芸能

高田文夫氏、2023年の最大のニュースは「母校・日大のドタバタ」 島崎俊郎さん、笑福亭笑瓶さん、上岡龍太郎さんら故人を悼む

高田文夫氏の2023年最大のニュースは?(イラスト/佐野文二郎)

高田文夫氏の2023年最大のニュースは?(イラスト/佐野文二郎)

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、2023年を振り返り、故人をしのぶ。

 * * *
 この号の発売が2023年のラスト。ゆっくり今年でも振り返ってみようかと思うとイラストの佐野クンが「今年はやっぱりこれでしょう」とこのイラストを描いてきた。アメフト、大麻、理事長、副学長校内ドタバタの泥仕合。林真理子は私の日芸の大後輩。

 こんな騒ぎが起きる半年前、日大から爆笑問題・太田(日芸)に講演の依頼が来た。時はすぐに流れて大麻アメフト騒ぎ。講演前日、太田が私に「明日、学生相手に何か話してくれと言われてるんですけど行かない方がいいですかネ」「面白いから行って来いよ。林の顔見て来いよ」。

 当日、なんと副学長が林を「パワハラ」で訴えた。市ヶ谷にある日大本部前はカメラに記者でゴッタ返していた。そこへ車でやって来た太田「やばい」と思い、思わずウラグチから本部に入っちゃったというお粗末。追記するなら、学生の前に出た太田の第一声「いま理事長からパワハラをうけまして」に、学生ドッカーン。ニュースはみんな日芸。

 余談ですが旧ジャニーズの新社長になった人も日芸で太田と同期。“手ごわい相手だぬかるな、一気につぶしてすすめ”。私が台本を書いてる頃のフィンガー5『恋のアメリカンフットボール』より。

『オレたちひょうきん族』でお世話になったアダモちゃん「ペイッ」島崎俊郎が突然亡くなった。今年は“笑い”に携わる人が多く亡くなった気がする。2月は笑福亭笑瓶。人柄の良さがよく出た黄色のロイド眼鏡。鶴瓶の弟分みたいなニュアンスだったが師弟なのだ。

「笑い」ではないが記させて下さい。「MG5」のCM、『帰ってきたウルトラマン』の団時朗。若き日フジTVの帰り曙橋でバッタリよく会い、たった2人で小さな居酒屋でよく飲んだ。同い歳のいい奴。

 5月「地下鉄漫才」の春日三球死去。奥様である照代さんと上品ないい漫才だった。1980年のMANZAIブームが来る前、三球・照代が“東京漫才”を守った。

 ご存じ上岡龍太郎も81歳で亡くなった。あの毒舌、辛口を談志もこよなく愛した。小桜京子と書いても分かる人はもう少ない。喜劇王金語楼の芝居によく出ていた。90歳。吉本新喜劇では桑原和男、おかゆうた。10月にはタケモトピアノで若い人も知る財津一郎が「やめてチョーダイッ」と亡くなった。クレージーキャッツ最後のひとりとなった犬塚弘も94歳で他界。

 喜劇人の死というのは「笑わせてくれた分量だけ哀しい」というのが私の持論だが……この説でいくとあまりうけなかった笑芸人は死んでもあまり哀しくない。

※週刊ポスト2024年1月1・5日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

体調を見極めながらの公務へのお出ましだという(4月、東京・清瀬市。写真/JMPA)
体調不調が長引く紀子さま、宮内庁病院は「1500万円分の薬」を購入 “皇室のかかりつけ医”に炎症性腸疾患のスペシャリストが着任
女性セブン
学習院初等科時代から山本さん(右)と共にチェロを演奏され来た(写真は2017年4月、東京・豊島区。写真/JMPA)
愛子さま、早逝の親友チェリストの「追悼コンサート」をご鑑賞 ステージには木村拓哉の長女Cocomiの姿
女性セブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
睡眠研究の第一人者、柳沢正史教授
ノーベル賞候補となった研究者に訊いた“睡眠の謎”「自称ショートスリーパーの99%以上はただの寝不足です」
週刊ポスト
公式X(旧Twitter)アカウントを開設した氷川きよし(インスタグラムより)
《再始動》事務所独立の氷川きよしが公式Xアカウントを開設 芸名は継続の裏で手放した「過去」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
現役を引退した宇野昌磨、今年1月に現役引退した本田真凜(時事通信フォト)
《電撃引退のフィギュア宇野昌磨》本田真凜との結婚より優先した「2年後の人生設計」設立した個人事務所が定めた意外な方針
NEWSポストセブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
「ホテルやネカフェを転々」NHK・林田理沙アナ、一般男性と離婚していた「局内でも心配の声あがる」
NEWSポストセブン
猛追するブチギレ男性店員を止める女性スタッフ
《逆カスハラ》「おい、表出ろ!」マクドナルド柏店のブチギレ男性店員はマネージャー「ヤバいのがいると言われていた」騒動の一部始終
NEWSポストセブン
【中森明菜、期待高まる“地上波出演”】大ファン公言の有働由美子アナ、MC担当番組のために“直接オファー”も辞さない構え
【中森明菜、期待高まる“地上波出演”】大ファン公言の有働由美子アナ、MC担当番組のために“直接オファー”も辞さない構え
女性セブン