頭を三脚代わりに…」
週刊ポスト
NBAロサンゼルス・レイカーズの試合を観戦した大谷翔平と真美子さん(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平がバスケ観戦デート》「話しやすい人だ…」真美子さん兄からも好印象 “LINEグループ”を活用して深まる交流
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「服装がオードリー・ヘプバーンのパクリだ」尹錫悦大統領の美人妻・金建希氏の存在が政権のアキレス腱に 「韓国を整形の国だと広報するのか」との批判も
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《私には帰る場所がない》ライブ前の入浴中に突然...中山美穂さん(享年54)が母子家庭で過ごした知られざる幼少期「台所の砂糖を食べて空腹をしのいだ」
NEWSポストセブン
亡くなった小倉智昭さん(時事通信フォト)
《小倉智昭さん死去》「でも結婚できてよかった」溺愛した菊川怜の離婚を見届け天国へ、“芸能界の父”失い憔悴「もっと一緒にいて欲しかった」
NEWSポストセブン