動画では「チンピラ」の過去を武器にしつつ、真摯に英語を発信中
英語を教えるきっかけは「ギャルの先輩」
復学後は、真面目にキャンパスに通う日々が続いた。
「周囲の就活をしている学生を見ていると、英語がしゃべれる人ほど仕事やキャリアの幅が広がるし、何より英語を通じて世界中の文化や思想に触れられるから、多様な価値観を持っていると気がついて。だから、将来どんな生き方をするにしても英語力は必須だと思って、まずはTOEIC満点と英検1級の合格を目指して、再び頑張ることに決めました」
2度目の猛勉強の末、6か月で2つの目標を晴れて達成。時を同じくして、英語を教えるようにもなっていた。
「夜遊びしていた時代にクラブで出会った5才年上のギャルに『英語得意なら教えてよ〜』って言われて軽い気持ちで引き受けたんです。だけどいざやってみると自分で勉強するよりもさらに難しい。試行錯誤を重ねた結果、単語・文法・発音の3つの柱をバランスよく鍛えることが上達の近道だと気がつきました。
単語は本当に使う1000個に絞り、例文は先輩の好きなヒップホップに関する事柄を入れるなど、脳へのインプットを重視した。文法は、ウチと一緒にとにかく声に出して耳で覚えてもらうようにしました」
その結果“ギャルの先輩”は半年でTOEIC480点から900点台へ。外資系企業に転職し、年収も300万円アップしたという。
現在は「伝える力」を生かしてYouTube『Hina 卍TOEIC満点卍』で発信を行いつつ、コーチングサービス『LinkUp』も運営している。
「3月1日現在で50人の生徒が在籍しています。最高齢の62才の“姉貴”は中学英語もすべて忘れた状態から再勉強して、英検準1級をとりました。大学に受かりたい、年収を上げたい、海外旅行で流暢に話したい……英語を学ぶ目的は人の数だけあるけれど、共通するのは、できるようになると、努力してきた自分のことを好きになって自信が持てること。それがいちばんの英語を学ぶ意味なんやと思います。
特に日本人って世界的に見るとめっちゃシャイだから、これからもたくさんの人に英語を教えて、世界にカチこめるような自信満々な日本人を増やしたいとウチは本気で思ってます!」
撮影/田中智久
※女性セブン2024年3月28日号
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