日本シリーズの関西決戦で惜しくも敗れたパ・リーグ覇者のオリックス。16勝を挙げて3年連続で沢村賞を受賞したエース・山本由伸(25)がポスティングでメジャー(ドジャース)に移籍し、今シーズン11勝の左腕・山崎福也(31)がFAで日本ハムに移籍する。大エースや2桁左腕が抜けて、オリックスは困らないのだろうか。
昨オフは絶対的4番だった吉田正尚(30)がポスティングでメジャー(レッドソックス)に移籍したが、今季は2位と15.5ゲーム差という圧巻の成績でリーグ3連覇を達成している。そんなオリックスの強さについて、在阪スポーツ紙デスクはこう言う。
「2018年オフ、ローテの2本柱の金子千尋(40)が日本ハム、西勇輝(33)が阪神へ移籍したが、このピンチを救ったのが2018年にセットアッパーとして54試合に登板していた山本由伸だった。翌年は先発に転向し、8勝を挙げて最優秀防御率のタイトルを手にした。2020年は最多奪三振のタイトル、2021年からは3年連続で投手4冠+沢村賞を獲りました」
打撃面でも4番の吉田が昨オフに抜けた後に、FAで獲得した森友哉(28)が得点圏打率.363の成績を残し、頓宮裕真(27)が首位打者を獲得して穴を埋めた。捕手の森の加入は若月健矢(28)の奮起を促し、堅守で投手陣を支えた。
「今オフに抜ける山本由伸の穴を埋めそうなのは高卒3年目の山下舜平大(21)。190cm、98kgの体格があり、今季も山本がWBC明けということもあって一軍初登板での開幕投手という大抜擢をされ、その期待に応えて9勝を挙げた。700万円の年俸は471%アップの4000万円となりました。
オリックスはプロ4年目の宮城大弥(22、2019年ドラフト1位)、紅林弘太郎(21、2019年ドラフト2位)が主力となり、3年目の山下(2020年1位)と6年目の東晃平(24、2017年育成2位)がローテーションに加わった。3年目の宇田川優希(25、2020年育成3位)と7年目の山崎颯一郎(25、2016年ドラフト6位)もいる。自前で獲得した選手をきちんと育てられている。今季の開幕スタメンの平均年齢は26.2歳と12球団の中でも日本ハムに次いで2番目に若い。
日本ハムも育成には定評があるが、そこで伸び悩んでいた吉田輝星(22)をトレードで獲得した。オリックスが大化けさせる可能性はある。主力が抜けても連覇が狙えるシステムが構築されているわけです」(前出・在阪スポーツ紙デスク)